「国税専門官はボーダーラインギリギリでも合格できますか?」
「筆記試験は5割くらいでも大丈夫ですか?」
受験生からよく聞かれる質問です。
結論から言うと、筆記試験のボーダーラインギリギリでも一次試験を通過する可能性はあります。ただし、最終合格まで考えるとギリギリの得点はかなり不利になります。
この記事では、国税専門官試験のボーダーラインの目安や、合格するために必要な得点ラインを解説します。過去のボーダーライン(合格最低点)もまとめているので、参考にしてください。
ボーダーギリギリで合格できるのか
結論から言うと、筆記試験のボーダーラインギリギリでも一次試験を通過する可能性はあります。
ただし、最終合格まで考えるとギリギリの得点はかなり不利になります。
筆記5割でも受かると言われる理由
国税専門官試験で「5割でも受かる」と言われる理由は、一次試験のボーダーラインがそれほど高くないためです。
例えば2025年度の筆記試験では、ボーダーラインは166点でした。
この点数は、得点の組み合わせによっては
- 基礎能力試験:9点(30問中)
- 専門試験:16点(40問中)
あるいは
- 基礎能力試験:11点
- 専門試験:14点
といった得点でも到達できます。
問題数ベースで見ると、おおむね4割前後の正答でも届くラインです。そのため、「5割くらい取れていれば筆記試験は通るのでは?」と言われることがあるのです。
ただし、この話はあくまで一次試験の通過ラインの話です。
最終合格まで考える場合は、もう少し違った見方が必要になります。
ボーダーギリギリだと最終合格は不利
国税専門官試験では、筆記試験だけで合否が決まるわけではありません。
最終合格は
- 筆記試験
- 専門記述試験
- 面接試験(人物試験)
の合計点で判定されます。
2025年度の最終合格点は463点でした。ここで大きく影響してくるのが、面接試験の評価です。
人物試験では評価によって大きな点差が生まれます。
- A評価:214点
- C評価:130点
評価だけで80点以上の差がつくことになります。
もし筆記試験がボーダーラインギリギリの場合、最終合格できるかどうかは面接評価に大きく左右されることになります。
例えば
- 筆記:ボーダー付近
- 面接:C評価
の場合、最終合格ラインに届かない可能性が高くなります。
逆に
- 筆記:ボーダー付近
- 面接:A評価
であれば、合格ラインに届く可能性もあります。
ただし、A評価は全体の数%しか出ない評価とされており、現実的には狙って取れるものではありません。そのため、筆記試験ギリギリでの合格はかなり不安定な状態と言えます。



仮にギリギリ合格できても席次は採用予定数の遥か外。採用漏れになるリスクも高くなりますね。
安全圏は何割?合格者の得点感覚
ここまでを整理すると、
- 「5割でも受かる」というのは
→ 一次試験だけを見れば間違いではない
ただし、最終合格まで含めて考えると、筆記試験がボーダーラインギリギリだとかなり不利になります。
実際の合格者の得点状況を見ると、安定して合格している受験生は
- 筆記試験:6〜7割程度
- 面接試験:B評価以上
といった組み合わせに収まることが多いです。
筆記試験である程度の得点が取れていれば、
- 面接が平均的な評価でも合格ラインに届く
- 最終順位が極端に下位になりにくい
といったメリットがあります。
そのため、「ボーダーライン」という数字だけを見るのではなく、最終合格を見据えて6〜7割程度を目標にするのが現実的な戦略と言えるでしょう。
ボーダーライン(合格最低点)
国税専門官採用試験の合格最低点(ボーダーライン)と標準点を区分別にまとめています。
「これくらい点が取れれば合格できるのか!」という目安にしてください。
国税専門A
- 2025年度から配点比率が変更になりました。
- 2024年度から問題数が変更になりました。
国税専門B
| 実施年度 | 一次試験 | 最終合格 | 標準点 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 137点 | 381点 | 詳細 |
- 2025年度から配点比率が変更になりました。
合格者の決定方法
国税専門官採用試験の合格者は、各試験種目の成績を総合して決定されます。
得点についての考え方
素点ではなく標準点を用いる
筆記試験の得点は、各試験種目の素点(何問正解したか)ではなく、試験種目ごとに平均点、標準偏差を用いて算出した「標準点」として合否を決定します。なお、標準点は小数点以下を切り捨てます。


- X:素点(正解数)、M:平均点、A:標準偏差
例えば、基礎能力試験において、素点(正解数)が24点(問)、平均点が21点、標準偏差が5.5点の場合、標準点は116点になります。


