東京消防庁消防官採用試験では、試験時間60分で800字程度を書く論文(作文)が実施されます。
試験時間や文字数、過去問を知らずに対策を始めてしまうと、的外れな準備になる恐れがあります。
この記事では、論作文対策を始める前に押さえておきたい以下の情報をまとめました。
試験の全体像を正しく理解して、合格への戦略を立てるための資料として活用してください。
2025年度の試験から、論文・作文試験の内容が変更されています。古い情報に惑わされないよう、ここでしっかり確認しておきましょう!
一番大きな変更点は、試験時間と文字数です。これまでよりコンパクトになり、より時間内に要点をまとめる力が求められるようになりました。
- 2024年度まで:試験時間90分、文字数800〜1200字
- 2025年度から:試験時間60分、文字数600〜800字
東京消防庁消防官採用試験の論文・作文とは
東京消防庁消防官採用試験の論文・作文は、消防官としての適性や物事の考え方を、文章を通して評価者に伝える試験です。
| 試験時間 | 60分(1時間) |
|---|---|
| 文字数 | 600字以上、800字以内 |
| 評価の観点 | 内容 表現 文字 |
| 配点 | *非公表 |
江本一類は論文、三類は作文がそれぞれ実施されます。
過去の合格者データを見ると、教養試験の点数が高い受験生より、むしろ点数が少し低い受験生の方が、論文・作文で逆転して合格しているケースが珍しくないからです。
つまり、筆記試験で多少ビハインドがあっても、論文・作文で高評価を得られれば、十分に合格圏内を狙えるということ。
逆に、教養試験が満点でも、論文・作文で評価されなければ不合格になる可能性もある、恐ろしい科目でもあるんですよ。
論文・作文試験の過去問(出題テーマ一覧)
東京消防庁消防官採用試験の論文・作文の過去問をまとめています。
一類(大卒程度)
| 実施年度 | 区分 | テーマ |
|---|---|---|
| 2026年 | 1回 | 年々、自然災害のリスクが高まる中、東京で起こりうる災害リスクを挙げ、東京の特徴を踏まえた上で東京消防庁として推進すべき取組を具体的に述べよ。 |
| 2回 | ||
| 2025年 | 1回 | 東京の地域特性をあげ、都民が安心して暮らせる都市の実現に向けて、東京消防庁が推進すべき取組についてあなたの考えを述べよ。 |
| 2回 | 多様性を尊重する職場を実現するために、組織としてどのような取組をすべきか、東京消防庁に限らず一般的な組織を前提として具体的に述べよ。 | |
| 2024年 | 1回 | 都民が東京消防庁に期待することをあげ、その期待に応えるために東京消防庁が行うべき施策についてあなたの考えを述べよ。 |
| 2回 | 消防職員に高い倫理観が求められる理由をあげ、消防職員として都民の信頼を得るためにあなたが取り組むことを述べよ。 | |
| 2023年 | 1回 | 消防職員の使命についてあなたの考えとその達成に向けてあなたができることを述べよ。 |
| 2回 | 東京消防庁の職員に求められる倫理観や規律の遵守が求められる理由についてあなたの考えを述べよ。 | |
| 2022年 | 1回 | 都民から信頼される消防官となるために、あなたが実践することを具体的に述べよ。 |
| 2回 | 今後の社会情勢をふまえ質の高い行政サービスを提供するために、消防官としてあなたが取り組むことを述べよ。 | |
| 2021年 | 1回 | デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が人間社会にどのような影響を与えるのか、あなたの考えを具体的に述べなさい。 |
| 2回 | 実施なし | |
| 2020年 | 1回 | 【資料】から傾向を読み取り、行政機関が発信する情報を都民に広く周知するための効果的な方法を考え、具体的に述べなさい。 |
| 2回 | 社会人として必要なものを3つ挙げ、それを身につけるためにあなたが今後どう取り組んでいくのか具体的に述べよ。 |
過去問を確認した後は、模範解答や答案の書き方も確認しておきましょう。詳しくは、以下の記事で解説しています。
三類(高卒程度)
| 実施年度 | 区分 | テーマ |
|---|---|---|
| 2025 | 1回 | あなたが考える東京の魅力をあげ、東京消防庁の職員としてどのように活躍していきたいか具体的に述べよ。 |
| 2回 | 困難を乗り越えた経験とそこから学んだことを東京消防庁でどう生かしていきたいか述べよ。 | |
| 2024 | 1回 | あなたが感じる東京消防庁の魅力と、消防職員としてどのように成長していきたいかについて述べよ。 |
| 2回 | 実施なし | |
| 2023 | 1回 | あなたが東京消防庁を希望する理由と、どのように成長していきたいかを述べよ。 |
| 2回 | 実施なし | |
| 2022 | 1回 | 東京消防庁の職員として、10年後のあなたがどんな成長を遂げているか述べなさい。 |
| 2回 | 実施なし | |
| 2021 | 1回 | 自ら考えて行動するために日頃から行うべきことを具体的に述べなさい。 |
| 2回 | 実施なし | |
| 2020 | 1回 | あなたの経験から「失敗を糧にして成長できた」と考えられる事柄を挙げ、今後当庁で仕事をしていくうえでそれをどのように生かしていくのか、あなたの考えを具体的に述べなさい。 |
| 2回 | 実施なし |
過去問を確認した後は、模範解答や答案の書き方も確認しておきましょう。詳しくは、以下の記事で解説しています。
論文・作文試験の書き方
論文・作文の基本は、「序論 → 本論 → 結論」の3ステップで構成することです。
いきなり書き始めるのではなく、まず、この構成に沿って「各パーツで何を書くか」の骨組み(設計図)を作るのが高得点への近道です。
