国家一般職(高卒者試験)の基礎能力試験は、出題範囲が広く、何から勉強すればいいかわからない…と悩む人も多い試験です。
「どんな試験内容なの?」
「出題範囲や試験科目は?」
「どうやって勉強すればいいの?」
そんな不安を抱えたまま試験当日を迎えるのは避けたいですよね。
学校生活や部活動、仕事など、限られた時間の中で効率よく勉強を進める必要があります。
そこでこの記事では、国家一般職(高卒者試験)の基礎能力試験について、
- 何から勉強を始めればいいのか
- どの科目を優先すべきか
- おすすめの参考書や過去問
などを、初めて勉強する人向けにわかりやすく解説します。
国家一般職(高卒者試験)|基礎能力試験とは
国家一般職(高卒者試験)の基礎能力試験は、公務員として必要な「基礎的な知識」や「論理的に考える力」を測るための筆記試験です。
教養試験と呼ばれることもあり、特別な専門知識というより、「文章を正しく読み取れるか」「迅速に計算できるか」といった基礎力が問われます。
試験概要
基礎能力試験は、全区分共通で実施されます。
| 試験時間 | 90分 |
|---|---|
| 問題数 | 40問 |
| レベル | 高校卒業程度 |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) |
| 満点 | 40点満点 |
| 基準点 | 12点 |
| 平均点 | 19.847点 |
| 配点比率 | 事務:4/9 その他:2.3/9 |
出題範囲(試験科目)
基礎能力試験の出題範囲(試験科目)は、思考力・判断力を問う「一般知能分野(数的処理・文章理解)」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般知識分野(社会・人文・自然科学・情報」の2分野です。
| 数的処理 | 数的推理 | 数学的な思考力や計算力を使って答えを導き出す科目です。方程式や確率、速さ、図形の計量、整数問題など、中学・高校で習った数学の応用問題が出題されます。 |
|---|---|---|
| 判断推理 | 与えられた条件や情報から、論理的に正しい結論を導き出す科目です。対応関係、順序、位置関係、暗号、嘘つき問題など、パズルのような問題が多く出題されます。 | |
| 空間把握 | 展開図、図形の回転・切断、軌跡など、立体的・平面的な図形を正しく認識する力を問う科目です。 | |
| 資料解釈 | 与えられたグラフや表から数値を正確に読み取り、選択肢の正誤を判断する科目です。実数だけでなく、伸び率や割合、指数などを素早く計算する力が求められます。 | |
| 文章理解 | 現代文 | 現代文、英文、古文・漢文の読解力を測る科目です。問題の形式は、文章全体の趣旨を問う「内容把握」、文の順序を並べ替える「文章整序」、適切な語句を入れる「空欄補充」が中心となります。 |
| 英文 | ||
| 古・漢文 | ||
| 社会科学 | 政治 | 日本国憲法(基本的人権や統治機構)、国会・内閣・裁判所の仕組み、選挙制度、国際政治など、高校の「政治・経済」や「公共」で学ぶ基礎知識が問われます。 |
| 経済 | 需要と供給の仕組み、金融、財政、日本経済の歩みなど、経済の基本的なルールや動向が出題されます。最新の時事問題と関連付けた出題も多く見られます。 | |
| 社会 | 社会保障制度、労働問題、環境問題、消費者問題などの基礎知識が問われます。近年の社会動向やニュースで話題になるテーマが頻出です。 | |
| 倫理 | 青年期の心理や、西洋・東洋の代表的な思想家(哲学者など)の名前と、その主な主張・キーワードを正しく結びつける基礎的な暗記科目です。 | |
| 人文科学 | 日本史 | 旧石器時代から近現代まで幅広く出題されます。政治の動きや外交、文化など、各時代の特徴や大まかな歴史の流れを把握しておくことが重要です。 |
| 世界史 | アジア、ヨーロッパ、アメリカなど各地域の歴史について、文明の誕生から近現代まで出題されます。主要な出来事や人物、時代の前後関係が問われます。 | |
| 地理 | 世界の気候や地形といった自然環境に加え、各国の産業、人口、貿易などの基礎知識が出題されます。地図や統計グラフを読み解く問題も含まれます。 | |
| 国語 | 漢字の読み書き、四字熟語、ことわざ・慣用句、文学史(代表的な作家と作品名)など、高校卒業レベルの国語の一般常識を問う暗記中心の科目です。 | |
| 英語 | 基礎的な英単語・英熟語の意味や、基本的な英文法を問う科目です。文章理解(長文読解)とは異なり、短文での知識問題が中心となります。 | |
| 自然科学 | 数学 | 数と式、二次関数、三角比、場合の数・確率など、高校数学(数学Ⅰ・A程度)の基本的な公式を用いた計算問題が出題されます。 |
| 物理 | 力学、熱、波、電気などの分野から出題されます。基本的な公式を当てはめる計算問題や、身近な物理現象の原理を問う問題が中心です。 | |
