独学で対策!海上保安官採用試験(大卒)の基礎能力試験勉強法

【海上保安官】基礎能力試験の傾向と対策

海上保安官になるという大きな夢へ向けて、勉強を始めようとしているあなた。
本当に素晴らしい第一歩ですね。

しかし、いざ採用試験について調べてみると、

  • 「基礎能力試験って、科目が多くて何から手をつければ…」
  • 「一体どのくらいの点数を取れば合格できるんだろう?」
  • 「そもそも、どんな問題が出るのか分からなくて不安…」

といった、たくさんの「?」が頭に浮かんでいるのではないでしょうか。

その気持ち、非常によく分かります。
多くの受験生が同じ悩みを抱え、対策のスタートラインで立ち止まってしまうのです。

でも、ご安心ください。
この記事を読み終える頃には、その不安は「こうすれば合格できる!」という確信に変わりますよ

この記事では、海上保安官採用試験(大卒程度)の「基礎能力試験」に特化し、

  • 試験の科目や問題数といった全体像
  • 合格に必要となるボーダーラインの目安
  • 合格者が実践している具体的な勉強法

これら全てを、公式情報に基づいて分かりやすく解説していきます。一緒に、合格への最短ルートを走り始めましょう!

目次

海上保安官(大卒)の基礎能力試験とは?まずは全体像を知ろう

対策を始める前に、まずは敵を知ることが重要ですね。

ここでは、海上保安官採用試験における基礎能力試験の「位置づけ」や「試験内容」を正確に把握していきましょう。

一次試験における「基礎能力試験」の位置づけ

海上保安官採用試験(大卒程度)の一次試験は、「基礎能力試験」と「課題論文試験」の2つで構成されています。

最終的な合格は、これら一次試験の2種目に、二次試験の「人物試験(面接)」を加えた合計点で決まります。

それぞれの配点比率は以下の通りです。

試験種目配点比率
基礎能力試験3/6
課題論文試験2/6
人物試験1/6

ご覧の通り、基礎能力試験は全体の半分(3/6)を占める最重要科目です。 [1]

ここでしっかり得点できるかどうかが、合否を大きく左右すると言っても過言ではありません。


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この記事では「基礎能力試験」に絞って解説しますが、論文や面接対策も含めた「海上保安官採用試験の全体像」を先に知りたい方は、以下のまとめ記事からご覧いただくと、より理解が深まりますよ。

試験科目・問題数・試験時間

では、具体的にどのような問題が出るのでしょうか。

2025年度試験の概要と、近年の科目別出題数は以下の通りです。 [2]

【試験概要(2025年度)】

  • 試験時間: 1時間50分
  • 全問題数: 30問

【科目別出題数(大卒程度)】

科目2025年2024年2023年
知能分野24問24問25問
数的推理445
判断推理666
空間把握112
資料解釈333
現代文666
英文445
知識分野6問6問5問
時事554
情報11

注:2024年度から試験形式が変更され、総問題数が40問から30問になりました。


この表から分かる通り、全30問のうち24問(80%)が「知能分野」から出題されます。特に、数的処理(判断・数的・空間・資料解釈)と文章理解(現代文・英文)で、ほぼ全ての点数が決まると言っても過言ではありません。

古い参考書やサイトでは「40問形式」の情報が掲載されている場合があるため、必ず「30問形式」に対応した最新の教材で対策を進めるようにしましょう。

気になる難易度とボーダーラインの目安は?

試験の全体像が見えたところで、次に気になるのは「どのくらい点数を取れば合格できるのか?」という点ですよね。

ここでは、公式データを基に難易度と目標点を解説します。

他の国家公務員と比較した難易度

海上保安官採用試験は、国家公務員試験の中では「専門職」の枠組みに含まれます。

そのため、問題自体の難易度は、国家総合職のような超難問は少なく、標準的なレベルと言えるでしょう。

しかし、油断は禁物です。

2024年度の試験結果を見ると、申込者506名に対し、最終合格者は84名でした。 [3]

これは、実質倍率が約6.0倍であることを意味します。決して簡単な試験ではないことが分かりますね。

目標とすべき得点率と「足切り」ライン

合格点を考える上で最も重要なのが、「基準点(足切り)」「標準点」という2つのキーワードです。

基準点(足切り)とは?

