国家一般職(高卒者試験)を受験しようと思っても、何を準備すればいいか正直わからない…という方は多いと思います。
「どんな試験があるの?」
「筆記試験だけ対策すればいいの?」
「何から始めればいいかわからない…」
そんな不安を抱えたまま試験当日を迎えるのは避けたいですよね。
国家一般職(高卒者試験)は、筆記試験だけでなく、作文試験や人物試験まで含めて総合的に評価される採用試験です。
特に筆記試験(基礎能力試験)は、数的処理や判断推理など対策に時間がかかる分野も多いため、早めに試験全体の流れを把握して準備を進めることが重要になります。
この記事では、国家一般職(高卒者試験)の試験内容や配点、各試験の特徴まで、はじめて受験する人向けにわかりやすく解説します。
試験の全体像を正しく理解して、合格への戦略を立てるための資料として活用してください。
国家一般職(高卒者試験)の概要
国家一般職(高卒者試験)の試験概要をまとめました。
試験日程や採用予定数など、受験前に確認しておきたい内容を一覧で確認できます。
| 募集要項 | 配布 | インターネットにて実施 |
|---|---|---|
| 出願期間 | 6月12日(金)9:00〜6月24日(水)受信有効 | |
| 試験日程 | 一次試験 | 9月6日(日) |
| 二次試験 | 10月14日(水)〜10月23日(金) | |
| 受験資格 | 年齢制限 | 高校等卒業後2年を経過していない者、及び卒業見込みの者 |
| 生年月日 | 2024(令和6)年4月1日以降に卒業した者が対象 | |
| 採用予定 | 北海道 | 事務:約120名 技術:約75名 |
| 東北 | 事務:約80名 技術:約90名 | |
| 関東 | 事務:約790名 技術:約160名 | |
| 東海 | 事務:約90名 技術:約40名 | |
| 近畿 | 事務:約100名 技術:約35名 | |
| 中国 | 事務:約90名 技術:約50名 | |
| 四国 | 事務:約20名 技術:約40名 | |
| 九州 | 事務:約95名 技術:約110名 | |
| 沖縄 | 事務:約35名 技術:約10名 | |
| 農業 | 約90名(※農業土木) | |
| 林業 | 約30名 | |
| 筆記試験 | 基礎能力 | 40題 / 1時間30分 |
| 適性試験 | 120題 / 15分(※事務区分等のみ) | |
| 専門試験 | 40題 / 1時間40分(※技術、農業土木、林業区分のみ) | |
| 作文試験 | 1題 / 50分(※事務区分等のみ) | |
| 人物試験 | 個人面接 | 人柄、対人的能力などについての個別面接 |
上記はあくまで試験の全体像です。
具体的な試験内容や対策は、次のセクションで詳しく解説します。
国家一般職(高卒者試験)の内容
国家一般職(高卒者試験)は、一次試験・二次試験で構成される二段階選抜方式です。
一次試験では筆記試験による基礎的な知識・技能を確認し、二次試験では人物試験を通して、公務員としての人物面や適性を評価します。
また、受験区分によって実施される試験内容が少し異なるため、最初に全体像を確認しておきましょう。
| 選考 | 試験種目 | 事務 | 技術 | 農業 | 林業 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一次試験 | 基礎能力試験 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 適性試験 | ◯ | ー | ー | ー | |
| 専門試験 | ー | ◯ | ◯ | ◯ | |
| 作文試験 | ◯ | ー | ー | ー | |
| 二次試験 | 個人面接 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
*「ー」:実施なし
ここでは、一次試験・二次試験の内容や傾向をそれぞれ解説します。
一次試験の内容
国家一般職(高卒者試験)の一次試験は、区分によって内容が異なります。事務区分では「基礎能力試験」「適性試験」「作文試験」、技術系区分では「基礎能力試験」と「専門試験」が課されます。
基礎能力試験
国家一般職(高卒者試験)の基礎能力試験は、公務員として必要な「基礎的な知識」や「論理的に考える力」を測るための筆記試験です。
教養試験と呼ばれることもあり、特別な専門知識というより、「文章を正しく読み取れるか」「迅速に計算できるか」といった基礎力が問われます。
| 対象区分 | 全区分共通(事務・技術・農業土木・林業) |
|---|---|
| 試験時間 | 90分 |
| 問題数 | 40問 |
| レベル | 高校卒業程度 |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) |
| 出題範囲 | 一般知能 ┗数的推理、判断推理、資料解釈、文章理解 一般知識 ┗社会科学、人文科学、自然科学、情報 |
まずは過去問を3〜5年分解き、どの分野が頻出なのかを把握することが重要です。特に、数的処理や判断推理、社会科学は毎年多く出題されるため、優先的に対策すると効率的です。
参考書で解法を学んだら、すぐに問題演習で確認し、間違えた問題を繰り返し復習しましょう。
