【勉強法】東京消防庁採用試験 教養試験の出題傾向と対策

東京消防庁の教養試験対策

【2024年版】東京消防庁採用試験の難易度は?試験内容を徹底解説』では、試験全体の内容や対策について広く解説しました。

本記事は、その中でも教養試験に特化し、出題傾向を深く掘り下げて解説します。

教養試験を効率よく勉強したい方にとって、合格に向けた準備を万全にすることができるでしょう。

ぜひ最後までお読みいただき、成功への一歩を踏み出してください。

目次

東京消防庁採用試験 教養試験の出題傾向

東京消防庁の教養試験対策(出題傾向)

教養試験を効率よく勉強するには、以下2つの出題傾向を理解することが重要です。

科目別の出題数一覧

教養試験の科目数は多いですが、全科目から均等して出題されるわけではありません

たとえば過去問を3年分みると、数的推理は平均して5問出ていますが、経済などは1問しか出題されていないことがわかります。

東京消防庁一類(第1回) 教養試験の科目別出題数一覧
実施年202120222023
数的推理555
判断推理445
空間把握223
資料解釈555
現代文555
英文334
政治333
経済111
社会333
日本史111
世界史111
地理111
国語223
物理221
化学221
生物221
数学332

配点の高い科目から集中して勉強することで、短期間で得点を伸ばすことができます。また、重要な科目で高得点を取ることで、全体の合格ラインを上げることができます。

主要科目(出題数の多い科目)にある程度の自信がついたら、次に他の科目の勉強を本格的に進めるのが効果的な方法です。

まずはこの表をもとに、どう7割(31/45問)を取るのかシュミレートしてみましょう。

分野別の出題頻度

効率的な勉強をするためには、科目ごとの出題頻度(=よく出る分野)を理解しましょう。

そうしないと、どこから手をつければいいか判断できないからです。

たとえば、数的推理は次の4分野15項目から構成されています。

東京消防庁の出題分野
警察官・消防官 新スーパー過去問ゼミ(数的推理)

このうち、もっとも出題率の高い分野は「第3章 場合の数・確率」です。とくに「12 確率」は、過去10年で9回出ており、今後も出題される可能性が高いと言えます。

東京消防庁一類 教養試験の出題範囲一覧(数的推理)
東京消防庁一類 教養試験の出題範囲一覧(数的推理)
  • 第1回の出題数内訳です。
  • 上記の科目別出題数は僕自身の解釈であり、公式発表されたものではありません。

こんな感じにどの科目も出題範囲は膨大ですが、全分野から出ているわけではありません

まずは、出題頻度の高い分野から重点的に覚えるのが効果的です。出題頻度の低い分野の勉強に時間を割く必要はありません。

頻出度の高い分野をしっかりと抑えた後、その他の分野を補完的に学習することで、全体的な理解を深め、試験に万全の態勢で臨むことができます。

過去の出題範囲は、下記の記事でも詳しく解説しています。

東京消防庁採用試験 教養試験の概要

東京消防庁の教養試験対策(概要)

教養試験は、消防官(社会人)として必要な基礎学力や一般教養がどれくらい備わっているかを測る筆記試験です。

東京消防庁消防官採用試験一類 教養試験の概要(2023年度)
試験時間120分
問題数45問
レベル大学卒業程度
出題形式正誤問題、空欄補充
解答方法択一式(マークシート)
出題範囲一般知能
数的推理、判断推理、空間把握、資料解釈、文章理解

一般知識
社会・人文、自然科学

受験者の思考力や判断力を測る試験のため、速読・速答が求められます。

単純計算すると、1問にかけられる時間はわずか2分強。マークシートへの記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが必要です。

実際に、時間が足りずに問題を解ききれない人は少なくありません

本番での時間配分を考えながら事前に過去問題集で練習しておくなど、十分な対策を取りましょう。

東京消防庁採用試験 教養試験の出題科目

東京消防庁の教養試験対策(出題科目)

思考力・判断力(計算力や読解力)を問う「一般知能科目」と、高校までに習った基礎学力を測る「一般知識科目」から出題されます。

東京消防庁採用試験 教養試験の出題科目(一類・三類共通)
一般知能数的推理方程式や図形の計算など、思考力や計算力を測る科目
判断推理文章や条件から確実に言える肢を探し出す科目。クイズのような問題が多い。
空間把握平面、立体図形に関する科目。空間認識力や図形の理解が問われる。
資料解釈グラフや表を読み取り正しい肢を選ぶ科目。正確な計算力や処理能力が問われる。
文章理解300~400字の現代文や英文を読み、趣旨や内容に合致するものを選ぶ科目。読解力や速読力が求められる。
一般知識社会科学中学〜高校で学んだ政治経済や時事の理解力を測る科目。
人文科学中学〜高校で学んだ地理歴史や国語の理解力を測る科目。
自然科学中学〜高校で学んだ数学、理科の理解力を測る科目。

