【勉強法】国立大学法人等職員採用試験の教養試験対策

国立大学法人等職員採用の教養試験 (1)

【2025年受験ガイド】国立大学職員採用試験の内容と難易度」では、試験全体の内容や対策について広く解説しました。

本記事は、その中でも教養試験に特化し、より深く掘り下げて解説します。

教養試験の勉強方法や出題傾向を詳しく知りたい方にとって、合格に向けた準備を万全にすることができるでしょう。

ぜひ最後までお読みいただき、成功への一歩を踏み出してください。

目次

国立大学法人等職員採用試験 教養試験の内容

国立大学法人等職員採用試験の教養試験は、一般知能(計算力や読解力を測る分野)と一般知識(高校までの基礎学力を測る分野)で構成される筆記試験です。

この試験では、幅広い科目の知識が問われるため、多岐にわたる学習が必要となります。

国立大学法人採用 教養試験の概要(2024年度)
試験時間120分
問題数40問
難易度大学卒業程度
出題形式五肢択一式(マークシート)
出題範囲一般知能
数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈、文章理解

一般知識
社会科学、人文科学、自然科学

教養試験を攻略するには、出題範囲をしっかりと理解し、計画的に学習を進めることが大切です。

点数を取れるようになるまでに多くの時間を要しますが、教養試験で一定の点数を取ることが、最終合格するために必要不可欠となります。

江本

国家公務員や県・市職員の採用試験と同じような内容(問題)です!

国立大学法人等職員採用試験 教養試験の科目

国立大学法人等職員採用試験の教養試験の科目は、次の5分野18科目から出題されます。

国立大学法人等職員採用試験 教養試験の科目
一般知能数的処理数字や数式を使った計算や論理的な思考力を問う科目。数学的な問題解決能力が求められる。
文章理解300~400字の現代文や英文を読み、趣旨や内容に合致するものを選ぶ科目。読解力や速読力が求められる。
一般知識社会科学中学〜高校で学んだ政治経済や倫理の理解力を測る科目。
人文科学中学〜高校で学んだ地理や歴史の理解力を測る科目。
自然科学中学〜高校で学んだ数学や理科の学力を測る科目。

数的処理

計算力や推理力を問う分野で、次の4科目から構成されます。

教養試験 数的処理の出題範囲
数的推理数学的な問題解決力を問う問題。方程式、確率、統計などが含まれます。
判断推理論理的な思考力を問う問題。条件整理、論理パズル、順序問題などが出題されます。
空間把握図形の認識力を問う問題。立体図形や平面図形の問題が含まれます。
資料解釈データの読み取りや分析力を問う問題。グラフや表を使った問題が出題されます。

初めて見る科目ばかりだと思いますが、要は小・中学校で習った算数・数学のような科目です。

数学的要素が強いため、苦手とする受験者は多いです。しかし、出題数が一番多い分野なので苦手のままだと詰みます。

苦手意識が強い人は、簡単な参考書で解法パターンを把握することから始めましょう。基礎をしっかり固めることで、徐々に応用問題にも対応できるようになります。

文章理解

日本語と英語で書かれた300字〜400字程度の文章を読み解く力を測る分野で、以下の科目から構成されます。

教養試験 文章理解の出題範囲
現代文日本語の現代文を読み解く問題。
英文英語の文章を読み解く問題。

問題は、大きく「趣旨・内容把握」「文章整序」「空欄補充」の3タイプに分けられます。

文章の段落構成や論理の流れを把握したりして正解を出します。

時間をかければ正解できる問題は多いです。しかし、解くのに時間がかかるので、時間配分に気をつけてください。

社会科学

高校までの基礎学力(社会科目の知識力)を測る分野で、以下の4科目で構成されます。

教養試験 社会科学の出題範囲
政治憲法や選挙制度、日本国内外の政治に関する問題。
経済経済理論や政策、消費者に関する問題。
社会社会構造や社会時事に関する問題。
倫理倫理学や道徳、哲学に関する問題。