1日30分でも継続して取り組むことで、少しずつ安定して得点できるようになります。
なお、詳しい出題傾向や勉強方法は、「【高卒】国家一般職の基礎能力試験は何から?出題傾向と勉強の優先順位」を参考にしてください。
専門試験
国家一般職(高卒者試験)の専門試験は、志望する職種の専門知識を問う筆記試験です。
配点が基礎能力試験の約2倍と非常に高いのが特徴です。
| 対象区分 | 技術、農業土木、林業 | |
|---|---|---|
| 試験時間 | 100分 | |
| 問題数 | 40問 | |
| レベル | 高校卒業程度 | |
| 解答方法 | 択一式(マークシート) | |
| 出題範囲 | 技術 | 必須問題 20 題 数学・物理・情報 選択問題 20 題 次の選択 A~D(各 20 題)から一つを選択 選択 A(電気・情報系) 電気回路・電子技術・電子回路・電気機器・電力技術・電子計測制御⑩、通信技術・プログラミング技術・ハードウェア技術・ソフトウェア技術・コンピュータシステム技術⑩ 選択 B(機械系) 機械工作⑥~⑧、機械設計⑥~⑧、原動機②、電子機械・生産技術・電気回路③~⑤ 選択 C(土木系) 測量②~③、土木基盤力学④~⑥、土木構造設計⑤~⑥、土木施工③~④、社会基盤工学③~④ 選択 D(建築系) 建築構造⑥、建築構造設計②、建築施工②、建築計画・建築法規⑩ |
| 農業土木 | 農業土木設計⑬、農業土木施工⑩、水循環⑥、測量④、農業と環境・農業と情報⑦ | |
| 林業 | 森林経営⑮、森林科学⑬、測量②、林産物利用・植物バイオテクノロジー⑥、農業と環境・農業と情報④ | |
* 〇内の数字は出題予定数であり、例えば「測量②~③」は測量の出題分野からの出題予定数が 2 ~ 3 題であることを示し、「建築計画・建築法規⑩」は建築計画及び建築法規の出題分野からの出題予定数が 10 題であることを示します。
解答方法は択一式のため、正確な知識をもとに素早く判断する力が求められます。
過去問や問題集を繰り返し解き、出題パターンやひっかけの傾向に慣れておくことが重要です。
適性試験
国家一般職(高卒者試験)の適性試験は、公務員として働くうえで必要な「処理能力」や「作業の正確さ」を確認するための試験です。
知識を問うというより、短時間で正確に作業できるかを見る検査に近い内容となっています。
| 対象区分 | 事務 |
|---|---|
| 試験時間 | 15分 |
| 問題数 | 120問 |
| 出題内容 | 置換・照合・計算・分類 |
問題そのものは難しくありませんが、問題数が多く、スピードと集中力が重要です。
そのため、対策では「難問を解く」というより、実際の形式に慣れて処理速度を上げることがポイントになります。
なお、詳しい内容や対策方法は、「【高卒】国家一般職の適性試験対策!内容や過去問を紹介」を参考にしてください。
作文試験
国家一般職(高卒者試験)の作文試験は、受験者の文章力や考え方、社会問題への関心などを確認するための試験です。
単に文章が上手かを見るのではなく、「課題に対して自分の考えを整理し、論理的に伝えられるか」が重視されています。
| 対象区分 | 事務 |
|---|---|
| 試験時間 | 50分 |
| 文字数 | 600字 |
| 問題数 | 1題 |
限られた時間内で書き切るためには、最初に構成(序論→本論→結論)を固めてから書き始めることが重要です。
時間配分を意識し、少なくとも一度は50分で書き切る練習をしておきましょう。まずは過去テーマで1本書いてみて、自分の型を作ることから始めてください。
なお、過去の出題テーマや評価基準は、「【高卒】国家一般職|作文試験の傾向と過去21年の出題テーマ」を参考にしてください。
二次試験の内容
国家一般職(高卒者試験)の二次試験は、全区分共通で人物試験が課されます。
人物試験(面接)
国家一般職(高卒者試験)の人物試験では、志望動機や自己PRを通じて、国家公務員としての適性を評価します。
筆記試験では分からない「一緒に働ける人物か」という点を見極める目的で実施されます。
| 対象区分 | 全区分共通 |
|---|---|
| 実施形式 | 個人面接 |
| 試験時間 | 20分程度 |
| 面接官 | 3人 |
内容の完成度だけでなく、「自分の言葉で伝えられているか」も重要な評価ポイントです。
志望動機やガクチカは暗記するのではなく、自身の経験やエピソードと結び付けて話せるように準備しておきましょう。想定質問に対して、声に出して答える練習を重ねることで、伝わりやすい表現や話し方が身についていきます。
なお、過去の質問項目や対策方法は、「【高卒】国家一般職の面接試験とは?過去の質問例と面接対策5ステップ」で詳しく解説しています。
国家一般職(高卒者試験)の配点・選考基準
国家一般職(高卒者試験)では、試験種目ごとに配点比率が決まっています。そして、最終的には各試験の標準点を合計して合否が決定されます。
「基準点(足切り)」も設定されているため、1科目でも基準を下回ると不合格になる点に注意が必要です。
配点
各試験種目の配点比率は、試験区分によって異なります。
