「法務省専門職員(人間科学)採用試験って、どのくらい難しいの?」
法務省専門職員を目指す方なら、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。
結論から言うと、法務省専門職員(人間科学)採用試験は難しいです。
本記事では、なぜこの試験が「難しい」のか、その理由を漠然としたイメージではなく公式データに基づいて徹底解説。さらに、合格するために必要な対策までをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
法務省専門職員採用試験が難しい3つの理由
法務省専門職員採用試験が難しい理由は次の3つです。
- 「3倍超」の競争率という壁
- 広く深い知識が問われる「専門試験」
- 「得点の難しさ」
1つずつ解説していきます。
理由1:競争率の高さ
まず、最も分かりやすい難易度の指標が競争倍率です。
これは「何人の受験者のうち1人が最終合格できるか」を示す数値で、高ければ高いほど合格のハードルは上がります。
最新の試験結果を見てみましょう。
| 試験の区分 | 申込者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 1,790 | 422 | 4.2 |
| 矯正心理専門職A | 125 | 32 | 3.9 |
| 矯正心理専門職B | 377 | 53 | 7.1 |
| 法務教官A | 564 | 128 | 4.4 |
| 法務教官B | 367 | 113 | 3.2 |
| 保護観察官 | 232 | 68 | 3.4 |
全体の倍率は4.2倍。これは、4人以上のライバルに勝って、ようやく1人が合格できるという計算です。
特に注目すべきは「矯正心理専門職B」で、その倍率は驚異の7.1倍。ここまで来ると、難関試験と言わざるを得ません。
他の区分も軒並み3倍を超えており、法務省専門職員になるためには、まずこの高い競争を勝ち抜く必要があるのです。
理由2:出題範囲の広さ
次に、試験対策を困難にしているのが、その試験科目の幅広さと専門性の高さです。
法務省専門職員の一次試験は、大きく分けて2種類あります。
- 基礎能力試験(教養):公務員として必要な判断力や数的処理能力、時事問題などの知識。
- 専門試験:職務に必要な専門知識。
問題は、この専門試験の範囲が非常に広いことです。職種にもよりますが、主に以下の分野から出題されます。
- 心理学
- 教育学
- 福祉学
- 社会学
さらに、ただのマークシート形式だけではありません。与えられたテーマについて1時間45分で論述する「記述式」の試験も課されます。
これは、単なる知識の暗記だけでは対応できず、テーマに対する深い理解と、それを論理的に文章化する力がなければ太刀打ちできません。
この「広範囲の知識」と「深い思考力」の両方が求められる点こそ、学習負担を増大させ、試験の難易度を押し上げている大きな要因です。



ちなみに面接試験もあるので頭だけ良くても合格はできません!
理由3:合格ラインの高さ
3つ目の理由は、国家専門職試験の基礎能力試験(教養試験)の平均点です。
| 職種 | 平均点 |
| 法務省専門職員 | 15.467 |
|---|---|
| 国税専門官 | 18.005 |
| 財務専門官 | 19.081 |
この基礎能力試験は、財務専門官や国税専門官など、他の国家専門職の受験者も“全く同じ問題”を解きます。
にもかかわらず、法務省専門職員の平均点は、他の主要な専門職と比べて際立って低いことが分かります。
これは一体、何を示しているのでしょうか?
