人事院は2025年6月25日、2025(令和7)年度皇宮護衛官採用試験(大卒程度)における一次試験の合格者を発表しました。
この記事では、2025(令和7)年度皇宮護衛官採用試験の第1次試験結果を、前年度と比較しながら詳しく分析していきます。
来年度の受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
過去の倍率推移については、以下のまとめ記事で詳しく解説しています。
【2025年度】皇宮護衛官採用試験(大卒)の一次試験結果
2025(令和7)年度皇宮護衛官採用試験(大卒程度)の一次試験は2025年5月25日(日)に行われ、申込者数590人のうち310人が受験し、175人が合格しました。
全体の受験者数は前年度から117名減少した一方、合格者数は73名も増加したため、実質倍率は前年度の4.2倍から1.8倍へと大幅に緩和されています。
採用年度 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
---|---|---|---|
2025年度 | 310 | 175 | 1.8 |
2024年度 | 427 | 102 | 4.2 |
しかし、この数字だけを見て「簡単そうだ」と判断するのは早計です。
詳しく見ていくと、この結果が最終合格の難易度にどう影響するのか、慎重に分析する必要があります。
過去の倍率推移については、以下のまとめ記事で詳しく解説しています。
1次合格者の増加が最終合格にもたらす影響
結論から言えば、1次試験の通過しやすさとは裏腹に、最終合格の難易度はむしろ上がると考えられます。
その理由は、2次試験の仕組みと1次試験合格者の増加にあります。
2次試験での熾烈な競争
まず、1次試験の合格者数が102人から175人へと大幅に増えたことで、2次試験に進むライバルが激増しました。
参考として、2024年度の2次試験は受験者85人に対し、最終合格者は28人。2次試験だけの倍率は約3.0倍でした。
今年は175人という、昨年の2倍近い1次合格者が、限られた最終合格の枠を争うことになります。これにより、2次試験の競争は昨年以上に熾烈になることが確実です。
「1次試験の得点」が最後までついて回る
そして最も重要な点が、合格者の決定方法です。
2次試験の「人物試験」や「体力検査」は合否を判定する“足切り”であり、これらを全てクリアした人の中から、「1次試験の成績(基礎能力試験+課題論文試験)」の合計点が高い順に最終合格者が決まります。
これが意味するのは、恐ろしい事実です。
1次試験の合格ラインが下がったため、「ギリギリで1次を通過した」という人が昨年より大幅に増えます。しかし、これらの人々は、1次試験で高得点を取った受験生に勝つことが極めて困難なのです。
つまり、「1次試験は楽に通過できたが、最終合格の順番待ちでは既に下位にいる」という状況が生まれます。
一次試験の点数が高くても油断は禁物!
どんなに1次試験の点数が良くても、面接で評価が低かったり、体力検査の基準に満たなかったりすれば、その時点で不合格です。
「自分はなぜ皇宮護衛官なのか」という問いを突き詰め、揺るぎない答えを用意しておく必要があります。
今年の1次試験倍率の低下は、一見すると受験生にとって朗報です。
しかしその裏で、最終合格をかけた本当の戦いは、より厳しさを増していると言えるでしょう。
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