| 化学 | 物質の構成、化学結合、酸と塩基、酸化還元などから出題されます。複雑な計算よりも、身の回りの物質の性質や反応に関する基礎知識が多く問われます。 | |
| 生物 | 細胞、遺伝、人体の構造(臓器の働きなど)、生態系などの分野から出題されます。図を用いた出題もあり、暗記中心のため文系でも取り組みやすい科目です。 | |
| 地学 | 地球の内部構造、地震、火山、気象、宇宙(太陽系など)から出題されます。生物と同様に知識の暗記が中心で、対策がしやすく得点源になる科目です。 | |
| 情報 | 情報Ⅰ | コンピュータやインターネットの基礎知識、情報セキュリティ、情報モラルなど、高校の「情報Ⅰ」で学ぶ、現代社会に不可欠な基礎知識を問う科目です。 |
基礎能力試験では、出題数が多く、差がつきやすい「一般知能分野」の出来が合否を大きく左右します。
それぞれの分野の特徴をしっかり理解して、対策を進めていきましょう。
国家一般職(高卒者試験)|基礎能力試験の対策方法
国家一般職(高卒者試験)の基礎能力試験は、出題範囲が広いため、「何から勉強すればいいかわからない…」と悩む人も多いです。
ここでは、これから勉強を始める人向けに、基礎能力試験の対策方法を7ステップで解説します。
合格ライン(7割)の戦略を知る
国家一般職(高卒者試験)の基礎能力試験は、出題範囲が広い試験です。そのため、最初から「全部完璧に勉強しよう」と考える必要はありません。
実際は、科目ごとに出題数が異なるため、「どの科目で点数を取るか」を考えながら対策することが重要です。
| 分野 | 科目 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 |
|---|---|---|---|---|
| 数的処理 | 数的推理 | 4 | 4 | 4 |
| 判断推理 | 5 | 5 | 5 | |
| 空間把握 | 2 | 2 | 2 | |
| 資料解釈 | 2 | 2 | 2 | |
| 文章理解 | 現代文 | 4 | 4 | 4 |
| 英文 | 2 | 2 | 2 | |
| 古・漢文 | 1 | 1 | 1 | |
| 社会科学 | 政治 | 2 | 2 | 2 |
| 経済 | 2 | 2 | 2 | |
| 社会 | 1 | 1 | 1 | |
| 倫理 | 1 | 1 | 1 | |
| 人文科学 | 日本史 | 1 | 1 | 1 |
| 世界史 | 2 | 2 | 2 | |
| 地理 | 1 | 1 | 2 | |
| 国語 | 2 | 2 | 2 | |
| 英語 | 2 | 2 | 2 | |
| 自然科学 | 数学 | 1 | 1 | 1 |
| 物理 | 1 | 1 | 1 | |
| 化学 | 1 | 1 | 1 | |
| 生物 | 1 | 1 | 1 | |
| 地学 | 1 | 1 | 1 | |
| 情報 | 情報Ⅰ | 1 | 1 | 0 |
このように、「数的推理」「判断推理」などは出題数が多く、得点源になりやすい科目です。一方で、知識系科目は範囲が広いわりに出題数は少ないため、細かい部分まで完璧に覚えようとすると効率が悪くなります。
まずは「7割前後を取るには、どの科目で点数を取るべきか」を考えながら、自分なりの戦略を立ててみましょう。
過去問を解く
勉強を始める前に、過去問を解いてみましょう。
理由は、実際の問題を見たほうが、
- どんな問題が出るのか
- 自分が苦手な科目はどれか
- 思ったより解ける科目はあるか
を把握しやすいからです。
この時点では、点数が低くても気にする必要はありません。むしろ最初は、「こんな問題が出るんだ」くらいの感覚で大丈夫です。
逆に、過去問を見ずに勉強を始めると、
- 必要以上に難しい勉強をしてしまう
- 出ない分野に時間を使ってしまう
- 試験のレベル感がわからない
といった失敗につながりやすくなります。
1~3年分でOKなので、時間を測りながら一度チャレンジしてみましょう。
数的推理と判断推理の解き方を覚える
僕自身そうでしたが、過去問を解いてみると「数的推理と判断推理が難しい…」って感じると思います。
しかし、この2科目は「センス」よりも、「解き方を知っているか」が重要です。
そのため、最初は問題を解くことよりも、
- 解法パターンを覚える
- 解き方の流れを理解する
- よく出る問題に慣れる
ことを意識しましょう。
特に判断推理は、解き方がある程度決まっています。最初は解けなくても、同じ形式の問題を繰り返すうちに、少しずつ解き方がわかるようになります。
まずは参考書1冊を使って、基本的な解法パターンを覚えるところから始めましょう。
資料解釈と文章理解は1日1問解く
出題数が多く、安定している資料解釈や文章理解は、短期間で一気に伸ばすというより、「毎日少しずつ慣れていく」ことが大切な科目です。
特に文章理解は、現代文や英文読解などが出題されるため、読むスピードに慣れていないと時間が足りなくなりやすいです。
また、資料解釈も計算自体は難しくありませんが、
- 表やグラフを素早く読む力
