刑務官採用試験の面接(人物試験)について解説します。
「筆記は得意なのに、面接で評価されず不合格になったらどうしよう…」
一次試験を突破した今、そんな不安を感じていませんか?
それもそのはず。
刑務官採用試験の面接は、ただ熱意をアピールするだけでは通用しません。
正しい準備の手順や、面接官が本当に見ている評価点を知らずに臨むと、合格は難しくなります。
そこで本記事では、刑務官採用試験の面接について以下の3点を解説します。
- 面接試験の「本当の」評価基準
- 合格者が実践する「正しい対策手順」5ステップ
- 実際に聞かれた「過去問」と説得力のある回答の作り方
この記事に書かれていることを実践すれば、あなたの面接への不安は自信に変わりますよ。
▼刑務官採用試験の内容は以下の記事で解説しています。
【刑務官採用】面接試験の内容
まずは、刑務官採用試験の人物試験(=面接)について簡単に説明します。
試験時間20分の個人面接
詳細は次のとおりです。
| 項目 | 試験の概要 |
|---|---|
| 実施形式 | 個人面接 |
| 試験時間 | 20分 |
| 面接官 | 3人 |
| 配点比率 | 2/7 |
A~Eの5段階評価
刑務官採用試験の面接試験では、以下の観点に沿って5段階で評価が行われます。
| 項目 | 評価の観点 |
|---|---|
| 積極性 | 自ら課題解決に当たれるか。 必要な自己主張ができるか。 やる気を持って、物事に取り込めるか。 |
| 堅実性 | 真面目で、中途半端なところはないか。 粘り強く物事を進めることができるか。 組織の一員として自覚を持って行動できるか。 |
| 判断力 | 物事を的確に判断できる。 集中して物事に取り組める。 冷静に状況を判断できる |
| 表現力 | 質問に対する応答は的確か,的外れなところはないか 話している内容に一貫性があるか,矛盾しているところはないか 話し方がわかりやすく簡潔か,要領を得ないところはないか |
| 態度 | まじめに応答しているか,質問をはぐらかすところはないか 動作はきちんとしているか,だらしのないところはないか 落ち着いており安定感があるか,動揺しやすいところはないか |
最終的にA~Eの総合判定をつけます。
江本D、E評価は足切り(一発不合格)なので注意しましょう。
【刑務官採用】面接試験の過去問(質問例)
刑務官採用試験の面接試験では、毎年さまざまな角度から質問が投げかけられます。
ここでは、実際に過去の受験者から報告された質問を抜粋して紹介します。想定外の質問にも柔軟に対応できるよう、「考えの引き出し」を増やしておくことが合格への近道です。
- 緊張していますか。
- 志望動機を言ってください。
⇒なぜ、数ある公務員の中でも刑務官を志望するのですか。 - 全国転勤は大丈夫ですか。
- 高校生活で印象に残っている出来事を教えてください。
- 高校を卒業してからは何をやっていましたか。
- 受験者は怖い人も多いですが大丈夫ですか。
- 得意なことと不得意なことを教えてください。
⇒得意なことを仕事にどう活かしますか。 - 趣味はありますか。
- 会場までどうやって来ましたか。
- 刑務官の他に受けている公務員試験はありますか。
- なぜ刑務官を志望するのですか。
- 最近気になっていることはありますか。
⇒それはなぜ気になっているのですか。
⇒他に気になったことはありますか。 - 大学生活で心掛けていたことはありますか。
- ストレスは溜まりやすいですか。
⇒どうやってストレス発散していますか。 - コロナ禍で注意していたことはありますか。
- 自己PRを言ってください。
- 昨日は眠れましたか。
- このような面接は初めてですか。
⇒面接練習はどこでやっていましたか。 - 志望動機を言ってください。
- 刑務官の仕事内容をどのくらい知っていますか。
- 今までに苦労した経験を教えてください。
- 仕事では夜勤もありますが大丈夫ですか。
- 辛い仕事も多いですが大丈夫ですか。
- 刑務官になることを誰かに相談していますか。
⇒親は刑務官になることをどのように思っていますか。 - 最後に何か質問はありますか。
自身の体験や具体的な対応例を交えながら、評価基準と関連づけて答えることがポイントです。また、自分の課題や成長意欲についても、前向きに語る姿勢が好印象につながります。
面接対策を進めるうえで、これらの質問項目について「自分ならどうするか」「どんな考えがあるか」を具体的なエピソードや経験と結びつけて語る練習をしましょう。
▼さらに過去問を知りたい方・自己PRや志望動機の相談をしたい方はこちら!
