「東京消防庁の論文って、何から対策すればいいんだろう…」
「そもそも、どんなテーマが出るの?配点は高いのかな?」
- 論文・作文の具体的な書き方がわからない
- 過去にどんなテーマが出たのか知りたい
- 2025年度からの変更点が不安…
- 教養試験は苦手だから、論文で高得点を狙いたい
- どうせならライバルと差がつく対策がしたい
本記事では、このような東京消防庁の論文・作文試験に関するあらゆる疑問や不安を、この記事一つで解消できるよう、徹底的に解説していきます。
多くの受験生をサポートしてきた経験から、合格に必要な「型」と「知識」を余すところなくお伝えしますので、ぜひ最後までついてきてくださいね。
【2025年度から変更】東京消防庁 論文・作文試験の概要
まずは、「敵」を知ることから始めましょう!
東京消防庁の論文・作文試験が、一体どのような試験なのか、基本情報からしっかり押さえることが対策の第一歩です。
【重要なお知らせ】2025年度試験からの変更点
実は、2025年度の試験から、論文・作文試験の内容が変更されています。古い情報に惑わされないよう、ここでしっかり確認しておきましょう!
試験時間・文字数の変更点
一番大きな変更点は、試験時間と文字数です。これまでよりコンパクトになり、より時間内に要点をまとめる力が求められるようになりました。
一類(大卒程度):論文試験
変更箇所 | 2024年度まで | 2025年度から |
試験時間 | 90分 | 60分 |
---|---|---|
文字数 | 800~1200字 | 600~800字 |
三類(高卒程度):作文試験
変更箇所 | 2024年度まで | 2025年度から |
試験時間 | 90分 | 60分 |
---|---|---|
文字数 | 800~1200字 | 600~800字 |
配点は非公開だが、合否を分ける重要科目
「論文・作文って、どれくらい合否に影響するの?」 気になりますよね。

結論から言うと、配点は公開されていません。
ですが、決して軽視できない、むしろ合否を左右する超重要科目だと考えてください。
なぜなら、過去の合格者データを見ると、教養試験の点数が高い受験生より、むしろ点数が少し低い受験生の方が、論文・作文で逆転して合格しているケースが珍しくないからです。
つまり、筆記試験で多少ビハインドがあっても、論文・作文で高評価を得られれば、十分に合格圏内を狙えるということ。
逆に、教養試験が満点でも、論文・作文で評価されなければ不合格になる可能性もある、恐ろしい科目でもあるんですよ。
【過去問一覧】東京消防庁 論文(一類)・作文(三類)の出題テーマ
論作文対策の王道は、なんといっても過去問分析です。
「どんなテーマが、どんな聞かれ方で出題されているのか」を知ることで、準備すべき知識や書くべき方向性が見えてきます。
ここでは、過去6年分のテーマを一覧でご紹介します。
ざっと眺めるだけでも、一類(大卒)は「組織の課題解決」、三類(高卒)は「自身の経験や抱負」を問う傾向があるのがわかりますよ。
一類(大卒程度):論文の過去問
一類の論文は、「東京消防庁が抱える課題を正しく理解し、自分なりの解決策を具体的に提案できるか」が問われます。
「都民の期待」「職員としての倫理観」「社会情勢の変化への対応」といった切り口で、組織への貢献意欲を示すことが重要です。
2024(令和6)年度
一類(第1回) | 都民が東京消防庁に期待することをあげ、その期待に応えるために東京消防 庁が行うべき施策についてあなたの考えを述べよ。 |
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一類(第2回) | 消防職員に高い倫理観が求められる理由をあげ、消防職員として都民の信頼を得るためにあなたが取り組むことを述べよ。 |
2023(令和5)年度
一類(第1回) | 消防職員の使命についてあなたの考えとその達成に向けてあなたができることを述べよ。 |
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一類(第2回) | 東京消防庁の職員に求められる倫理観や規律の遵守が求められる理由についてあなたの考えを述べよ。 |
2022(令和4)年度
一類(第1回) | 都民から信頼される消防官となるために、あなたが実践することを具体的に述べよ。 |
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一類(第2回) | 今後の社会情勢をふまえ質の高い行政サービスを提供するために、消防官としてあなたが取り組むことを述べよ。 |
2021(令和3)年度
一類(第1回) | デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が人間社会にどのような影響を与えるのか、あなたの考えを具体的に述べなさい。 |
