人事院は2025年8月12日、2025年度(令和7年度実施)航空管制官採用試験における第二次試験の合格者を発表しました。
この記事では、本日発表された第二次試験の結果を、前年度と比較しながら詳しく分析・解説していきます。
航空管制官を志望する方は参考にしてください。
過去の実施状況は下記の記事で詳しくまとめています。あわせて確認しましょう!
【2025年度】航空管制官採用試験 第二次試験の結果
結論から言うと、2025年度 航空管制官採用試験 第二次試験の倍率は約1.5倍でした。
データを基にさらに詳しく見ていきましょう。
第二次試験の結果
試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
第二次試験 | 209 (213) | 139 (142) | 1.5 (1.5) |
*( )内は昨年度(2024年度)の数値
ここまで2025年度の二次試験結果を速報値としてお伝えしました。しかし、単に数字を眺めるだけでは見えてこない、重要な変化や傾向があります。
ここからは、これらのデータを深掘りし、昨年度との比較も交えながら、今年の航空管制官採用試験から読み取れるトレンドを分析していきます。
【分析】二次試験の結果から見える3つの注目ポイント
2025年度の試験結果を多角的に分析すると、航空管制官としてどのような人材が求められているのかが浮かび上がってきます。
特に、「評価基準の安定性」「人材の多様性」「最終選考の重要性」という3つの大きな潮流が見て取れました。一つずつ、詳しく見ていきましょう。
① 二次試験の倍率は1.5倍で安定。人物評価が鍵か
今年度の二次試験は、受験者209名に対し合格者は139名、倍率は1.5倍という結果でした。
これは、昨年度の二次試験倍率1.5倍(受験者213名、合格者142名)と全く同じ数値です。受験者数や合格者数に若干の変動はあるものの、倍率が安定している点は注目に値します。
二次試験では人物試験(面接)やシミュレーションによる適性試験が行われることから、評価基準が安定しており、一定水準以上の能力や適性を持つ受験者が着実に合格していることがうかがえます。
② 合格者の半数は女性!多様な人材登用の表れ
今年度の二次試験合格者139名のうち、女性は70名と合格者の50.4%を占め、半数を超える結果となりました。
昨年度も二次試験合格者のうち49.3%が女性であり、2年連続で男女比がほぼ1:1となっています。
このデータは、航空管制官という高度な専門性が求められる職務において、性別に関わらず実力本位の採用が行われていることを明確に示しています。
③ 最終関門は三次試験。採用予定数との関係は?
今回の二次試験で139名が合格しましたが、2025年度の採用予定数は約120名と発表されています。
昨年度の実績を見ると、二次試験合格者142名のうち141名が三次試験を受験し、最終的に135名が合格しています。このことから、二次試験合格者の多くが最終合格に至る可能性が高いと言えます。
しかし、採用予定数と二次試験合格者数には若干の差があるため、三次試験(面接・身体検査)が採用を勝ち取るための最後の重要なステップであることに変わりはありません。
まとめ:分析結果から見る今後の航空管制官採用試験の予想
本記事では、2025年度航空管制官採用試験の第二次試験結果を、昨年度との比較を交えながら分析してきました。
今回の結果から浮かび上がってきたのは、以下の3つの明確なトレンドです。
- 評価基準の安定性:二次試験の倍率が1.5倍で安定しており、人物や適性を重視する評価基準が確立されている。
- 人材の多様性:合格者の男女比がほぼ同数であり、性別を問わない実力本位の採用が定着している。
- 最終選考の重要性:採用予定数を見据えると、三次試験が最終的な採用を決定づける重要な関門となる。
これらのトレンドは、来年度以降の航空管制官採用試験を目指す方々にとって、極めて重要な指針となります。
面接や適性試験で評価される対人能力や冷静な判断力、そして性別に関わらない個人の能力そのものが、今後ますます重要になるでしょう。
なお、今回の二次試験を通過した受験者は、8月21日(木)から22日(金)にかけて行われる三次試験に臨み、最終的な合格発表は9月24日(水)に予定されています。
未来の日本の空を守る新しい才能が、最後の関門を突破できるか、その動向に今後も注目していきたいと思います。
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