財務専門官を目指すうえで、「採用試験の倍率はどれくらいなんだろう?」と気になる方は多いのではないでしょうか。
試験の難易度を客観的に知るために、倍率は重要な指標のひとつですよね。
この記事では、財務専門官採用試験の倍率について、最新の2025年度(令和7年実施)の結果から過去の推移までまとめています。
選考段階(一次試験〜二次試験)ごとの詳しい倍率もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
この記事を最後まで読めば、試験の厳しさをリアルに把握でき、どの選考段階に力を入れて対策すべきかが見えてきますよ。
【最新】2025年度財務専門官採用試験の倍率は1.7倍
まずは、最新の2025年度(令和7年実施)試験の結果から見ていきましょう。
結論から言うと、最終倍率は1.7倍という結果でした。
職種 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
財務専門官 | 952 (445) | 569 (291) | 1.7 (1.5) |
▼選考別の結果
選考 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
一次試験 | 952 (445) | 859 (407) | 1.1 (1.1) |
二次試験 | 652 (319) | 569 (291) | 1.1 (1.1) |
【過去】財務専門官の倍率推移
ここでは、過去12年間の倍率推移を見ていきましょう。
長期的な視点で倍率の変動を把握することで、財務専門官採用試験の大きな流れをつかむことができます。
全体の倍率推移
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
---|---|---|---|
2025 | 952 | 569 | 1.7倍 |
2024 | 1,277 | 527 | 2.4倍 |
2023 | 1,583 | 560 | 2.8倍 |
2022 | 1,382 | 632 | 2.2倍 |
2021 | 1,449 | 597 | 2.4倍 |
2020 | 1,338 | 560 | 2.4倍 |
2019 | 1,721 | 526 | 3.3倍 |
2018 | 2,058 | 526 | 3.9倍 |
2017 | 2,474 | 527 | 4.7倍 |
2016 | 2,682 | 528 | 5.1倍 |
2015 | 1,920 | 526 | 3.7倍 |
2014 | 2,673 | 488 | 5.5倍 |
このデータから、驚くべき事実がわかります。財務専門官の実質倍率は、長期的に見て大きく低下しているのです。
10年ほど前の2014〜2017年頃は4倍〜5倍を超えるのが当たり前で、「かなりの難関」と言える試験でした。しかし、直近の2025年度試験では1.7倍と、過去最低水準まで落ち着いています。
これは、民間企業の採用活動早期化などを背景に、公務員試験全体の受験者数が減少傾向にあることも影響していると考えられますね。
「倍率が低いなら、簡単な試験になったの?」と思うかもしれませんが、それは少し違います。大切なのは、試験の段階ごとに「どこが勝負の分かれ目になるのか」を理解することです。
次に、一次試験と二次試験に分けて、さらに詳しく見ていきましょう。
一次試験の倍率推移
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
2025 | 952 | 859 | 1.1倍 |
2024 | 1,277 | 937 | 1.4倍 |
2023 | 1,583 | 996 | 1.6倍 |
2022 | 1,382 | 1077 | 1.3倍 |
2021 | 1,449 | 966 | 1.5倍 |
2020 | 1,338 | 911 | 1.5倍 |
2019 | 1,721 | 850 | 2.0倍 |
2018 | 2,058 | 869 | 2.4倍 |
2017 | 2,474 | 956 | 2.6倍 |
2016 | 2,682 | 1029 | 2.6倍 |
2015 | 1,920 | 989 | 1.9倍 |
2014 | 2,673 | 912 | 2.9倍 |
一次試験(教養・専門の多肢選択式+専門記述)の倍率も、最終倍率と同様に低下傾向にあります。特に2025年度は1.1倍と、ほとんどの受験者が通過しているように見えます。
しかし、これは「一次試験が簡単になった」と考えるべきではありません。むしろ、二次試験(面接)に進むための「最低条件」として、ボーダーラインを確実に超えることの重要性が増していると言えます。
基準点(足切り)に引っかからず、着実に得点する基礎固めが何よりも大切ですね。
二次試験の倍率推移
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
2025 | 652 | 569 | 1.1倍 |
2024 | 678 | 527 | 1.3倍 |
2023 | 794 | 560 | 1.4倍 |
2022 | 850 | 632 | 1.3倍 |
2021 | 782 | 597 | 1.3倍 |
2020 | 911 | 560 | 1.6倍 |
2019 | 850 | 526 | 1.6倍 |
2018 | 869 | 526 | 1.7倍 |
2017 | 956 | 527 | 1.8倍 |
2016 | 1,029 | 528 | 1.9倍 |
2015 | 989 | 526 | 1.9倍 |
2014 | 912 | 488 | 1.9倍 |
二次試験は、主に人物試験(個別面接)が行われる、最終合格に向けた最後の関門です。
こちらの倍率も近年は1.1倍〜1.4倍程度で推移しており、一見すると「二次試験に進めば、ほとんど合格できる」ように感じられます。
確かに、数値上はその通りです。しかし、ここで評価が低いと、たとえ筆記試験の得点が高くても不合格になる可能性があります。
「一次試験を突破した優秀な受験生の中から、さらに選抜されるのが二次試験」と捉え、油断せずに入念な面接対策を行うことが合格を確実にするための鍵となります。
まとめ:倍率低下の今こそ、着実な対策で合格を目指そう
今回は、財務専門官採用試験の倍率の推移と、そこから見える難易度の変化について解説しました。最後に、重要なポイントを振り返りましょう。
- 財務専門官の実質倍率は長期的に低下傾向にあり、2025年度は過去最低水準の1.7倍だった。
- 倍率が下がっているからといって、試験が簡単になったわけではない。むしろ、一次試験のボーダーを超える基礎学力と、二次試験の面接対策の重要性が増している。
- 一次試験を突破すれば、最終合格の可能性は非常に高い。まずは筆記試験対策に全力を注ぐことが最も効果的な戦略と言える。
受験者数が減少している今、ライバルの数を過度に恐れる必要はありません。
客観的なデータで自分の立ち位置を把握し、やるべき対策を一つひとつ着実にこなしていけば、合格は決して遠くないはずです。頑張っていきましょう!
▼財務専門官採用試験の難易度や対策についてまとめています。ぜひ参考にしてください。
コメント