刑務官採用試験の「面接カード」の書き方について解説します。
「面接カードの書き方が分からず、ペンが止まってしまう」という受験生も多いのではないでしょうか。熱い思いや、刑務官として働きたいという強い志があるのに、うまく表現できないのはもったいないことです。
それもそのはず!
面接カードには、評価されるための「戦略」や「書き方の型」が必要です。ただ一生懸命に自分の想いを書いただけでは、面接官に響くカードは作れません。
本記事では、刑務官採用試験の面接カードについて、大きく以下の3点について解説します。
- 面接カードを書く前に必要な「基本と目的」
- 将来の刑務官として評価される「書き方のコツ」
- 知っておくべき「注意点とFAQ」
この記事に書かれていることを実践すれば、合格レベルの面接カードを書けるようになりますよ!
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【刑務官採用試験】面接カードの概要
面接カードは、あなたの人物像や能力を伝える「面接の説明書」です。
二次試験の人物試験(=面接)では、提出した面接カードに沿って質問されるため、時間をかけて戦略的に作成しなければなりません。
項目は基本情報と経歴・経験
面接カードで問われるのは、あなたの人間性や経験、そして刑務官としての適性や将来性に関する項目です。
具体的には、以下の内容について記述を求められます。(※国家公務員採用試験の標準的な様式です)
- 基本情報
- 最終学歴
- 職歴
- 人物・経験に関する項目
- 受験の動機
- 印象に残っている体験
- 関心事項
- 趣味、特技など
- 好きな学科・得意な分野
- 自己PR(自分の長所について)

これらの質問を通じて、面接官はあなたが将来の刑務官としてふさわしい人物かを見極めようとします。
二次試験日に提出する
面接カードは、一次試験の合格発表後に、人事院のHPからダウンロードします。
事前に全ての項目を記入した上で、人物試験(二次試験)の当日に、会場で指定された部数を提出します。郵送などによる事前提出は不要です。
当日に手渡しするため、忘れないようにしましょう!
【刑務官採用試験】面接カードの書き方(項目別)
ここでは、刑務官採用試験の面接カードの書き方を項目別に解説します。
受験の動機(志望動機)
「なぜ刑務官になりたいのか?」に答える最重要項目です。
- 「なぜ他の公務員や民間企業ではなく、刑務官なのか」
- 「刑務官として、どのように社会に貢献したいのか」
これら2点の明確な回答が求められます。
NG回答例
→ 一見、志望理由のように見えますが、「人の役に立ちたい」という漠然とした理由だけでは、他の職種でも良いのではと思われます。
また、「安定」だけでは、刑務官という専門職の強い責任感をアピールできません。刑務官は、規律維持だけでなく、受刑者の更生支援という重要な役割も担っています。
刑務官は、矯正施設という特殊な環境で、「規律の維持」「安全の確保」「受刑者の更生支援」といった多岐にわたる任務を遂行する専門職です。
個人の興味だけでなく、矯正行政全体を理解し、困難な状況にも対応できる強い精神力や倫理観が問われます。
模範回答例
印象に残っている体験
あなたの「人となり」を見る項目です。
特に、集団の中で困難にどう立ち向かい、どう解決したかという「協調性」「責任感」「冷静な判断力」、そして「規範意識」の素養を評価します。
NG回答例
→ 「積極的に間に入った」「みんなの話を聞いた」という部分が抽象的です。
「具体的に何をして、どのように意見を調整し、どんな良い結果に繋がったのか」が見えてきません。
刑務官には、精神論だけでなく、現状を分析し、具体的な行動を起こして問題を解決する力が求められます。
模範回答例
関心事項
あなたが普段から社会のどんな出来事にアンテナを張っているかを見る項目です。
ここで矯正業務や社会の安全に関わるニュースに触れることができれば、あなたの志望度の高さを強力にアピールできます。
NG回答例
→ テーマ自体は悪くありません。しかし、「社会全体で取り組むべき」という感想で終わっており、当事者意識が感じられません。
また、なぜその問題が「刑務官を目指すあなた」にとって重要なのかが伝わってきません。
模範回答例
趣味、特技など
あなたの意外な一面や、継続していることなどを知るための項目です。