人物試験
人物試験においては、A~Eの5段階で評価し、この評価結果が正規分布するものとみなして、各段階の標準点を算出しています。
合否のみ判定する試験
身体検査は、得点を算出せず、合否の判定のみを行います。
配点比率
標準点を算出する際の各試験種目の配点比率は以下のとおり
| 基礎能力試験 | 専門試験 (選択式) | 専門試験 (記述式) | 人物試験 |
|---|---|---|---|
| $$\frac{2}{10}$$ | $$\frac{3}{10}$$ | $$\frac{2}{10}$$ | $$\frac{3}{10}$$ |
- 2025年度から配点比率が変更になりました。
- 従来は基礎能力試験2/9、専門試験(選択式)3/9、専門試験(記述式)2/9、人物試験2/9
選考別の決定方法
ここでは、選考ごとに合格者の決定方法を解説します。
一次試験
基礎能力試験及び専門試験(多肢選択式)において基準点以上である者について、両試験種目の標準点を合計した得点に基づいて第1次試験合格者を決定します。



「専門試験(記述式)」は、合格者を対象に評定します(一次試験の合否には影響しない)。
二次試験(最終合格)
専門試験(記述式)において基準点以上であり、人物試験においてA~Cの評価であり、かつ、身体検査に合格した者について、各試験種目の標準点を合計した得点に基づいて最終合格者を決定します。
ボーダーラインに関するFAQ
国税専門官採用試験のボーダーラインに関連するFAQをまとめています。
平均点は何点くらいですか?
A.国税専門官採用試験の平均点は、基礎能力試験18点前後、専門試験20点前後で推移しています。
過去3年間の平均点は以下のとおりです。
| 課程 | 年度 | 基礎能力 | 専門試験 (選択式) | 専門試験 (記述式) |
|---|---|---|---|---|
| 国税専門A | 2025年度 | 18.005 | 18.088 | 52.738 |
| 2024年度 | 16.952 | 20.538 | 54.025 | |
| 2023年度 | 21.793 | 19.729 | 53.759 | |
| 国税専門B | 2025年度 | 18.005 | 18.323 | 55.497 |
| 2024年度 | 16.952 | 20.355 | 50.024 | |
| 2023年度 | 21.793 | 19.049 | 51.972 |
足切りはありますか?
A.国税専門官採用試験で足切りはあります。
試験種目ごとに基準点が設定されていて、それを1種目でも下回ると合格点に達していても不合格となります。
試験種目ごとの足切りライン(基準点)は以下のとおりです。
| 基礎能力試験 | 9/30点 |
|---|---|
| 専門試験 (選択式) | 12/40点 |
| 専門試験 (記述式) | 30/100点 |
| 人物試験 | D、E判定(A~Eの5段階評価) |
Q.採用漏れはありますか?
A.国税専門官採用試験では、最終合格しても採用に至らない「採用漏れ」がわずかに発生することがあります。
令和6年度公務員白書によると、2023年度は名簿記載者3274人のうち採用者は945人でした。辞退(無応答を含む)が2266人となっており、計算上は60人程度が採用に至らなかった可能性があります。
ただし、これは辞退者が多いことを前提に合格者数が設定されているためで、採用漏れの割合自体は全体の数%程度にとどまっています。
基本的に成績上位者から採用の声がかかるため、ボーダーギリギリで合格を目指すのではなく、トップ合格できるように準備を進めましょう。
ボーダーラインを踏まえてやるべきこと
国税専門官採用試験のボーダーラインについて整理すると、次のようになります。
- 一次試験(筆記試験)のボーダーラインは、正答率で見ると4〜5割程度でも到達する可能性がある
- ただし、最終合格は筆記・専門記述・面接の総合点で決まる
- 筆記試験がボーダーラインギリギリの場合、面接評価によって合否が大きく左右される
そのため、「ボーダーラインに届けば大丈夫」と考えるのは少し危険です。
実際には、筆記試験で6〜7割程度を確保し、面接でも安定した評価を得ることが、最終合格に近づく現実的なラインと言えるでしょう。
国税専門官試験は、出題範囲が広く、対策を始める時期や勉強方法によって得点差が大きく出る試験でもあります。ボーダーラインを意識することも大切ですが、それ以上に重要なのは合格ラインを安定して超える実力を身につけることです。
これから対策を始める方は、次の記事で具体的な勉強方法や試験対策のポイントを解説しています。合格に向けて、ぜひ参考にしてみてください。
勉強の第1歩は試験を知ること。つまり過去問の分析から入ることが重要です。以下の記事では過去問3年分をまとめているのでピッタリですよ。