それは、「法務省専門職員の受験者層にとって、この試験は客観的に見て非常に難しい」という事実です。
優秀な人材が集まる公務員試験において、これだけ平均点が低く抑えられているということは、生半可な対策では高得点を望めない、非常にシビアな試験であることを物語っています。
以上の3つの理由から、法務省専門職員の試験は、
- 競争が激しく(高い倍率)
- 対策に膨大な時間がかかり(広範な試験科目)
- 客観的にも得点しにくい(低い平均点)
という、総合的に見て非常に難易度の高い試験であると言えるでしょう。
合格するためのポイント
ここまで見てきたように、法務省専門職員は間違いなく難関試験です。
では、この高い壁を乗り越え、合格を勝ち取るためには、具体的に何が必要なのでしょうか。ここからは、合格者に共通する3つの重要なポイントを解説します。
1. 配点比率を踏まえた戦略
試験科目が広範囲にわたるからこそ、やみくもな学習は非効率です。
合格者は、どの科目が合否に大きく影響するか、その「配点比率」を強く意識して学習計画を立てています。
| 試験科目 | 矯正心理 専門職 | 法務教官 保護観察官 |
|---|---|---|
| 基礎能力試験 | 2/11 | 2/10 |
| 専門試験(多肢) | 3/11 | 3/10 |
| 専門試験(記述) | 3/11 | 3/10 |
| 人物試験 | 3/11 | 2/10 |
この表から分かる通り、一次試験の合否を分けるのは、全体の半分以上の配点を占める「専門試験」です。
特に、心理学や社会学といった専門分野の知識は、選択式だけでなく記述式でも問われるため、徹底的な対策が欠かせません。
まずは専門試験で確実に得点できる得意分野を確立し、その上で基礎能力試験の対策を進める、といった優先順位付けが合格へのポイントとなります。
2. 基礎知識の徹底
「理由3」で見たように、法務省専門職員の基礎能力試験は平均点が低く、多くの受験者が苦戦します。しかし、これは裏を返せば、ここで安定して得点できれば、他の受験者と大きな差をつけられるということです。
奇抜な問題や難問を解く力よりも、「数的処理」「文章理解」といった誰もが対策する分野で、確実に正解を積み重ねる基礎力が何よりも重要になります。
平均点が低いからといって恐れる必要はありません。毎日少しずつでも問題に触れ、苦手分野を潰していく地道な努力が、一次試験突破の大きな力となります。
基礎能力試験の傾向や勉強方法はこちらの記事で解説しています。
3. 二次試験の早期対策
高い倍率を勝ち抜くには、一次の筆記試験だけでなく二次試験(人物試験・面接)を突破しなければなりません。
配点比率を見ても、人物試験が全体の2〜3/11を占めており、その重要性は明らかです。
面接官は、あなたの知識量だけでなく、その人柄や志望動機を深く見ています。
- なぜ、数ある公務員の中でも「法務省専門職員」なのか?
- 採用されたら、どのような形で社会に貢献したいのか?
こうした問いに、自分の経験に基づいた説得力のある言葉で答えられるよう、早期からの自己分析が不可欠です。
自分がなぜこの仕事に惹かれるのかを深く掘り下げ、それを言語化する練習を重ねておきましょう。筆記試験の対策と並行して、二次試験を見据えた準備を進めることが、最終合格をぐっと引き寄せます。
法務省専門職員に関すFAQ
法務省専門職員採用試験について、受験者から寄せられる悩み・相談をまとめています。
何歳まで受験できますか?
法務省専門職員の採用試験は、30歳まで受験することが可能です。
2026年度の受験資格は「1996年4月2日〜2005年4月1日生まれの者」となっています。
試験はいつありますか?
法務省専門職員の採用試験は、5月から7月にかけて実施されます。
2026年度の一次試験、二次試験の日程は次のとおりです。
- 一次試験日:2026年5月24日(日)
- 二次試験日:2026年7月3日(金)〜8日(水)
過去問はありますか?
法務省専門職員採用試験の過去問は、人事院のホームページから無料でダウンロードできます。
出題傾向やレベルを把握できるため、勉強の前に目を通しておくといいでしょう。
法務省専門職員の過去問はこちらで確認できます。
倍率はどれくらいですか?
難易度まとめ
今回は、法務省専門職員の難易度について、3つの客観的なデータをもとに解説しました。
- 理由1:高い競争率 全体の倍率は4.2倍、最難関の「矯正心理専門職B」では7倍を超える狭き門です。
- 理由2:広範な試験科目 心理・教育・福祉・社会学といった幅広く深い専門知識に加え、記述式の試験もあり、学習負担が大きいのが特徴です。
- 理由3:客観的な得点しにくさ 他の専門職と同じ教養試験で平均点が際立って低いという事実は、この試験の難しさの客観的な証明と言えます。
これらのデータから分かる通り、法務省専門職員は、国家公務員試験の中でも間違いなく難関です。
合格するためには、配点比率を意識した戦略的な学習計画と、ライバルに差をつけるための徹底した基礎固め、そして「なぜこの仕事がしたいのか」を突き詰める早期の面接対策が不可欠です。
本気で目指す覚悟が決まったなら、あとは正しい戦略で努力を続けるだけです。頑張っていきましょう!