「この点数に達しない場合は、他の科目が満点でも不合格」となる最低ラインのことです。

基礎能力試験(30点満点)の基準点は9点[4]

つまり、3割(9/30問)が足切りラインとなります。どんなに苦手でも、このラインは死守しなければなりません。

最終合格には「標準点」での競争になる

基準点をクリアした受験者たちは、次に「標準点」という特殊な計算方法で評価されます。これは、平均点からの差を考慮して算出される偏差値のようなものです。

2024年度試験の第1次試験合格点(標準点)は389点最終合格点は498点でした。[4]

「標準点だと目標が立てづらい…」と感じますよね。

そこで、素点(=正解した問題数)での目標を考えてみましょう。

一般的に、公務員試験の教養科目は6割の得点がボーダーラインの目安と言われます。30点満点なので、目標はまず18点(18/30問)と設定するのが現実的です。

実際に2024年度の平均点が14.322点(約48%)だったことを考えると、6割(18点)を取れれば、他の受験者より優位に立てる可能性が高いと言えるでしょう。 [4]


【出典】
[1] 人事院「2025年度海上保安官採用試験 合格者の決定方法
[2] 人事院「2025年度 海上保安官採用試験 受験案内
[3] 人事院「2024年度 海上保安官採用試験の実施結果
[4] 人事院「2024年度 海上保安官採用試験 合格点及び平均点等一覧

【科目別】基礎能力試験の具体的な勉強法と学習の優先順位

目標点が分かったところで、いよいよ具体的な勉強法です。

全30問のうち24問を占める「知能分野」をいかに攻略し、6問の「知識分野」をいかに効率よく得点するかが、合格へのカギとなります。

最重要!「知能分野(数的処理・文章理解)」の攻略法

知能分野は、対策にかけた時間がそのまま点数に直結しやすい科目です。毎日少しずつでも良いので、コツコツと問題に触れる習慣をつけましょう。

数的処理(判断推理・数的推理・空間把握・資料解釈)

  • 出題数: 計14問
  • 攻略のポイント: とにかく「解法パターン」を覚えること。

数的処理は、一見ひらめきが必要な難問に見えるかもしれませんが、そのほとんどは決まった解法パターンで解くことができます。

参考書や問題集を繰り返し解き、「この問題はこのパターンだ!」と瞬時に判断できるレベルを目指しましょう。

特に判断推理・数的推理は、合計で10問も出題される最重要科目です。ここを得意にできれば、合格が一気に近づきます。

逆に、資料解釈は出題パターンがある程度決まっているので、得点源にしやすい科目です。

計算に時間がかかりがちなので、「概算(おおよその数で計算する)」「選択肢を先に見て、明らかにおかしいものを消す」といった時短テクニックを身につけることが重要ですね。

文章理解(現代文・英文)

  • 出題数: 計10問
  • 攻略のポイント: 本文に書かれていることだけを根拠に解く。

文章理解でやってはいけないのが、「自分の感想や推測」で選択肢を選んでしまうことです。答えは必ず本文の中にあります。解く際は、「なぜその選択肢が正解(または不正解)なのか」を本文中から探し出す癖をつけましょう。

英文が苦手な方は、まず大学受験レベルの単語帳や文法書を1冊完璧に復習することから始めるのがオススメです。難しい単語は少なく、基本的な構文が取れれば解ける問題がほとんどですよ。

効率重視!「知識分野」の学習戦略

知識分野は、全6問と配点が少ないため「深追いしすぎない」ことが鉄則です。満点を目指すのではなく、得意な分野で確実に得点する「コスパ」の良い学習を心がけましょう。

時事・情報

  • 出題数: 計6問(時事5問、情報1問)
  • 攻略のポイント: 市販の時事対策本を1冊やりこむ。

知識分野は、ほぼ「時事問題」と言っても過言ではありません。

出題範囲は政治・経済から社会、国際情勢までと広いですが、市販の公務員試験用「時事対策本」に出るテーマが頻出です。これを試験直前期に2〜3回読み込めば、十分対応できます。

「情報」は2024年度から本格的に導入された科目です。AI、IoT、5G、個人情報保護など、ニュースでよく聞くような基本的なIT用語の意味を理解しておけば問題ないでしょう。

独学者にもおすすめの参考書・問題集3選

「どの参考書を使えばいいの?」という方のために、多くの合格者が利用している定番の3冊をご紹介します。

『新スーパー過去問ゼミ』(通称:スー過去)

