「【2024年受験ガイド】東京都庁三類(高卒)の試験内容と対策」では、試験全体の内容や対策について広く解説しました。
本記事は、その中でも教養試験に特化し、より深く掘り下げて解説します。
教養試験の勉強方法や出題傾向を詳しく知りたい方にとって、合格に向けた準備を万全にすることができるでしょう。
ぜひ最後までお読みいただき、成功への一歩を踏み出してください。
【高卒】東京都職員三類採用試験 教養試験の概要
東京都職員三類採用試験の教養試験は、第一次選考で行われる筆記試験です。
試験時間 | 120分 |
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問題数 | 45問 |
解答数 | 45問 |
難易度 | 高校卒業程度 |
出題形式 | 五肢択一式(マークシート) |
出題範囲 | 数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈、文章理解 一般知識 社会科学、人文科学、自然科学 | 一般知能
受験者の思考力や判断力を測る試験のため、速読・速答が求められれます。
単純計算すると、1問にかけられる時間はわずか2分ほど。マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが必要です。
後述する科目別出題数一覧を参考に戦略を考えましょう。
【高卒】東京都職員三類採用試験 教養試験の科目
東京都職員三類採用試験の教養試験は、思考力・判断力を問う「一般知能科目」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般知識科目」から出題されます。
一般知能 | 数的処理 | 数字や数式を使った計算や論理的な思考力を問う科目。数学的な問題解決能力が求められる。 |
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文章理解 | 300~400字の現代文や英文を読み、趣旨や内容に合致するものを選ぶ科目。読解力や速読力が求められる。 | |
一般知識 | 社会科学 | 中学〜高校で学んだ政治経済や倫理の理解力を測る科目。 |
人文科学 | 中学〜高校で学んだ地理歴史や国語の理解力を測る科目。 | |
自然科学 | 中学〜高校で学んだ理科の学力を測る科目。 |
数的処理
計算力や推理力を問う分野で、次の4科目から構成されます。
数的推理 | 数学的な問題解決力を問う問題。方程式、確率、統計などが含まれます。 |
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判断推理 | 論理的な思考力を問う問題。条件整理、論理パズル、順序問題などが出題されます。 |
空間把握 | 図形の認識力を問う問題。立体図形や平面図形の問題が含まれます。 |
資料解釈 | データの読み取りや分析力を問う問題。グラフや表を使った問題が出題されます。 |
初めて見る科目ばかりだと思いますが、要は小・中学校で習った算数・数学のような科目です。
数学的要素が強いため、苦手とする受験者は多いです。しかし、出題数が一番多い分野なので苦手のままだと詰みます。
苦手意識が強い人は、簡単な参考書で解法パターンを把握することから始めましょう。基礎をしっかり固めることで、徐々に応用問題にも対応できるようになります。
文章理解
日本語と英語で書かれた300字〜400字程度の文章を読み解く力を測る分野で、以下の科目から構成されます。
現代文 | 日本語の現代文を読み解く問題。 |
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英文 | 英語の文章を読み解く問題。 |
問題は、大きく「趣旨・内容把握」「文章整序」「空欄補充」の3タイプに分けられます。
文章の段落構成や論理の流れを把握したりして正解を出します。
時間をかければ正解できる問題は多いです。しかし、解くのに時間がかかるので、時間配分に気をつけてください。
社会科学
高校までの基礎学力(社会科目の知識力)を測る分野で、以下の4科目で構成されます。
政治 | 憲法や選挙制度、日本国内外の政治に関する問題。 |
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経済 | 経済理論や政策、消費者に関する問題。 |
社会 | 社会構造や社会時事に関する問題。 |
倫理 | 倫理学や道徳、哲学に関する問題。 |
憲法や選挙制度、日本国内外の政治経済、そして社会時事(話題になっている近年の社会問題)などです。
日頃から新聞やニュースなどで取り上げられる政治、経済、社会問題にアンテナを張っておけば、解ける問題も多くなります。
日常的に情報収集を心掛けましょう。
人文科学