憲法や選挙制度、日本国内外の政治経済、そして社会時事(話題になっている近年の社会問題)などです。

日頃から新聞やニュースなどで取り上げられる政治、経済、社会問題にアンテナを張っておけば、解ける問題も多くなります。

日常的に情報収集を心掛けましょう。

人文科学

高校までの基礎学力(歴史や語学の知識力)を測る分野で、以下の科目で構成されています。

教養試験 人文科学の出題範囲
日本史日本の歴史に関する問題。
世界史世界の歴史に関する問題。
地理地理的な知識や地形に関する問題。

科目から想像できるように、The 暗記科目です。1科目あたりの出題範囲が膨大なので、ポイントを絞りつつ要点を整理して覚えることが大切。

出題数の多い国語は確実に正解できるようにしましょう。読解力や文法の基本をしっかりと身につけることが重要です。

他の科目は高校での選択科目を中心に勉強し、自分の得意な分野を活かして得点を稼ぎましょう。

自然科学

高校までの基礎学力(理科の知識力)を測る分野で、以下の科目で構成されています。

教養試験 自然科学の出題範囲
数学方程式や関数などの計算問題に関する問題
物理物理学の基本概念や原理に関する問題。
化学化学反応や物質の構造に関する問題。
生物生物学の基礎知識や生命現象に関する問題。
地学地球科学や天文学に関する問題。

理系科目がメインなので、捨て科目にする人は多いです。しかし、化学や生物、地学は暗記するだけでも点が取れる問題もあります。

これらの科目を完全に捨てるのではなく、暗記で対応できる部分だけでも点数を稼ぐことが重要です。

全部の科目を捨てて点数を下げるよりは、得意な分野や暗記で対処できる分野を活用して、少しでも得点を取るようにしましょう。

江本

このように、幅広い科目の知識が問われるため、多岐にわたる学習が必要となります。

国立大学法人等職員採用試験 教養試験の出題傾向

国立大学法人等職員採用試験の教養試験の出題数を科目別に紹介します。

どの科目から勉強するのか優先順位を決めましょう。

教養試験の科目別出題数(国立大学法人等職員採用試験)
科目202420232022
数的推理444
判断推理444
空間把握444
資料解釈111
現代文333
英文444
政治333
経済222
社会222
世界史222
日本史222
地理222
思想11
文芸1
数学111
物理111
化学111
生物222
地学111
参考)2024年度出題分野一覧
2023年度国立大学法人等職員_watermark (1)_page-0001
  • 各数字は科目ごとの出題数です。
  • 受験者からの報告をもとに作成。
  • 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。

過去10年間の出題範囲を下記記事で公開しています。あわせて活用してくださいね。

国立大学法人等職員採用試験 教養試験の勉強方法

国立大学法人等職員採用試験の教養試験の勉強は、次の手順に沿って行います。

ステップ1:効果的な学習計画を立てる

教養試験の勉強を始める前に、まずは具体的な学習計画を立てることが大切です。

試験日までの期間を逆算し、毎日の学習時間や学習内容をスケジュールに組み込みましょう。

例:週の学習スケジュール

  • 月曜日〜金曜日:毎日1〜2時間、一般知能科目と苦手科目を交互に学習
  • 土曜日:月〜金の復習と得意科目を解く
  • 日曜日:予備日(休日)月〜土でできなかったことがあれば行う
江本

定期的に休憩を取り、リフレッシュしましょう。

ステップ2:参考書や問題集を揃える

効率的な勉強には、質の高い参考書や問題集を使用することが重要です。

国立大学法人等職員採用試験の対策で、おすすめの参考書と問題集は次のとおり。

おすすめの参考書・問題集

畑中敦子シリーズ

理系科目が苦手な人は取り組む価値のある参考書です。数的推理や判断推理、資料解釈について最もスタンダードな問題からやや応用レベルの問題まで、段階的にマスターできるように構成しております。

数学が不得意な方でも、解法パターンやテクニックを覚えることで、得意分野にすることは十分可能がコンセプト。

初めは解説を読んで解法をマスターし、それから自力で解けるようになるまで、繰り返し、手を動かして問題を解いてみてください!

スーパー過去問シリーズ

実務教育出版が監修している”上級者向け”の参考書です。

要点が絞られており問題+解説という構成で勉強しやすい。

情報量はやや少なめなので、ある程度知識のある方や一通り勉強を終えた方には最適ですが、まったくの初心者がこれ1冊だけで試験に臨むのはリスクが高いかもです。

ダイレクトナビシリーズ

実務教育出版が監修している”初〜上級者向け”の過去問題集です。

選択肢中の誤りを赤字で修正しながら覚える「正文化」がすでに施されており、すぐに重要箇所をインプットできます。

付属の赤シートを使えば即アウトプットもできるの一石二鳥の過去問題集です。

編集:資格試験研究会
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ステップ3:出題傾向を理解する

効率的な勉強をするためには、試験の出題傾向を理解しましょう。

そうしないと、どの科目から手をつければいいか判断できないからです。

過去の出題傾向

上記で紹介した出題数一覧を見ればわかりますが、全科目から均等に出るわけではありません。

まずは、出題数が多く、理解に時間がかかる数的推理や判断推理から勉強を始めることが重要です。

江本

その他の科目は、あなたの学力や得手不得手で優先順位を決めましょう!

