気象大学校学生採用試験の面接(人物試験)について解説します。
「筆記は得意なのに、面接で評価されず不合格になったらどうしよう…」
一次試験を突破した今、そんな不安を感じていませんか?
それもそのはず。
気象大学校の面接は、ただ熱意をアピールするだけでは通用しません。
正しい準備の手順や、面接官が本当に見ている評価点を知らずに臨むと、合格は難しくなります。
実際に、筆記試験の合格者から、面接を経て最終的に不合格になる人もいます。
- 2024年度:筆記合格83名 → 最終合格66名
- 2023年度:筆記合格73名 → 最終合格58名
油断せず、しっかり対策することが合格へのポイントです。
そこで本記事では、気象大学校の面接について以下の3点を解説します。
- 面接試験の「本当の」評価基準
- 合格者が実践する「正しい対策手順」5ステップ
- 実際に聞かれた「過去問」と説得力のある回答の作り方
この記事に書かれていることを実践すれば、あなたの面接への不安は自信に変わりますよ。
▼気象大学校の試験内容は以下の記事で解説しています。
【気象大学校】面接試験の概要
ここでは、気象大学校の面接試験がどのように行われ、何が評価されるのかを解説します。
まずは、試験の全体像を正確に把握しましょう。
形式・試験時間
気象大学校の面接試験は、個別の面接形式で行われます。
基本的な情報は以下の通りです。
- 試験時間: 約20分
- 面接官: 3人
3人の面接官が、約20分という短い時間で、あなたの人柄や能力を多角的に評価します。
何が評価される?人事院が示す5つの評価項目
面接では、主に以下の5つの観点が評価されます。
これは多くの公務員試験で共通して使われる基準です。
| 評価項目 | どのような点を見ているか |
|---|---|
| 積極性 | ・やる気を持って、物事に取り組めるか ・自ら課題解決のために行動できるか |
| 協調性 | ・組織の一員として、周りと協力できるか ・真面目に、粘り強く物事を進められるか |
| 判断力・思考力 | ・物事を的確に判断できるか ・冷静に状況を分析できるか |
| 表現力 | ・質問の意図を正しく理解し、的確に答えられるか ・話の内容が分かりやすく、簡潔か |
| 態度 | ・真面目に応答しているか ・落ち着いており、安定感があるか |
これらの項目について、あなたの過去の経験などを通して評価されます。
面接は得点化されず「合否」で判定される
気象大学校の面接は、筆記試験のように点数が付けられるわけではありません。
得点を算出せず、「合格」か「不合格」かのみで判定されます。
そして、もしこの人物試験で「不合格」と判定された場合、たとえ筆記試験の成績がどれだけ優秀であっても、その時点で採用されることはありません。
一つひとつの質問に、誠実かつ的確に答えることが非常に大切になります。
【気象大学校】面接試験の過去問(質問)
ここでは、実際の面接の流れに沿って、過去に聞かれた質問をリスト形式で紹介します。
本番の雰囲気をイメージしながら、一つひとつの質問にどう答えるか考えてみましょう。
質問項目1
- 本日は遠方からお疲れ様です。昨夜はよく眠れましたか?
- では、まず志望動機からお聞かせください。
- (回答に対して)気象に興味を持ったきっかけは〇〇とのことですが、具体的に、最初に「面白い」と感じたのはどのような現象でしたか?
- (回答に対して)一般の大学でその現象を研究する道もあったと思いますが、なぜ「気象大学校」でなければならないと考えたのですか?
- 気象庁の業務は多岐にわたりますが、現時点で特に関心があるのはどの分野ですか。
- 高校では物理が得意とのことですが、物理の知識が気象学において、どのように役立つと考えていますか?
- あなたはチームで何かを成し遂げた経験はありますか?その時のあなたの役割は何でしたか?
- (回答に対して)その際、チーム内で意見が対立することはありませんでしたか?あれば、どう解決しましたか?
- 最近読んだ本の中で、特に印象に残っているものはありますか?
- 全寮制の生活になりますが、集団生活で最も大切だと思うことは何ですか?
- 10年後、あなたはどのような気象庁職員になっていたいですか?
- 最後に、何か言い残したことや、質問はありますか?
質問項目2
- 少し緊張しているように見えますが、大丈夫ですか?
- では、あなたの強みを含めて、1分程度で自己PRをお願いします。
- (回答に対して)部長としてチームをまとめた経験について、最も困難だったことは何でしたか?
- (回答に対して)その困難を、あなたはどのように乗り越えたのですか?
- では次に、気象大学校の志望動機を教えてください。
- (回答に対して)「国民の安全を守りたい」とのことですが、警察官や自衛官ではなく、なぜ気象庁職員という形で貢献したいのですか?
- 最近の気象災害のニュースで、特に印象に残っているものはありますか?
- (回答に対して)その災害を防ぐ、あるいは被害を軽減するために、気象庁はどのような情報を提供すべきだったと考えますか?
- あなたの周りからは、どのような人だと言われることが多いですか?
- 上司や教官から、あなたの能力を否定するような厳しい指摘を受けたとします。あなたならどう受け止め、どう行動しますか?
- 体力には自信がありますか?健康を維持するために日頃から行っていることはありますか?
- 全国転勤がありますが、ご家族はそのことについて何と言っていますか?