- 必要な数字を見つける力
が求められます。
そのため、「時間をかけて1日10問」よりも、「毎日1〜2問を継続する」ほうが効果的です。
通学時間やスキマ時間も活用しながら、少しずつ問題に慣れていきましょう。
知識系科目はコスパ重視で暗記する
知識系科目は、出題範囲がかなり広いのが特徴です。
例えば、日本史や世界史は覚える量が多い一方で、出題数はそれほど多くありません。そのため、1問のために細かい部分まで完璧に覚えようとすると、勉強効率が悪くなりやすいです。
大切なのは、
- 出題数の多い科目を優先する
- 得意科目で点数を取る
- 出題頻度の高い分野から覚える
など、メリハリをつけながら勉強することです。
通学・通勤しながらだと、使える勉強時間が限られているため、「全部を完璧に覚える」よりも、「点数につながりやすい部分を優先する」という考え方が重要になります。
また、知識系科目は忘れやすいため、スキマ時間を活用しながら何度も復習していきましょう。
最新の時事対策
時事問題は、政治・経済・社会ニュースなどから幅広く出題されます。
「新聞を毎日読まないといけないの?」と不安になる必要はありません。国家一般職(高卒者試験)の場合は、時事対策用の参考書を活用すれば十分対応できます。
特におすすめなのが、『速攻の時事』のような時事対策本です。
頻出テーマがコンパクトにまとまっているため、
- スキマ時間に確認できる
- 重要ポイントを効率よく覚えられる
- 最新ニュースを整理しやすい
というメリットがあります。
時事問題は範囲が広いため、ゼロから情報を集めるよりも、「出やすいテーマを効率よく覚える」ことを意識しましょう。
過去問で本番シミュレーション
最後は過去問を使って本番シミュレーションを行いましょう。
このとき大切なのは、「問題を解けるか」だけではなく、「時間内に解き切れるか」を意識することです。
基礎能力試験は問題数が多いため、本番では時間が足りなくなる人も少なくありません。
そのため、
- どの科目から解くか
- わからない問題を飛ばせるか
- 1問に時間をかけすぎていないか
など、本番を想定した練習が重要になります。
また、過去問演習では点数だけを見るのではなく、
- 間違えた原因
- 時間を使いすぎた問題
- 苦手分野
を確認することも大切です。
本番が近づいてきたら、時間を測りながら繰り返し演習し、自分なりの解き方を固めていきましょう。
まずは1日30分でもいいので、今日から少しずつ始めてみましょう。
勉強を続けるうちに、少しずつ「解ける問題」が増えていきます。
国家一般職(高卒者試験)|よくある質問(FAQ)
ここでは、国家一般職(高卒者試験)の勉強を始める人からよくある質問をまとめています。
「何から準備すればいいかわからない…」という人は、まず気になる項目から確認してみてください。
Q1.過去問はありますか?
A1.はい。国家一般職(高卒者試験)の過去問は、人事院が公開しています。
まずは実際の問題を見て、
- どんな問題が出るのか
- どの科目が苦手か
- 時間内に解けそうか
を確認してみましょう。
特に基礎能力試験は、問題形式に慣れることが重要です。そのため、勉強を始める前でも、一度過去問に触れておくことをおすすめします。


Q2.おすすめの参考書・問題集はありますか?
A2.「畑中敦子シリーズ」と「TAC問題集シリーズ」がおすすめです。
数的推理・判断推理は、「解き方に慣れること」が重要なので、まずは「畑中敦子の天下無敵の数的処理!」を繰り返し解くことを意識しましょう。
知識系科目は、「TAC問題集シリーズ」を繰り返し解くことをおすすめします。
知識系科目は、参考書を読むだけで覚えるよりも、問題を解きながら覚える方が記憶に残りやすいからです。
特に国家一般職(高卒者試験)は、頻出分野がある程度決まっています。そのため、問題演習を繰り返しながら重要事項を覚えていきましょう。
Q3.独学でも合格できますか?
A3.はい。国家一般職(高卒者試験)は、独学で合格している人も多い試験です。
特に基礎能力試験は、数的処理の反復練習や頻出分野の対策をしっかり行えば、十分に対応できます。
一方で、
- 勉強方法が合っているか不安
- 何から始めればいいかわからない
- このペースで間に合うか不安
という人も多いと思います。
そのような方向けに、勉強相談や学習サポートを行っています。「独学で進められるか不安…」という人は、参考にしてみてください。


国家一般職(高卒者試験)|基礎能力試験は戦略が重要
国家一般職(高卒者試験)の基礎能力試験は、出題範囲が広いため、「とりあえず全部勉強する」では、途中で時間が足りなくなりやすい試験です。
- 出題数の多い科目を優先する
- 頻出分野から対策する
- 得意科目で点数を取る
など、戦略的に勉強を進めることが重要になります。
まずは過去問を確認し、自分に必要な勉強を整理するところから始めてみましょう。
国家一般職(高卒者試験)の過去問や出題傾向に関する情報
その他、国家一般職(高卒者試験)の試験内容に関する情報