高校までの基礎学力(歴史や語学の知識力)を測る分野で、以下の科目で構成されています。
日本史 | 日本の歴史に関する問題。 |
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世界史 | 世界の歴史に関する問題。 |
地理 | 地理的な知識や地形に関する問題。 |
国語 | 日本語の文法、漢字、文学作品に関する問題。 |
科目から想像できるように、The 暗記科目です。1科目あたりの出題範囲が膨大なので、ポイントを絞りつつ要点を整理して覚えることが大切。
出題数の多い国語は確実に正解できるようにしましょう。読解力や文法の基本をしっかりと身につけることが重要です。
他の科目は高校での選択科目を中心に勉強し、自分の得意な分野を活かして得点を稼ぎましょう。
自然科学
高校までの基礎学力(理科の知識力)を測る分野で、以下の科目で構成されています。
物理 | 物理学の基本概念や原理に関する問題。 |
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化学 | 化学反応や物質の構造に関する問題。 |
生物 | 生物学の基礎知識や生命現象に関する問題。 |
地学 | 地球科学や天文学に関する問題。 |
理系科目がメインなので、捨て科目にする人は多いです。しかし、化学や生物、地学は暗記するだけでも点が取れる問題もあります。
これらの科目を完全に捨てるのではなく、暗記で対応できる部分だけでも点数を稼ぐことが重要です。
全部の科目を捨てて点数を下げるよりは、得意な分野や暗記で対処できる分野を活用して、少しでも得点を取るようにしましょう。
このように、幅広い科目の知識が問われるため、多岐にわたる学習が必要となります。
【高卒】東京都職員三類採用試験 教養試験の過去問
東京都職員三類採用試験の過去問題は東京都人事委員会の公式ホームページで公開されています。
東京都職員採用のホームページにアクセスし、「試験問題例」のセクションを探してください。そこから、過去問題をダウンロードすることができます。
本サイトでも、こちらの「【高卒】東京都庁三類採用試験の過去問と効果的な活用方法」で3年分を掲載しています。
過去問だけでなく、過去問の活用方法も詳しく解説しているので、併せて確認してみてください。
【高卒】東京都職員三類採用試験 教養試験の出題傾向
教養試験の出題数を科目別に紹介します。
どの科目から勉強するのか優先順位を決めましょう。
数的推理 | 8 |
---|---|
判断推理 | 2 |
空間把握 | 5 |
資料解釈 | 5 |
現代文 | 4 |
英文 | 4 |
政治 | 2 |
経済 | 2 |
社会 | 2 |
日本史 | 2 |
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世界史 | 2 |
地理 | 2 |
国語 | 1 |
物理 | 1 |
化学 | 1 |
生物 | 1 |
地学 | 1 |
- 令和5年度の情報
- 上記の科目別出題数は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
【高卒】東京都職員三類採用試験 教養試験の勉強方法
教養試験の勉強は、次の手順に沿って行います。
ステップ1:効果的な学習計画を立てる
教養試験の勉強を始める前に、まずは具体的な学習計画を立てることが大切です。
試験日までの期間を逆算し、毎日の学習時間や学習内容をスケジュールに組み込みましょう。
例:週の学習スケジュール
- 月曜日〜金曜日:毎日1〜2時間、一般知能科目と苦手科目を交互に学習
- 土曜日:月〜金の復習と得意科目を解く
- 日曜日:予備日(休日)月〜土でできなかったことがあれば行う
定期的に休憩を取り、リフレッシュしましょう。
ステップ2:参考書や問題集を揃える
効率的な勉強には、質の高い参考書や問題集を使用することが重要です。
東京都職員三類採用試験の対策で、おすすめの参考書と問題集は次のとおり。
おすすめの参考書・問題集
オープンセサミシリーズ
公務員予備校東京アカデミーが監修している”初心者〜中級者向け“の参考書です。情報量が豊富でこれ1冊を覚えるだけでかなりの点数が取れます。
しかし、無駄な情報もそれなりに含まれているので出題傾向に沿って、必要な部分に絞って使うことがポイントです。
畑中敦子シリーズ
理系科目が苦手な人は取り組む価値のある参考書です。数的推理や判断推理、資料解釈について最もスタンダードな問題からやや応用レベルの問題まで、段階的にマスターできるように構成しております。
数学が不得意な方でも、解法パターンやテクニックを覚えることで、得意分野にすることは十分可能がコンセプト。
初めは解説を読んで解法をマスターし、それから自力で解けるようになるまで、繰り返し、手を動かして問題を解いてみてください!