ステップ4:出題頻度の高い分野から覚える

過去問題の分析結果をもとに、出題頻度の高い分野から優先的に勉強しましょう。

これにより、効率よく点数を稼ぐことができます。

優先的に勉強する分野

たとえば、社会科学(政治)の出題範囲は次のようになっています。

国立大学法人等職員採用試験の出題範囲(政治)
国立大学法人等職員採用試験の出題範囲(政治)
  • 受験者の報告データをもとに作成。
  • 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。

まずは、出題頻度の高い基本的人権から重点的に覚えるのが効果的です。出題頻度の低い分野の勉強に時間を割く必要はありません。

頻出度の高い分野をしっかりと抑えた後、その他の分野を補完的に学習することで、全体的な理解を深め、試験に万全の態勢で臨むことができます。

過去の出題範囲は、下記の記事でも詳しく解説しています。

ステップ5:模擬試験で総復習する

模擬試験を活用することで、総合的な実力を確認しましょう。

本番と同じ形式で模擬試験を受けることで、試験の流れや時間配分を体験できます。

模擬試験の活用方法

STEP
本番と同じ環境で実施する

模擬試験は、実際の試験と同じ条件(時間、形式)で行いましょう。

静かな場所で、試験時間内に問題を解くことで、本番の雰囲気を体感できます。

STEP
時間配分を練習する

模擬試験を通じて、どの問題にどれだけの時間をかけるかを練習します。

特に一般知能分野に時間をかけすぎないように注意し、全体のバランスを意識しましょう。

STEP
自己採点と復習

模擬試験の結果を自己採点し、間違えた問題や時間が足りなかった問題を分析します。

「なぜ間違えたのか」、「どの知識があれば正解できたのか」などの原因を把握し、必ず復習することが重要です。

江本

「大卒程度」の模擬試験(職種問わず)を受験しましょう!

国立大学法人等職員採用試験 教養試験に関するFAQ

国立大学法人等職員採用試験の教養試験対策に関するよくある質問(FAQ)を紹介します。

過去問

国立大学法人等職員採用試験の過去問はどこで入手できますか?

国立大学法人等職員採用試験の過去問は公開されていません。

試験日に回収されるからです。

なお、受験者からの情報を集約した出題傾向表を次の記事で公開しているので、そちらも参考にしてみてください。

難易度

国立大学法人等職員採用試験の教養試験はどれくらいの難易度(レベル)ですか?

教養試験の難易度は高校入試〜大学共通入試レベルです。

問題は幅広い分野から出題されますが、しっかりとした学習計画を立てて勉強すれば十分に対応可能です。

数的推理や判断推理、文章理解から勉強を始めましょう。

勉強

国立大学法人等職員採用試験の教養試験で合格点を取るには何時間の勉強が必要ですか?

教養試験の勉強時間は400時間〜500時間ほど必要です。

合格に必要な勉強時間は個人の基礎学力や理解度によって異なりますが、毎日1〜2時間の学習を3ヶ月から6ヶ月続けることで達成できます。

計画的に学習時間を確保し、過去問題や模擬試験を活用して実力をつけていくことが重要です。

ボーダーライン

国立大学法人等職員採用試験の教養試験は何割取れれば合格できますか?

ボーダーラインは非公開であり、採用数や問題レベルによっても変動するため確かなことは言えませんが、合格者の情報提供や他サイトのデータから6~7割だと推測できます。

江本

ちなみに僕は自己採点で26~28/40問で最終合格まで行きました!7割前後でも十分に最終合格はできますよ。

なので、高得点を目指して勉強するよりも、7割を安定して取れることが大切です。

国立大学職員は筆記試験はそこそこ通して、二次試験でガッツリ落とします。というか、採用人数が少ないのでしょうがないんですけどね。

したがって、筆記試験の対策は大切ですが、それだけでは合格できないことを理解してバランスよく対策しましょう。

国立大学法人等職員採用試験 教養試験まとめ

今回は、国立大学法人等職員採用試験の教養試験の内容や勉強方法を解説しました。

教養試験は、高校までにきちんと勉強してきた人からすればそれほど難しいわけではありません。

それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目・範囲が膨大だからです。

教養試験を効率よく勉強するには、出題範囲の理解(=過去問分析)がとても重要になります。

闇雲に無駄な勉強をするのではなく、過去の出題傾向を軸に勉強しましょう。

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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