本記事では、国家公務員試験の一つである気象大学校学生採用試験の難易度や倍率を徹底解説します。
この記事は、「将来は気象庁職員として働きたい方」や「高校卒業後に気象庁職員への転職(入学)を考えている方」向けに、受験マニュアルを作る気持ちで書きました。
この記事を最後まで読むことで、気象大学校の難易度から実施結果(状況)まで網羅的に理解できます。ぜひ、参考にしてください。
気象大学校とは?
気象大学校は、気象庁の職員(気象大学校学生を含む)に対して気象業務に従事するために必要な教育及び訓練を行う気象庁の施設等機関です。
大学部では、学生採用試験によって国家公務員として気象庁に採用された職員(学生)に対して、気象業務の基盤となる地球科学、基礎学術、一般教養に加えて、防災行政など気象業務への理解を深める科目を学びます。
一般的な大学とは違い身分は公務員になるため、毎月給料が支給されます。
初任給は176,596円です(2024年4月)の場合。
将来の幹部職員として必要な知識・技術を身に付けて、気象業務に関する技術開発や企画・指導を行うことのできる人材を育成しています。
【結論】気象大学校は難しい
結論から言うと、公務員試験の中でも気象大学校は難しい(難易度が高い)試験です。
理由は次の3つ。
- 試験内容が多い
- 合格率は低め
- 平均点は高い
試験科目が多い
気象大学校は将来の気象庁幹部候補生を決める試験のため、筆記試験の他に人物(面接)も行われます。
最終合格するには、知識や学力だけでなく、気象庁職員(公務員)としての適性・資質やコミュニケーション能力も必要です。
単純に筆記試験の点数を取れば合格できるものではなく、面接・作文などによる人間性も重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあるんですよね。
これまでの入学試験や資格試験では、知識を詰め込んでいれば合格できたものが、気象大学校では、能力を総合的に評価されるため単に知識を詰め込んでいるだけでは合格できないのです。
気象大学校の入試科目は下記記事で詳しく解説しています。
合格率は低め
実施年度 | 気象大学校 | 海上保安大学校 | 航空保安大学校 |
---|---|---|---|
2023 | 23.8% | 36.6% | 47.8% |
2022 | 15.7% | 26.5% | 38.0% |
2021 | 16.3% | 34.0% | 45.0% |
気象大学校は、他の大学校と比べて合格率が低い傾向にあります。
数年前の合格率10%前後よりマシになったとはいえ、まだまだ簡単に合格できるとは言えません。
平均点は高い
実施年度 | 気象大学校 | 海上保安大学校 | 航空保安大学校 |
---|---|---|---|
2023 | 29.951 | 21.127 | 23.096 |
2022 | 26.432 | 18.972 | 22.494 |
2021 | 26.067 | 18.86 | 22.204 |
- 基礎能力試験(40点満点)の平均点です。
気象大学校は、他の大学校と比べて平均点が高い傾向にあります。
学力の高い学生が受験していることになるため、より一層のレベルが求められます。
とくに基礎能力試験は初めて勉強する科目も多いため、出題傾向を把握して効率よく対策することが大切です。
気象大学校の入試結果(倍率)
気象大学校の入試結果(受験者数、合格者数、倍率)をまとめています。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
2023 | 244 | 58 | 4.2 |
2022 | 185 | 29 | 6.4 |
2021 | 208 | 34 | 6.1 |
2020 | 227 | 42 | 5.4 |
2019 | 261 | 31 | 8.4 |
2018 | 334 | 32 | 10.4 |
2017 | 319 | 44 | 7.3 |
2016 | 301 | 64 | 4.7 |
2015 | 336 | 37 | 9.1 |
2014 | 316 | 40 | 7.9 |
2013 | 311 | 50 | 6.2 |
2012 | 328 | 61 | 5.4 |
2011 | 287 | 42 | 6.8 |
2010 | 300 | 48 | 6.3 |
気象大学校の入試に関するFAQ
気象大学校の入試でよくある質問(FAQ)をまとめています。
- 試験概要(偏差値、年齢制限、採用人数)
- 試験日程(募集要項、試験日、合格発表日)
- 試験対策(過去問、勉強時間)
試験概要
気象大学校の偏差値は?
結論を言えば、気象大学校に偏差値という指標はありません。
なぜなら、入学試験が学力試験だけでなく、面接試験など多岐にわたるからです。
偏差値は、主に一般的な高校や大学の入学試験の成績をもとに算出される数値で、学生の学力レベルを比較するために用いられます。
最終合格するには、学力だけでなく、その他の要素も重要視されるため偏差値という学力のみで表せられる数値で学生の能力や適性を評価することはできないのです。
合格点や平均点、標準偏差などのデータから無理やり算出すると、気象大学校の偏差値は60~62程度でした!
気象大学校の年齢制限は?
気象大学校は20歳まで受験可能です。
2024(令和6)年4月1日において高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して2年を経過していない者及び2025(令和7)年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者
気象大学校の採用人数は?
- 2024年度:20人
- 2023年度:15人
- 2022年度:15人
- 2021年度:15人
- 2020年度:25人
試験日程
気象大学校の募集要項はいつ出る?
例年、気象大学校の募集要項は6月上旬に発表されます。
2024(令和6)年度の募集要項は2024年6月22日(水)に公示されました。
募集要項には、試験内容や実施状況などの詳細な情報が掲載されていますので、必ず確認してください。
気象大学校の試験日はいつ?
受付期間 | 2024年8月22日(木)〜9月4日(水) |
---|---|
一次試験 | 2024年10月26日(土)、27日(日) |
二次試験 | 2024年12月13日(金) |
気象大学校の合格発表日はいつ?
一次試験 | 2024年12月6日(金) |
---|---|
二次試験 | 2025年1月16日(木) |
試験対策
気象大学校の過去問はどこで入手できる?
はい、気象大学校の過去(入試)問題は人事院の公式ホームページで一部公開されています。
人事院のホームページにアクセスし、「試験問題例」のセクションを探してください。
そこから、気象大学校の過去(入試)問題をダウンロードすることができます。
下記記事でも三年分の問題をまとめています。
気象大学校の勉強はいつからすべき?
現在の学力にもよりますが、高校2年生の冬~高校3年生に上がるタイミングから始めるといいでしょう。
まずは出題範囲の広い基礎能力試験を対策しつつ、学科試験と作文試験に着手してください。
合格までの勉強時間は目安400~500時間ほどです。
具体的な勉強方法は下記記事を参考にしてください。
まとめ|気象大学校の難易度は高い
高卒程度公務員試験の中でも、気象大学校は難易度が高い試験です。
- 試験内容が多い
- 合格率は低め
- 平均点は高い
また、単純に筆記試験の点数を取れば合格できるものではなく、面接などによる人間性も重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあります。
解説したとおり、気象大学校の試験科目は多いため、適当に勉強を進めるのではなく傾向ををきちん理解してから効率よく行うことが大切です。
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