公務員試験 合格の350シリーズ
公務員試験の過去問数年分を集約した問題集です。年別ではなく、科目別に編成されているため、勉強しやすい特徴があります。
試験種目は違いますが、問題レベル(内容)は同じなので、普通に使えます!
解説も丁寧なので、正文化しながら読み進め、必要箇所の知識を覚えたら、オープンセサミで肉付けしていくと効率よく勉強できるでしょう。
ステップ3:出題傾向を理解する
効率的な勉強をするためには、試験の出題傾向を理解しましょう。
そうしないと、どの科目から手をつければいいか判断できないからです。
過去の出題傾向
上記で紹介した出題数一覧を見ればわかりますが、全科目から均等に出るわけではありません。
まずは、出題数が多く、理解に時間がかかる数的推理や判断推理から勉強を始めることが重要です。
その他の科目は、あなたの学力や得手不得手で優先順位を決めましょう!
ステップ4:出題頻度の高い分野から覚える
過去問題の分析結果をもとに、出題頻度の高い分野から優先的に勉強しましょう。
これにより、効率よく点数を稼ぐことができます。
優先的に勉強する分野
たとえば、判断推理の出題範囲は次のようになっています。
- 各数字は科目ごとの出題数です。
- 上記は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。
どれだけ対応関係を勉強しても、出ないので時間の無駄ですよね。一方で、集合は100%出ているので率先して勉強する意味があります。
まずは、出題頻度の高い地球環境から重点的に覚えるのが効果的です。出題頻度の低い分野の勉強に時間を割く必要はありません。
頻出度の高い分野をしっかりと抑えた後、その他の分野を補完的に学習することで、全体的な理解を深め、試験に万全の態勢で臨むことができます。
過去の出題範囲は、下記の記事でも詳しく解説しています。
ステップ5:模擬試験で総復習する
模擬試験を活用することで、総合的な実力を確認しましょう。
本番と同じ形式で模擬試験を受けることで、試験の流れや時間配分を体験できます。
模擬試験の活用方法
模擬試験は、実際の試験と同じ条件(時間、形式)で行いましょう。
静かな場所で、試験時間内に問題を解くことで、本番の雰囲気を体感できます。
模擬試験を通じて、どの問題にどれだけの時間をかけるかを練習します。
特に一般知能分野に時間をかけすぎないように注意し、全体のバランスを意識しましょう。
模擬試験の結果を自己採点し、間違えた問題や時間が足りなかった問題を分析します。
「なぜ間違えたのか」、「どの知識があれば正解できたのか」などの原因を把握し、必ず復習することが重要です。
【高卒】東京都職員三類採用試験 教養試験に関するFAQ
東京都職員三類採用試験の教養試験対策に関する、よくある質問(FAQ)を紹介します。
難易度
勉強時間
ボーダーライン
【高卒】東京都職員三類採用試験 教養試験まとめ
今回は、東京都職員三類採用試験の教養試験の概要や勉強方法を解説しました。
教養試験は、高校までにきちんと勉強してきた人からすればそれほど難しいわけではありません。
それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目・範囲が膨大だからです。
教養試験を効率よく勉強するには、出題範囲の理解(=過去問分析)がとても重要になります。
闇雲に無駄な勉強をするのではなく、過去の出題傾向を軸に勉強しましょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
過去の出題範囲は、下記の記事でも詳しく解説しています。
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