「ブラック企業」などの問題に取り組み、労働者の権利を守る最前線で活躍する労働基準監督官。
その専門性と社会貢献性の高さから、強い志を持つ受験生に人気の国家専門職です。
しかし、専門的であるがゆえに「試験の難易度はどれくらいなんだろう?」「倍率は高いのだろうか?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、人事院が公開している最新の2025年度試験データを含む過去10年以上の結果をもとに、労働基準監督官のリアルな採用倍率の推移と、そこから見える難易度の実態を徹底解説します。
【結論】労働基準監督官の倍率は依然として高め!特に法文系は難関
まずは結論から見ていきましょう。
以下の表は、労働基準監督官採用試験全体の最終的な実質倍率(受験者数÷最終合格者数)の推移です。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
---|---|---|---|
2025 | 1,113 | 402 | 2.8倍 |
2024 | 1,377 | 431 | 3.2倍 |
2023 | 1,419 | 413 | 3.4倍 |
2022 | 1,625 | 463 | 3.5倍 |
2021 | 1,628 | 496 | 3.3倍 |
2020 | 1,673 | 476 | 3.5倍 |
2019 | 2,106 | 573 | 3.7倍 |
2018 | 2,323 | 612 | 3.8倍 |
2017 | 2,180 | 478 | 4.6倍 |
2016 | 2,031 | 402 | 5.1倍 |
2015 | 1,852 | 417 | 4.4倍 |
2014 | 2,406 | 388 | 6.2倍 |
データを見ると、10年ほど前は6倍を超える非常に厳しい試験でしたが、近年は3倍台で推移する傾向にありました。
最新の2025年度試験では2.8倍と、少し落ち着きを見せています。それでも、他の国家専門職と比較すると依然として高い競争率を維持しており、難易度の高い試験であることに変わりはありません。
次に、区分別の倍率を見て、その内訳を詳しく分析してみましょう。
労働基準監督官採用試験の倍率推移(区分別)
労働基準監督官試験は、文系向けの「A区分」と理系向けの「B区分」に分かれています。
この2つの区分では、倍率に大きな違いがあるため、必ずチェックしておきましょう。
A区分(法文系)|常に高倍率の激戦区
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
2025 | 999 | 344 | 2.9倍 |
2024 | 1,186 | 336 | 3.5倍 |
2023 | 1,146 | 298 | 3.8倍 |
2022 | 1,216 | 319 | 3.8倍 |
2021 | 1,217 | 336 | 3.6倍 |
2020 | 1,318 | 358 | 3.7倍 |
2019 | 1,560 | 379 | 4.1倍 |
2018 | 1,718 | 396 | 4.3倍 |
2017 | 1,567 | 339 | 4.6倍 |
2016 | 1,484 | 282 | 5.3倍 |
2015 | 1,446 | 297 | 4.9倍 |
2014 | 1,825 | 298 | 6.1倍 |
採用の中心であるA区分(法文系)は、全体の倍率を押し上げる要因となっており、常に高い競争率を誇ります。
2025年度は2.9倍と全体の数値を上回っており、まさに激戦区です。
「労働法」などの専門科目の出来が合否を分けるため、法律や経済を学んできた受験生によるハイレベルな戦いが繰り広げられます。
B区分(理工系)|理系学生にとっては狙い目
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
2025 | 114 | 58 | 2.0倍 |
2024 | 191 | 95 | 2.0倍 |
2023 | 273 | 115 | 2.4倍 |
2022 | 409 | 144 | 2.8倍 |
2021 | 411 | 160 | 2.6倍 |
2020 | 355 | 118 | 3.0倍 |
2019 | 546 | 194 | 2.8倍 |
2018 | 605 | 216 | 2.8倍 |
2017 | 613 | 139 | 4.4倍 |
2016 | 547 | 120 | 4.6倍 |
2015 | 406 | 120 | 3.4倍 |
2014 | 581 | 90 | 6.5倍 |
一方、工場などでの安全衛生管理を担うB区分(理工系)は、A区分に比べて倍率が低い傾向にあります。
2025年度は2.0倍と、A区分よりもかなり合格しやすい数値になっています。
機械・電気・土木・建築・化学系の知識が求められるため受験者層は限られますが、専門性を活かせる理系の学生にとっては大きなチャンスがある区分と言えるでしょう。
まとめ:高倍率だが恐れる必要なし!区分を見極め、専門対策を徹底しよう
今回は、労働基準監督官採用試験の倍率の推移と、区分ごとの難易度の違いについて解説しました。最後に、重要なポイントを振り返りましょう。
- 労働基準監督官の実質倍率は、近年落ち着きつつあるも2.8倍(2025年度)と依然として高水準。
- 特にA区分(法文系)は2.9倍と競争が激しい一方、B区分(理工系)は2.0倍と、理系にとっては狙い目。
- 合格の鍵は「労働法」や「労働事情」といった専門科目の攻略。倍率の高さに惑わされず、自分に合った区分で専門対策を徹底することが重要。
労働基準監督官は、他の公務員試験にはない特殊な試験科目が課されるため、付け焼き刃の対策では通用しにくい試験です。
しかし裏を返せば、早い段階から的を絞って対策をすれば、高倍率の中でも十分に合格を狙えます。まずは過去問を見て、自分に合ったフィールドで戦えるかを見極めてみてくださいね。
▼労働基準監督官の過去問はこちらから確認できます。
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