- 最後に、今日の面接でご自身をアピールしきれなかった点があれば、どうぞ。
▼「自己PRや志望動機が不安…」、「もっと過去の質問が知りたい」という方は、以下の記事をご覧ください。
【気象大学校】面接試験の対策方法
ここからは、気象大学校の面接に合格するための具体的な対策を5つのステップで解説します。
何から手をつければ良いか分からない人は、ぜひこの手順で進めてください。
着実に準備すれば、自信を持って本番に臨めますよ。
STEP1:自己分析で「あなただけの言葉」を見つける
面接対策は、まず「自己分析」から始めましょう。
なぜなら、面接官はあなたの「人柄」や「考え方」を深く知りたいからです。
過去の質問リストにあったような深掘り質問に、あなた自身の言葉で答える必要があります。
そのための引き出しを、自分の中にたくさん作っておく作業が自己分析なのです。
難しく考えず、まずは紙とペンを用意して、以下のことを書き出してみましょう。
- これまでの経験を書き出す
-
- 成功した体験、失敗した体験
- 中学校や高校で最も頑張ったこと(部活動、文化祭、勉強など)
- チームで何かを成し遂げた経験
- 経験を掘り下げる
-
- なぜそれに取り組もうと思ったのか?(動機)
- その経験の中で、どんな困難があったか?(課題)
- 困難をどうやって乗り越えたか?(行動)
- その経験から、何を学び、どう成長できたか?(結果・学び)
このように、自分自身を深く理解することが、面接対策の第一歩です。
ここでの頑張りが、次の面接カード作成や回答作りに必ず活きてきますよ。時間をかけて取り組んでください。
STEP2:職務研究で「求められる人物像」を理解する
自己分析が終わったら、次は気象庁や気象大学校が「どんな人材を求めているか」を理解しましょう。
あなたの強みが、組織が求める力と合っていると伝える必要があるからです。
<求められる人物像を理解する方法>
- 公式サイトを熟読する:気象庁の役割や業務内容、気象大学校の教育内容を正確に知る。
- 関連ニュースを追う:最近の気象災害や、それに対する気象庁の対応などを把握する。
- 説明会に参加する:可能であればオンライン説明会などに参加し、現場の職員の話を聞く。
職務研究を通じて、「国民の安全を守る」という強い使命感や、科学に対する誠実な探究心、チームで協力する姿勢などが求められていると分かるはずです。
この研究は、あなたの志望動機に説得力と深みを与えてくれます。
STEP3:面接カードで「質問のきっかけ」を作る
自己分析と職務研究ができたら、その内容を面接カードにまとめましょう。
面接試験は、事前に提出するこの面接カードに書かれた内容を中心に進められます。つまり、面接カードは面接官に「ここを質問してほしい」とアピールするための設計図なのです。
<面接カード作成の3つのコツ>
- 結論から書く:質問に対して、まず「答え」を簡潔に述べる。
- 具体例を入れる:STEP1で見つけたエピソードを使い、内容に説得力を持たせる。
- 丁寧に仕上げる:誤字脱字がないかを確認し、誰が読んでも分かりやすい言葉で書く。
面接カードは、あなたの第一印象を決める重要な書類です。
時間をかけて、あなたという人間が伝わる内容を完成させてください。
▼気象大学校の面接カードについて、書き方や注意点を以下の記事で解説しています。
STEP4:模擬面接で「話す練習」をする
面接カードが完成したら、次は「自分の言葉で話す力」を鍛えましょう。
どんなに良い内容も、相手に伝わらなければ評価されません。
「頭で分かっている」ことと、「スムーズに話せる」ことは全く違います。
<おすすめの模擬面接の相手>
- 高校の先生:進路指導の先生など、経験豊富な先生にお願いするのが一番です。
- 家族や友人:面接官役を頼み、客観的な意見を聞いてみましょう。
- 公務員予備校:もし利用していれば、専門家の視点から的確なアドバイスがもらえます。
練習風景をスマホなどで録画して、自分の話し方の癖や表情を確認するのも非常に効果的です。
「話す」練習を重ねることで、自信を持って本番に臨めますよ。
STEP5:フィードバックを受け、修正をくり返す
模擬面接で見つかった課題は、一つひとつ着実に修正しましょう。
この地道な作業が、他の受験生と差をつける最も重要なポイントです。自分の弱点から目をそらさず、粘り強く改善を続けてください。
<具体的な修正のポイント>
- もらった助言を素直に受け止め、ノートに書き出す。
- 話す内容だけでなく、声の大きさや視線、姿勢も意識する。
- 分かりにくいと指摘された部分は、面接カードの文章から見直す。
「練習して課題を見つけ、修正する」このサイクルをくり返しましょう。
それが、面接試験を突破するための最短ルートです。
まとめ|気象大学校の面接で落ちないために
今回は、気象大学校学生採用試験の面接について網羅的に解説しました。
最後に、面接で落ちないために最も大切なことをお伝えします。
それは「あなた自身の言葉で、あなたの熱意を伝えること」。
面接官は、完璧な模範回答を聞きたいわけではありません。あなたという人間が、気象庁職員にふさわしいかを知りたいのです。
そのためには、あなた自身の経験に基づいた、正直な言葉が一番心に響きます。
今回紹介した5つのステップを着実に実践すれば、自信は必ずついてきます。万全の対策をして、あなたの夢を掴み取ってください。
もし一人での対策に困ったり、不安を感じたりしたときは、遠慮なく僕を頼ってほしいです。あなたが合格できるよう、全力でサポートします!
▼面接の個別コーチングは以下の記事をご覧ください。

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