【刑務官採用試験】面接試験の対策方法
ここからは、刑務官採用試験の面接に合格するための具体的な対策を5つのステップで解説します。
何から手をつければ良いか分からない人は、ぜひこの手順で進めてください。
着実に準備すれば、自信を持って本番に臨めますよ。
STEP1:自己分析で「あなただけの言葉」を見つける
面接対策は、まず「自己分析」から始めましょう。
なぜなら、面接官はあなたの「人柄」や「刑務官としての適性、考え方」を深く知りたいからです。
過去の質問リストにあるような深掘り質問に、あなた自身の言葉で答える必要があります。そのための引き出しを、自分の中にたくさん作っておく作業が自己分析なのです。
難しく考えず、まずは紙とペンを用意して、以下のことを書き出してみましょう。
1. これまでの経験を書き出す
- 成功した体験、失敗した体験
- 中学校や高校で最も頑張ったこと(部活動、文化祭、勉強、アルバイトなど)
- チームや集団の中で何かを成し遂げた経験、あるいは困難を乗り越えた経験
2. 経験を掘り下げる
- なぜそれに取り組もうと思ったのか?(動機)
- その経験の中で、どんな困難があったか?(課題)
- 困難をどうやって乗り越えたか?(行動、工夫)
- その経験から、何を学び、どう成長できたか?(結果・学び)
このように、自分自身を深く理解することが、面接対策の第一歩です。
特に刑務官に求められる「規律性」「責任感」「冷静な判断力」「協調性」「体力」などに繋がるエピソードを意識して掘り下げましょう。
ここでの頑張りが、次の面接カード作成や回答作りに必ず活きてきますよ。時間をかけて取り組んでください。
STEP2:職務研究で「求められる人物像」を理解する
自己分析が終わったら、次は矯正行政、特に刑務官に「どんな人材が求められているか」を理解しましょう。
あなたの強みが、組織が求める力と合っていると伝える必要があるからです。
- 公式サイトを熟読する:法務省や矯正局のウェブサイトで、刑務官の役割や業務内容、矯正行政の取り組みを正確に知る。
- 関連ニュースを追う:矯正施設の現状、受刑者の更生支援、再犯防止策などに関するニュースを把握する。
- 説明会に参加する:可能であればオンライン説明会や施設見学などに参加し、現場の職員の話を聞く。
- 刑務官の仕事について調べる:刑務官の仕事内容、1日の流れ、勤務形態(交替制勤務など)を具体的に理解する。
職務研究を通じて、「社会の安全を守る」という強い使命感や、規律を守る誠実さ、困難な受刑者の更生を支援する忍耐力や対人能力、そして体力などが求められていると分かるはずです。
この研究は、あなたの志望動機に説得力と深みを与えてくれます。
STEP3:面接カードで「質問のきっかけ」を作る
自己分析と職務研究ができたら、その内容を面接カードにまとめましょう。
面接試験は、事前に提出するこの面接カードに書かれた内容を中心に進められます。つまり、面接カードは面接官に「ここを質問してほしい」とアピールするための設計図なのです。
- 結論から書く:質問に対して、まず「答え」を簡潔に述べる。
- 具体例を入れる:STEP1で見つけたエピソードを使い、内容に説得力を持たせる。
- 丁寧に仕上げる:誤字脱字がないかを確認し、誰が読んでも分かりやすい言葉で書く。
面接カードは、あなたの第一印象を決める重要な書類です。
時間をかけて、刑務官として求められる資質が伝わる内容を完成させてください。
▼刑務官採用試験の面接カードについて、書き方や注意点は前回の記事で詳しく解説しています。
STEP4:模擬面接で「話す練習」をする
面接カードが完成したら、次は「自分の言葉で話す力」を鍛えましょう。
どんなに良い内容も、相手に伝わらなければ評価されません。
「頭で分かっている」ことと、「スムーズに話せる」ことは全く違います。
- 学校の先生:進路指導の先生など、面接指導の経験豊富な先生にお願いするのが一番です。
- 家族や友人:面接官役を頼み、客観的な意見を聞いてみましょう。
- 公務員予備校(利用している場合):専門家の視点から的確なアドバイスがもらえます。
練習風景をスマホなどで録画して、自分の話し方の癖や表情、声のトーンなどを客観的に確認するのも非常に効果的です。
「話す」練習を重ねることで、自信を持って本番に臨めますよ。
STEP5:フィードバックを受け、修正をくり返す
模擬面接で見つかった課題は、一つひとつ着実に修正しましょう。
この地道な作業が、他の受験生と差をつける最も重要なポイントです。自分の弱点から目をそらさず、粘り強く改善を続けてください。
- もらった助言を素直に受け止め、ノートに書き出す。
- 話す内容だけでなく、声の大きさや視線、姿勢、表情も意識して改善する。
- 分かりにくいと指摘された部分は、面接カードの文章から見直すか、より具体的なエピソードを補強する。
「練習して課題を見つけ、修正する」このサイクルをくり返しましょう。
それが、面接試験を突破するための最短ルートです。
▼「見せる人がいないよ・・・」と悩んでいる方は、僕を頼ってください!公務員試験のプロ目線から評価・アドバイスをしています。
まとめ|刑務官採用試験の面接で落ちないために
今回は、刑務官採用試験の面接について網羅的に解説しました。
最後に、面接で落ちないために最も大切なことをお伝えします。
それは「あなた自身の言葉で、あなたの熱意を伝えること」。
面接官は、完璧な模範回答を聞きたいわけではありません。あなたという人間が、刑務官にふさわしいかを知りたいのです。
そのためには、あなた自身の経験に基づいた、正直な言葉が一番心に響きます。
今回紹介した5つのステップを着実に実践すれば、自信は必ずついてきます。万全の対策をして、あなたの夢を掴み取ってください。
もし一人での対策に困ったり、不安を感じたりしたときは、遠慮なく僕を頼ってほしいです。あなたが合格できるよう、全力でサポートします!
▼面接の個別コーチングは以下の記事をご覧ください。