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一類(第2回) | 実施なし |
2020(令和2)年度
一類(第1回) | 【資料】から傾向を読み取り、行政機関が発信する情報を都民に広く周知するための効果的な方法を考え、具体的に述べなさい。 |
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一類(第2回) | 社会人として必要なものを3つ挙げ、それを身につけるためにあなたが今後どう取り組んでいくのか具体的に述べよ。 |
2019(令和元)年度
一類(第1回) | 【資料】から読み取れる課題と対応策について、あなたの考えを具体的に述べなさい。 |
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一類(第2回) | 詳細不明 |
三類(高卒程度):作文の過去問
三類の作文は、「これまでの経験を通じて何を学び、それを消防官としてどう活かしていくのか」という、あなた自身の「人となり」を伝えることが中心です。
「自己分析」と「消防という仕事への理解」を結びつけて、熱意と将来性をアピールしましょう。
2024(令和6)年度
あなたが感じる東京消防庁の魅力と、消防職員としてどのように成長していきたいかについて述べよ。
2023(令和5)年度
あなたが東京消防庁を希望する理由と、どのように成長していきたいかを述べよ。
2022(令和4)年度
東京消防庁の職員として、10年後のあなたがどんな成長を遂げているか述べなさい。
2021(令和3)年度
自ら考えて行動するために日頃から行うべきことを具体的に述べなさい。
2020(令和2)年度
あなたの経験から「失敗を糧にして成長できた」と考えられる事柄を挙げ、今後当庁で仕事をしていくうえでそれをどのように生かしていくのか、あなたの考えを具体的に述べなさい。
2019(令和元)年度
都民に信頼されるためにあなたが消防官になって努力すべきことを具体的に述べなさい。
論文・作文の基本構成と書き方
過去問はわかったけど、結局どういう順番で何を書けばいいの…?



多くの受験生が悩むポイントですね!
でも、大丈夫。評価される論文・作文には「合格の型」があります。この型さえマスターすれば、誰でも論理的で説得力のある文章が書けるようになりますよ。
高評価を得るための「序論・本論・結論」
論文・作文の基本は、「序論 → 本論 → 結論」の3ステップで構成することです。
いきなり書き始めるのではなく、まず、この構成に沿って「各パーツで何を書くか」の骨組み(設計図)を作るのが高得点への近道です。
【論文・作文の合格設計図】
構成 | 役割 | 書くこと(ざっくり言うと) | 文字数(目安) |
序論 | 問題提起 | 「このテーマ、こういう課題がありますよね?」と切り出す | 100~150字 |
---|---|---|---|
本論 | 意見・具体策 | 「私はこう考えます!なぜなら…具体的には…」と主張する | 400~500字 |
結論 | まとめ・決意 | 「だからこうすべきです。私は消防官としてこう貢献します!」と締めくくる | 100~150字 |
「なるほど、この順番で、このくらいのボリュームで書けばいいんだな」と、まずは全体の流れをイメージしてくださいね。
【頻出テーマ別】盛り込むべき要素と文章例
では、実際の過去問で頻出のテーマを例に、具体的に何を盛り込むべきか見ていきましょう。
頻出テーマ①:「都民の期待に応えるために」(一類向け)
このテーマで問われているのは、「あなたが考える東京消防庁の役割」と「その役割を果たすための具体的な行動」です。
- 序論(課題の提示)
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- 首都直下地震やゲリラ豪雨、救急需要の増大など、近年の社会変化に触れる。
- →「こうした状況下で、都民の安全・安心を守る東京消防庁への期待は、かつてなく高まっている」と問題提起する。
- 本論①(具体的な施策 + 自分の考え)
-
期待①:災害対応力の強化
- (施策)東京消防庁が行っている「即応対処部隊の強化」や「DXを活用した情報収集」などを具体的に挙げる。
- (自分の考え)「これらの施策に加え、地域住民との連携訓練をさらに密にすることが、共助の力を高める上で不可欠だと考える」と、自分なりの意見をプラスする。
- 本論②(具体的な施策 + 自分の考え)
-
期待②:救急サービスの質の向上
- (施策)救急需要の増大という課題に触れ、「救急相談センター(#7119)の利用促進」や「多言語対応」の重要性を挙げる。