言わずと知れた公務員試験対策の王道。

問題の網羅性が非常に高く、解説も丁寧なので、これ一冊を何度も繰り返せば、合格に必要な知識はほぼ身につきます。分厚いので覚悟は必要ですが、迷ったらまずこれを手に取ることをおすすめします。

『畑中敦子の数的処理』シリーズ(通称:ワニ本)

数的処理がどうしても苦手…という受験生の救世主です。

まるで講義を受けているかのような丁寧な語り口で、解法の「なぜそうなるのか?」という部分から理解できます。スー過去で挫折してしまった方にもおすすめです。

『公務員試験 速攻の時事』

時事問題対策の決定版。図やグラフが豊富で、複雑なニュースも分かりやすく整理されています。試験直前期にこの一冊を読み込むだけで、知識分野の得点力を大きく高めることができます。


ここまで読み進め、基本的な勉強の進め方は掴めたかと思います。

もしあなたが、「何から手をつければいいのか」や「よく出る科目・分野はどれか」など、より踏み込んだデータを求めているなら、私の分析力と経験を凝縮した下記noteがきっと役に立ちます。

独学を強力にサポートする一つの選択肢として、ぜひ一度内容を覗いてみてください。

ライバルと差をつける!学習効果を高める3つのポイント

最後に、ただ勉強するだけでなく、他の受験者と差をつけるための学習のコツを3つお伝えします。

ポイント①:過去問中心の学習サイクルを確立する

参考書を読むだけの「インプット学習」だけでは、点数は伸びません。

「インプット→アウトプット」のサイクルを確立しましょう。

具体的には、過去問(問題集)を解く → なぜ間違えたか分析する → もう一度解き直す→参考書で周辺知識を学ぶという流れです。

これを繰り返すことで、知識が「知っている」レベルから「使える」レベルへと変わっていきます。

海上保安官採用試験の過去問はもちろん、同じ問題が出題される国家一般職の過去問も活用すると演習量を確保できますよ。


海上保安官採用試験の過去問は下記の記事で3年分を掲載しています。まずはここから始めてみましょう!

ポイント②:論文・面接対策との時間配分を意識する

基礎能力試験は配点が高いですが、これに時間をかけすぎて論文や面接の対策が疎かになるのは、よくある失敗パターンです。

一次試験の合格発表から二次試験までは、あまり時間がありません。

筆記試験の勉強と並行して、少しずつでも自己分析や志望動機の深掘りを進めておきましょう。

「なぜ、警察官や自衛官ではなく、海上保安官なのか?」この問いに、自分の言葉で明確に答えられるように準備しておくことが重要です。

ポイント③:「なぜ海上保安官なのか」を常に意識する

長い受験勉強では、モチベーションの維持が何より大切です。机に向かうのが辛くなったら、一度ペンを置いて、海上保安庁の公式サイトやYouTubeチャンネルを見てみてください。

巡視船が荒波を進む映像や、現場で働く保安官の姿が、あなたの「なりたい」という気持ちを再燃させてくれるはずです。

この筆記試験は、あくまで通過点。その先にある「日本の海を守る」という大きな使命を常に心に留めておくことが、苦しい時期を乗り越える一番の力になります。

まとめ:基礎知識を固め、合格への一歩を踏み出そう!

今回は、海上保安官採用試験(大卒程度)の基礎能力試験について、その全体像から具体的な勉強法までを詳しく解説してきました。

最後に、この記事の重要ポイントをもう一度振り返りましょう。

  • 最重要科目: 配点の半分を占める「基礎能力試験」が合否を分ける。
  • 目標ライン: まずは素点で6割(18/30問)を目指すのが現実的な目標。
  • 学習の優先順位: 全体の8割を占める「知能分野(特に数的処理と文章理解)」を最優先で対策する。
  • 学習の王道: 過去問を中心に「インプット→アウトプット」のサイクルを回す。

何から手をつければいいか分からなかったあなたも、今では頭の中に合格までの地図が描けているのではないでしょうか。

ぜひ、今日から一つでも行動に移してみてください。
まずは最新の過去問を1年分解いてみて、自分の現在地を知ることから始めるのがおすすめです。

あなたの挑戦を、心から応援しています!


ここまで読み進め、基本的な勉強の進め方は掴めたかと思います。

もしあなたが、「何から手をつければいいのか」や「よく出る科目・分野はどれか」など、より踏み込んだデータを求めているなら、私の分析力と経験を凝縮した下記noteがきっと役に立ちます。

独学を強力にサポートする一つの選択肢として、ぜひ一度内容を覗いてみてください。

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