論文・作文の骨組み(型)
- 序論(問題提起)
- 「このテーマ、こういう課題がありますよね?」と切り出す
- 本論(意見・具体策)
- 「私はこう考えます!なぜなら…具体的には…」と主張する
- 結論(まとめ・決意)
- 「だからこうすべきです。私は消防官としてこう貢献します!」と締めくくる
「なるほど、この順番で書けばいいんだな」と、まずは全体の流れをイメージしてくださいね。
実際の過去問で頻出のテーマを例に、具体的に何を盛り込むべきか見ていきましょう。
「書き方がわからない」「ちゃんと書けているか不安」という方は、以下の記事も活用してください。あなたの答案に対して指導します。
一類:東京消防庁1類の論文対策|過去問と模範解答、個別指導・添削
三類:東京消防庁3類の作文対策|過去問と模範解答、個別指導・添削
論文・作文試験の模範解答例
このテーマで問われているのは、「あなたが考える東京消防庁の役割」と「その役割を果たすための具体的な行動」です。
先ほど解説した論文・作文の骨組み(型)に当てはめると、以下の構成になります。
首都直下地震やゲリラ豪雨、救急需要の増大など、近年の社会変化に触れる。
例)「こうした状況下で、都民の安全・安心を守る東京消防庁への期待は、かつてなく高まっている」と問題提起する。
期待①:災害対応力の強化
施策
東京消防庁が行っている「即応対処部隊の強化」や「DXを活用した情報収集」などを具体的に挙げる。
自分の考え
「これらの施策に加え、地域住民との連携訓練をさらに密にすることが、共助の力を高める上で不可欠だと考える」と、自分なりの意見をプラスする。
期待②:救急サービスの質の向上
施策
救急需要の増大という課題に触れ、「救急相談センター(#7119)の利用促進」や「多言語対応」の重要性を挙げる。
自分の考え
「私自身も、採用後は〇〇(例:部活動の経験で培った体力)を活かしつつ、常に最新の知識・技術を学び、都民一人ひとりに寄り添える消防官を目指したい」と、自己PRに繋げる。
本論を簡潔に要約し、「都民の多様な期待を正確に捉え、組織の一員として、また一人の消防官として具体的な行動を起こし続けることが肝要だ」とまとめる。
例)「都民から『世界一の消防』と信頼される組織の実現に貢献したい」と、力強い決意で締めくくる。
この構成メモの作成に10分程度使い、残り45分で一気に書き上げる。残り5分で推敲(見直し)すれば完成です。
具体的な施策を述べる際は、フワッとした表現ではなく、「消防白書」や「東京消防庁の公式HP」に書かれている言葉を引用するのが超効果的です。
例えば、「DXを進める」と書くだけでなく、「ドローンによる情報収集やAIを活用した119番通報の需要予測など、最新技術を積極的に活用し…」のように具体性を出すことで、一気に「お、この受験生、ちゃんと調べてるな!」と評価が上がりますよ。
論文・作文試験に関するFAQ
ここでは、東京消防庁消防官採用試験の論文・作文について、受験者からよく寄せられる質問をまとめました。
試験対策を進める上で疑問に感じやすいポイントを取り上げています。
文字数はどれくらい書けばいいですか?
700字程度を目標に書くことをおすすめします。
最低ラインの600字台では内容が薄く見えてしまう可能性があり、論理展開や具体例を十分に示しきれないケースが多いためです。
600字以上800字以内という指定があります。この範囲内であれば何文字でも構いませんが、実際の評価を考えると書くべき目安があります。
制限時間は60分あるため、構成を考える時間を含めても、しっかりと文字数を埋められる練習をしておくことが大切です。普段の練習から800字前後で書く癖をつけておくと、本番でも安定した解答ができます。
対策はいつから始めればいいですか?
筆記試験対策と並行して、遅くとも試験の2〜3か月前には取り組み始めるのが理想的です。
論作文は一朝一夕で上達するものではなく、何度も書いて添削を受けることで、論理構成や表現力が磨かれていきます。
特に文章を書くことに苦手意識がある場合は、できるだけ早い段階から少しずつ練習を重ねておくと安心です。過去のテーマを使って実際に時間を測りながら書いてみると、本番の感覚がつかみやすくなります。
おすすめの参考書はありますか?
「出題傾向と模範解答でよくわかる!消防官試験のための論作文術」がおすすめです。
文章構成の書き方から、過去問を使った模範解答・解説まで勉強することができます。
この参考書で書き方を理解して答案を作成し、添削を受けていくことで論作文の対策は十分です。
まとめ:早期対策で論文・作文を得点源にしよう!
今回は、東京消防庁の論文・作文試験について、基本情報から合格レベルの書き方、ライバルと差をつける対策まで、余すところなく解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
【本記事のまとめ】
- 2025年から試験時間・文字数が変更!よりコンパクトにまとめる力が重要に。
- 合格の秘訣は「序論・本論・結論」の型に沿って書くこと。
- 一類は「組織課題の解決策」、三類は「自己の経験と熱意」を具体的に示す。
- 消防白書や公式HPからの引用で、答案の信頼性を格段にアップさせる。
- 書きっぱなしはNG!必ず第三者の添削を受けて、客観的な視点で改善する。
論文・作文は、対策すればするだけ点数が伸びる、「やればできる」科目です。そして、その努力が教養試験の結果を覆すほどの力を持っています。
この記事を読み終えたら、まずは過去問を一題、時間を計って書いてみてください。 そこからが、あなたの逆転合格へのスタートです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
東京消防庁全体の概要や傾向を下記の記事でまとめています。あわせて確認してくださいね。