- (自分の考え)「私自身も、採用後は〇〇(例:部活動の経験で培った体力)を活かしつつ、常に最新の知識・技術を学び、都民一人ひとりに寄り添える消防官を目指したい」と、自己PRに繋げる。
- 結論(決意表明)
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- 本論を簡潔に要約し、「都民の多様な期待を正確に捉え、組織の一員として、また一人の消防官として具体的な行動を起こし続けることが肝要だ」とまとめる。
- →「都民から『世界一の消防』と信頼される組織の実現に貢献したい」と、力強い決意で締めくくる。
具体的な施策を述べる際は、フワッとした表現ではなく、「消防白書」や「東京消防庁の公式HP」に書かれている言葉を引用するのが超効果的です。
例えば、「DXを進める」と書くだけでなく、「ドローンによる情報収集やAIを活用した119番通報の需要予測など、最新技術を積極的に活用し…」のように具体性を出すことで、一気に「お、この受験生、ちゃんと調べてるな!」と評価が上がりますよ。
参考:総務省 消防白書
参考:東京消防庁公式サイト
頻出テーマ②:「自己の経験と今後の抱負」(三類向け)
三類の作文で問われているのは、「あなたがどんな人間で、どんな経験をしてきて、それを消防官としてどう活かせるのか」という、あなた自身の「人となり」です。
難しい言葉は必要ありません。等身大のあなたを、熱意をもって伝えることが何よりも大切ですよ。
- 序論(経験の提示)
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- 「私が成長の糧としたのは、〇〇部(例:サッカー部)でのレギュラー争いに敗れた経験です」と、結論から簡潔に提示する。
- →「この経験を通じて、目標達成のために不可欠な『自身の課題と向き合う力』を学びました」と、経験から得た学びを繋げる。
- (具体的なエピソードと学び)
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当時の状況(Situation):どのような目標(レギュラー獲得)を掲げ、どのような壁(ライバルの存在、自身の弱点)に直面したのかを具体的に書く。
課題と行動(Task & Action):壁を乗り越えるために、何を課題と考え、どう行動したかを具体的に描写する。「毎日1時間の自主練習」「監督や先輩からの客観的なアドバイスを素直に受け入れた」など。
結果と学び(Result):結果としてレギュラーにはなれなかったとしても、「チームに貢献する別の役割を見つけた」「最後まで諦めない姿勢が後輩に良い影響を与えた」など、失敗から得たポジティブな結果と学びを明確にする。「自分の弱さを認め、泥臭く努力を継続することの重要性を学んだ」と繋げる。
- 結論(消防官としての抱負)
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- 本論を簡潔に要約し、「この経験で培った『自身の課題と向き合う力』は、常に心身を鍛え、知識・技術を更新し続ける必要のある消防官の職務で必ず活かせると確信しています」と、仕事への再現性を示す。
- →「困難な現場でも決して諦めず、都民のために粘り強く活動できる消防官に成長したい」と、力強い決意で締めくくる。
過去のテーマについて、完璧な答案を作るために必要な解説・構成・模範解答を下記の記事で公開しています!書いた答案の添削・指導も行っているので、ぜひ活用してくださいね。
まとめ:早期対策で論文・作文を得点源にしよう!
今回は、東京消防庁の論文・作文試験について、基本情報から合格レベルの書き方、ライバルと差をつける対策まで、余すところなく解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
【本記事のまとめ】
- 2025年から試験時間・文字数が変更!よりコンパクトにまとめる力が重要に。
- 合格の秘訣は「序論・本論・結論」の型に沿って書くこと。
- 一類は「組織課題の解決策」、三類は「自己の経験と熱意」を具体的に示す。
- 消防白書や公式HPからの引用で、答案の信頼性を格段にアップさせる。
- 書きっぱなしはNG!必ず第三者の添削を受けて、客観的な視点で改善する。
論文・作文は、対策すればするだけ点数が伸びる、「やればできる」科目です。そして、その努力が教養試験の結果を覆すほどの力を持っています。
この記事を読み終えたら、まずは過去問を一題、時間を計って書いてみてください。 そこからが、あなたの逆転合格へのスタートです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
東京消防庁全体の概要や傾向を下記の記事でまとめています。あわせて確認してくださいね。
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