体力や精神力、協調性、ストレス耐性などをさりげなくアピールするチャンスです。
NG回答例
→ 嘘を書く必要はありませんが、あまりに受け身な趣味や、刑務官の仕事にアピールに繋がらない特技では、貴重な自己PRの機会を失ってしまいます。
模範回答例
好きな学科・得意な分野
あなたの知的好奇心の方向性や、論理的な思考力、あるいは刑務官として求められる知識の素養があるかを見る項目です。
「なぜそれが好きなのか」そして「それを刑務官の仕事でどう活かせるか」まで繋げて考えましょう。
NG回答例
→ 「好き」というだけで終わってしまっています。
その科目を学ぶ中でどんな能力が身につき、それが将来の刑務官の仕事にどう繋がるのかという視点がなければ、単なる好みでしかありません。
模範回答例
自己PR(自分の長所について)
自分の「一番の強み」が、刑務官としていかに役立つかを、具体的なエピソードを添えて証明する項目です。
NG回答例
→ 「真面目」は、公務員として「当たり前」の資質であり、他の受験生との差別化ができません。
模範回答例
▼「自己PR・志望動機はこれでいいんだろうか…?」「何を書けばいいか相談したい…」このように悩んでいる方は、ぜひ下記の記事もご覧ください。簡単に解決できますよ!
【刑務官採用試験】面接カードに関するFAQ
ここでは、多くの受験生が抱く、面接カードに関する細かな疑問にお答えします。
Q1. 手書きとパソコン、どちらで作成すべきですか?
大切なのは、読みやすさと丁寧さです。
- パソコン作成のメリット:文字が綺麗で読みやすく、修正が簡単です。
- 手書き作成のメリット:文字からあなたの人柄や丁寧さが伝わる可能性があります。
どちらを選ぶにせよ、読み手の立場に立って作成することが重要です。手書きの場合は、必ず黒のボールペンを使用し、下書きをしてから清書しましょう。
Q2. 部活動などで、リーダー経験がありません。どうすればいいですか?
面接官が見ているのは、役職ではなく「集団の中であなたがどのように考え、行動したか」です。
- チームの規律を守るために、率先して手本を示した。
- 意見の異なるメンバーの間に入り、共通認識を形成しようと努めた。
- 困難な業務や誰もやりたがらない役割を、自ら進んで引き受けた。
重要なのは、「チームや組織のために、主体的に起こした行動」です。役職がなくても、あなたの行動でチームや集団が良い方向に進んだ経験を思い出してみてください。
Q3. 各項目、どのくらいの文字数を書けばいいですか?
- 文字数が少なすぎる場合:空欄が多いと、意欲が低いと見なされる可能性があります。
- 文字数が多すぎる場合:枠内にぎっしりと書き込むと、読みづらく、要点をまとめる能力が低いという印象を与えかねません。
伝えたいことを一度全て書き出した後、最も重要な部分を要約して、枠内にバランス良く収める練習をしましょう。
Q4. 書き終えたら、誰かに見せた方がいいですか?
特に、学校の先生や家族など、信頼できる大人に確認してもらうことを強く推奨します。
自分では完璧だと思っていても、客観的に見てもらうと、誤字脱字や分かりにくい表現などが見つかることがよくあります。
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まとめ|刑務官採用試験の面接カードは合格への第一歩!
今回は、刑務官採用試験の面接カードについて解説しました。
- 面接カードは「面接の説明書」と心得る。
- 全ての項目で「刑務官としての視点」を持ち、求められる資質をアピールする。
- 具体的なエピソードで、あなたの言葉に説得力を持たせる。
面接カードは、あなたという人間を面接官に伝えるための、強力なプレゼン資料です。時間をかけて自己分析を行い、刑務官として働く「あなた自身の言葉」で、丁寧に書き上げてください。
この記事で解説したポイントを一つひとつ実践すれば、あなたの魅力が最大限に伝わる、合格レベルの面接カードが必ず完成します。
完璧な準備で、自信を持って面接に臨みましょう。
もし一人での対策に困ったり、不安を感じたりしたときは、遠慮なく僕を頼ってほしいです。あなたが合格できるよう、全力でサポートします!
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