| 選考 | 試験種目 | 事務 | 技術 | 農業 | 林業 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一次試験 | 基礎能力試験 | 4/9 | 2.3/9 | 2.3/9 | 2.3/9 |
| 適性試験 | 2/9 | ー | ー | ー | |
| 専門試験 | ー | 4.7/9 | 4.7/9 | 4.7/9 | |
| 作文試験 | 1/9 | ー | ー | ー | |
| 二次試験 | 個人面接 | 2/9 | 2/9 | 2/9 | 2/9 |
*「ー」:実施なし
事務区分では「基礎能力試験」の比重が高く、加えて「適性試験」「作文試験」「人物試験」が評価対象となります。
一方、技術系など事務以外の区分では、「専門試験」の配点比率が高いのが特徴です。
基準点
多肢選択式試験(基礎能力試験・専門試験)の基準点は、原則として満点の30%です。また、人物試験では「C評価以上」であることが必要となっています。
国家一般職では「基準点(足切り)」が設定されています。
そのため、1つでも基準点に達しない試験種目がある場合、他の試験の点数が高くても不合格となります。
選考基準(合格者の決定方法)
各試験の選考基準は、以下のとおりです。
| 一次試験 | 事務区分 「基礎能力試験」+「適性試験」 *作文試験は、第1次試験合格者のみ採点されます。 技術、土木農業、林業 「基礎能力試験」+「専門試験(多肢選択式)」 |
|---|---|
| 二次試験 | 第1次試験合格者のうち、全試験種目の標準点を合計して決定されます。 ・その際、人物試験で「A〜C評価」であること ・(事務区分のみ)作文試験で基準点以上であること |
筆記試験だけでなく、作文試験や人物試験も含めて総合的に評価される仕組みとなっています。
得意な試験で高得点を狙うだけでなく、すべての試験で一定水準以上の結果を出せるよう、バランスよく対策を進めることが大切です。
なお、合格ラインは「【高卒】国家一般職の合格最低点(ボーダーライン)を区分別に解説!」で詳しく解説しています。
国家一般職(高卒者試験)に関するFAQ
国家一般職(高卒者試験)の受験生が抱く共通の疑問にお答えしていきます。
Q1 倍率はどれくらい?
A1.国家一般職(高卒者試験)の倍率は2倍台で推移しています。
過去5年間の倍率推移は以下のとおりです。
| 実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 2025 | 6,777 | 3,338 | 2.0 |
| 2024 | 8,353 | 3,132 | 2.7 |
| 2023 | 8,459 | 3,407 | 2.5 |
| 2022 | 9,624 | 3,333 | 2.9 |
| 2021 | 11,545 | 3,118 | 3.7 |
採用予定数の増減や志願者数の変化によって倍率は左右されるため、見かけの数字だけで難易度を判断することはできません。
また、区分や地域によって倍率に差がある点に注意が必要です。技術区分は比較的低倍率で推移する一方で、事務区分は地域によって高倍率になることもあります。
そのため、重要なのは全体の倍率ではなく、自分が受験する区分・地域での倍率がどうなっているかという視点です。まずは自分の志望する区分・地域の倍率を確認するところから始めてみましょう。
なお、区分・地域別の詳細は、「国家一般職(高卒)の倍率は低い?地域別に解説!」でまとめています。
Q2 過去問の入手方法は?
A2.国家一般職(高卒者試験)の過去問は、人事院ホームページ で公開されています。
筆記試験の問題・正答が掲載されているため、まずは実際の問題を解いて出題傾向を確認してみましょう。
特に国家一般職は、「どんな問題が、どの形式で出るのか」に慣れることが重要なので、過去問演習は対策のスタートとして非常に効果的です。
なお、過去問の探し方やおすすめの使い方については、「【高卒】国家一般職の過去問|3年分を無料ダウンロード」で詳しく解説しています。



対策で悩んだら、公式LINEから気軽に質問してください!
国家一般職(高卒者試験)の合格に向けて対策を始めよう
国家一般職(高卒者試験)は、筆記試験だけでなく人物試験まで含めて総合的に評価される採用試験です。
特に基礎能力試験では、15科目以上にわたる膨大な範囲に加えて、作文や面接対策も必要になります。そのため、早めに全体像を把握して準備を進めることが重要です。
とはいえ、最初から完璧を目指す必要はありません。
- 過去問を解いて出題形式に慣れる
- 頻出分野を優先して学習する
- 面接や作文も少しずつ準備する
この3つを意識するだけでも、十分にスタートを切れます。
国家一般職は、「特別な才能が必要な試験」というより、計画的に、継続して対策できた人が合格に近づきやすい試験です。
できることから少しずつ取り組み、合格に向けて着実に準備を進めていきましょう。
国家一般職は「どんな形式で出題されるか」に慣れることが重要です。まずは実際の過去問を解き、問題の傾向や時間配分を把握しましょう。
すべてを完璧に覚えようとするよりも、数的処理や判断推理など頻出分野を優先して学習したほうが効率的です。
国家一般職は筆記試験だけでなく、作文試験や人物試験も含めて評価されます。一次試験後に慌てないよう、早めに準備を始めておきましょう。