数的処理

計算力や推理力を問う分野で、次の4科目から構成されます。

数的処理の出題範囲
数的推理数学的な問題解決力を問う問題。方程式、確率、統計などが含まれます。
判断推理論理的な思考力を問う問題。条件整理、論理パズル、順序問題などが出題されます。
空間把握図形の認識力を問う問題。立体図形や平面図形の問題が含まれます。
資料解釈データの読み取りや分析力を問う問題。グラフや表を使った問題が出題されます。

初めて見る科目ばかりだと思いますが、要は小・中学校で習った算数・数学のような科目です。

数学的要素が強いため、苦手とする受験者は多いです。しかし、出題数が一番多い分野なので苦手のままだと詰みます。

苦手意識が強い人は、簡単な参考書で解法パターンを把握することから始めましょう。基礎をしっかり固めることで、徐々に応用問題にも対応できるようになります。

文章理解

日本語と英語で書かれた300字〜400字程度の文章を読み解く力を測る分野で、以下の2科目から構成されます。

文章理解の出題範囲
現代文日本語の現代文を読み解く問題。
英文英語の文章を読み解く問題。

問題は、大きく「趣旨・内容把握」「文章整序」「空欄補充」の3タイプに分けられます。

文章の段落構成や論理の流れを把握したりして正解を出します。

時間をかければ正解できる問題は多いです。しかし、解くのに時間がかかるので、時間配分に気をつけてください。

社会科学

高校までの基礎学力(社会科目の知識力)を測る分野で、以下の3科目で構成されます。

社会科学の出題範囲
政治憲法や選挙制度、日本国内外の政治に関する問題。
経済経済理論や政策、消費者に関する問題。
社会社会構造や社会時事に関する問題。

憲法や選挙制度、日本国内外の政治経済、そして社会時事(話題になっている近年の社会問題)などです。

日頃から新聞やニュースなどで取り上げられる政治、経済、社会問題にアンテナを張っておけば、解ける問題も多くなります。

日常的に情報収集を心掛けましょう。

人文科学

高校までの基礎学力(歴史や語学の知識力)を測る分野で、以下の5科目で構成されています。

人文科学の出題範囲
日本史日本の歴史に関する問題。
世界史世界の歴史に関する問題。
地理地理的な知識や地形に関する問題。
国語日本語の文法、漢字、文学作品に関する問題。
英語英語の文法、語彙、読解に関する問題。

科目から想像できるように、The 暗記科目です。

1科目あたりの出題範囲が膨大なので、ポイントを絞りつつ要点を整理して覚えることが大切。

出題数の多い国語は確実に正解できるようにしましょう。読解力や文法の基本をしっかりと身につけることが重要です。

他の科目は高校での選択科目を中心に勉強し、自分の得意な分野を活かして得点を稼ぎましょう。

自然科学

高校までの基礎学力(数学や理科の知識力)を測る分野で、以下の4科目で構成されています。

自然科学の出題範囲
数学数学的な計算力や問題解決能力を問う問題。
物理物理学の基本概念や原理に関する問題。
化学化学反応や物質の構造に関する問題。
生物生物学の基礎知識や生命現象に関する問題。

理系科目がメインなので、捨て科目にする人は多いです。しかし、化学や生物、地学は暗記するだけでも点が取れる問題もあります。

これらの科目を完全に捨てるのではなく、暗記で対応できる部分だけでも点数を稼ぐことが重要です。

全部の科目を捨てて点数を下げるよりは、得意な分野や暗記で対処できる分野を活用して、少しでも得点を取るようにしましょう。

このように、幅広い科目・分野から出題されるのが特徴的です。

どの科目から手をつけるのか、どの分野は捨てていいのかなど、出題傾向(範囲)を理解し、効率よく勉強しましょう。

東京消防庁採用試験 教養試験に関するFAQ

東京消防庁の教養試験対策(FAQ)

東京消防庁採用試験の教養試験対策に関する、よくある質問(FAQ)を紹介します。

参考書

東京消防庁一類の対策でおすすめの参考書や問題集は?

スーパー過去問ゼミ(通称:スー過去)」や「畑中敦子シリーズ(通称:ワニ本)」がおすすめです!

畑中敦子シリーズ

理系科目が苦手な人は取り組む価値のある参考書です。数的推理や判断推理、資料解釈について最もスタンダードな問題からやや応用レベルの問題まで、段階的にマスターできるように構成しております。

数学が不得意な方でも、解法パターンやテクニックを覚えることで、得意分野にすることは十分可能がコンセプト。

初めは解説を読んで解法をマスターし、それから自力で解けるようになるまで、繰り返し、手を動かして問題を解いてみてください!

著:津田 秀樹, 監修:畑中 敦子
¥1,760 (2024/07/10 20:49時点 | Amazon調べ)

スーパー過去問ゼミ(スー過去)

公務員試験を受験する人なら誰でも知っているくらい有名な問題集です。僕も使っていました!

良問が多く、問題と解答が見開きになっている構成なので、とにかく勉強しやすいです。

畑中敦子シリーズで解き方を学んだら、あとは時間がある限りスー過去を回せばOK。

速攻の時事

最新年度の時事がまとまったテキストです。

時事系の問題6問出てくるため対策は必須。このテキストは社会・人文・自然科学ごとに時事テーマがまとまっているので、勉強しやすいです。

東京消防庁三類(高卒)の対策でおすすめの参考書や問題集は?

オープンセサミシリーズ(通称:セサミ)」や「畑中敦子シリーズ(通称:ワニ本)」がおすすめです!

オープンセサミシリーズ

公務員予備校東京アカデミーが監修している”初心者〜中級者向け“の参考書です。情報量が豊富でこれ1冊を覚えるだけでかなりの点数が取れます。

しかし、無駄な情報もそれなりに含まれているので出題傾向に沿って、必要な部分に絞って使うことがポイントです。

編集:東京アカデミー
¥1,760 (2023/07/22 08:47時点 | Amazon調べ)

畑中敦子シリーズ

理系科目が苦手な人は取り組む価値のある参考書です。数的推理や判断推理、資料解釈について最もスタンダードな問題からやや応用レベルの問題まで、段階的にマスターできるように構成しております。

数学が不得意な方でも、解法パターンやテクニックを覚えることで、得意分野にすることは十分可能がコンセプト。

初めは解説を読んで解法をマスターし、それから自力で解けるようになるまで、繰り返し、手を動かして問題を解いてみてください!

公務員試験 合格の350シリーズ

公務員試験の過去問数年分を集約した問題集です。年別ではなく、科目別に編成されているため、勉強しやすい特徴があります。

試験種目は違いますが、問題レベル(内容)は同じなので、普通に使えます!

解説も丁寧なので、正文化しながら読み進め、必要箇所の知識を覚えたら、オープンセサミで肉付けしていくと効率よく勉強できるでしょう。

過去問

東京消防庁の過去問はどこで入手できますか?

東京消防庁の過去問題は、東京消防庁採用サイト(公式ホームページ)で公開されています。

東京消防庁採用のホームページにアクセスし、「試験問題例」のセクションを探してください。そこから、過去問題をダウンロードすることができます。

本サイトでも、下記記事でまとめています。過去問だけでなく、過去問の活用方法も詳しく解説しているので、併せて確認してみてください。

勉強時間

東京消防庁合格には、どれくらいの勉強時間が必要ですか?

教養試験の勉強時間は400時間〜500時間ほど必要です。

合格に必要な勉強時間は個人の基礎学力や理解度によって異なりますが、毎日1〜2時間の学習を3ヶ月から6ヶ月続けることで達成できます。

計画的に学習時間を確保し、過去問題や模擬試験を活用して実力をつけていくことが重要です。

ボーダーライン

東京消防庁のボーダーラインは何点くらいですか?

ボーダーラインは非公開です。

採用数や問題レベルによっても変動するため確かなことは言えませんが、合格者の情報提供や他サイトのデータから6割程度だと推測できます。

意外と論文試験の点数が重要視されるため、教養試験は安定して6割取れるようにしておきましょう。

東京消防庁採用試験 教養試験の勉強法まとめ

東京消防庁の教養試験対策(勉強法)

教養試験は、高校までにきちんと勉強してきた人からすればそれほど難しいわけではありません。それなのに多くの受験者が悩んでいるのは、試験科目・範囲が膨大だからです。

教養試験を効率よく勉強するには、出題範囲の理解(=過去問分析)がとても重要です。必要な科目・分野に沿って勉強すれば、これまでよりずっとラクに合格点を超えるようになると僕は考えます。

過去の出題範囲は、下記の記事でも詳しく解説しています。

闇雲に無駄な勉強をするのではなく、過去の出題傾向を軸に勉強しましょう。

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

試験の内容や対策についてさらに詳しい情報が必要な場合は、こちらの『【2024年版】東京消防庁採用試験の難易度は?試験内容を徹底解説』を参考にしてください。

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