【2026年受験対策】財務専門官採用試験は難しい?難易度を徹底解説

財務専門官採用試験の対策ロードマップ

財務専門官採用試験って、どのくらい難しいの?」

財務専門官を目指す方なら、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。

結論から言うと、財務専門官採用試験は難しいです。

本記事では、なぜこの試験が「難しい」のか、その理由を漠然としたイメージではなく公式データに基づいて徹底解説。さらに、合格するために必要な対策までをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

目次

そもそも財務専門官とは?試験概要を確認

財務専門官は、財務局は、財務省の総合出先機関として、また、金融庁からの事務委任を受け、財政や金融に関する施策を実施しています。財務専門官は、財務局において、財政、金融等のプロフェッショナルとして、国有財産の有効活用、財政投融資資金の供給、予算執行調査といった財政に関する業務や、地域金融機関の検査・監督、証券取引等の監視、企業内容等の開示といった金融に関する業務に従事します。このほか、地域経済情勢の調査・分析、財務省・金融庁の施策の広報といった業務にも従事します。このような業務を行っていく上で、財務専門官には、職務に必要な専門知識の習得に努めるとともに、現場に足を運んで地域の実情及びニーズを的確に把握し、地域への貢献を通じて、住民の信頼に応えることが求められています。

https://www.mof.go.jp/

これから財務専門官採用試験の合格に向けて準備を始めるわけですが、何から手をつければいいか迷うかもしれません。

まずは敵を知ることから始めましょう。

ここでは、現時点で最新の「2025年度(令和7年実施)採用」の受験案内をもとに、財務専門官採用試験の全体像を分かりやすく解説していきます。

募集区分・採用人数

2025年度は「約150名」の採用を予定します。

採用数は年度によって変動します。必ず採用年度の実施要綱で確認してください。

受験資格

「そもそも自分は受験できるのかな?」

最初に確認すべき大切なポイントですね。財務専門官採用試験では、主に以下の要件を満たす必要があります。

1995(平成7)年4月2日~2004(平成 16)年4月1日生まれの者

江本

学歴要件はないので、該当すれば高卒者でも受験可能です!

試験日程(選考スケジュール)

試験対策は、スケジュール管理が命です。2025年度採用試験の大きな流れを把握し、いつまでに何をすべきか計画を立てましょう。

受付期間2025年2月20日(木)〜3月24日(月)
第一次試験2025年5月25日(日)
第一次試験
合格発表
2025年6月17日(火)
第二次試験2025年7月1日(火)〜7月4日(金)
最終合格発表2025年8月12日(火)
2025年度採用試験の場合

この流れを見ると、出願から一次試験まで約2ヶ月、一次試験から二次試験までも約1ヶ月と、意外と時間がないことが分かります。

江本

国税専門官や労働基準監督官なども同じ日に試験を行っています!

試験科目(内容)

財務専門官採用試験は、第1次選考と第2次選考の2段階選抜方式です。

まず第1次選考で受験者を採用予定の2〜2.5倍まで絞り込み、その後、通過者を対象に第2次選考を行って採用候補者を決定します。

▼第1次試験の科目(内容)

試験科目問題数等主な内容
基礎能力試験30問・110分公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験
専門試験
(多肢選択式)
40問・140分財務専門官として必要な専門的知識などについての筆記試験
専門試験
(記述式)
1問・80分財務専門官として必要な専門的知識などについて論じる筆記試験
2025年度採用試験の場合

▼第2次試験の科目(内容)

試験科目主な内容
人物試験人柄、対人的能力などについての個別面接
2025年度採用試験の場合
江本

総合評価なので、筆記と面接をバランスよく対策することが大事です!

財務専門官採用試験が難しい3つの理由

財務専門官採用試験が難しい理由は次の3つです。

  • 合格しても採用される保証がないから
  • 経済・法律系の「重厚な」専門試験
  • 高い平均点が示す「受験者層のレベルの高さ」

1つずつ解説していきます。

理由1:合格しても採用される保証がないから

まず、財務専門官試験の全体倍率を見てみましょう。

年度申込者数合格者数倍率
20251,8635693.3倍

申込者に対する最終合格者の倍率は3.3倍。この数字だけを見ると、「他の国家専門職より少し低いかな?」と感じるかもしれません。

しかし、ここが財務専門官試験の最大のポイントであり、難しさの理由です。

人事院が発表する「最終合格」は、実は「内定(採用)」ではありません。これはあくまで、各地域の財務局が実施する採用面接に進むための権利を得たに過ぎないのです。

本当の選考は、この最終合格者569人の中から、採用予定者数である200人弱まで絞り込む、合格後の「採用面接(職場訪問)」です。

つまり、多大な時間と労力をかけて筆記試験と人物試験を突破しても、最終合格者のうち約2/3は採用されないという厳しい現実が待っています。

この「合格しても内定が保証されない」という点が、財務専門官になることの本当の難しさなのです。

理由2:経済・法律系の「重厚な」専門試験

次に、試験の難易度を押し上げているのが、その専門科目のボリュームと要求レベルの高さです。

財務専門官採用試験の一次試験は、大きく分けて2種類あります。

  • 基礎能力試験(教養):公務員として必要な判断力や数的処理能力、時事問題などの知識。
  • 専門試験:職務に必要な専門知識。

問題は、この専門試験の範囲が非常に広いことです。「憲法・行政法」「経済学・財政学・経済事情」が必須28題と大部分を占め、さらに選択科目も法律系・経済系の科目から選ぶ必要があります。

付け焼き刃の知識では歯が立たない重厚な科目が中心となっており、大学でこれらの分野を専門的に学んできた受験生と戦うには、長期間にわたる計画的な学習が不可欠です。

理由3:高い平均点が示す「受験者層のレベルの高さ」

最後に、試験の難易度を客観的に示すのが基礎能力試験(教養試験)の平均点です。

職種基礎能力試験 平均点
財務専門官19.081点
国税専門官18.005点
法務省専門職員15.467点
2025年度平均より

このデータを見てください。財務専門官の平均点は、他の国家専門職が解く“全く同じ試験”であるにもかかわらず、突出して高いことが分かります。

これは「財務専門官の受験者層は、筆記試験の得点能力が非常に高い」ということを意味します。

レベルの高い受験者が集まる中で、彼らと同じ土俵で戦い、合格ラインを突破する必要があるのです。平均点が高いからといって「簡単な試験」なのではなく、「ハイレベルな競争が繰り広げられる試験」であることの証明と言えるでしょう。

財務専門官採用試験に合格するためのポイント

ここまで見てきたように、財務専門官採用試験は難関試験です。

では、この高い壁を乗り越え、合格を勝ち取るためには、具体的に何が必要なのでしょうか。ここからは、合格者に共通する3つの重要なポイントを解説します。

1.経済・法律系科目の完全マスター

配点の半分以上を占める専門科目を避けて合格はありえません。

特に必須科目の「経済学」「財政学」「憲法」「行政法」は、他の受験生も徹底的に対策してきます。

ここで苦手を作らないことが合格の絶対条件です。

2. 平均点を乗り越える「基礎の徹底」

理由3」で見たように、財務専門官の基礎能力試験は平均点が高く、多くの受験者が苦戦します。しかし、これは裏を返せば、ここで安定して得点できれば、他の受験者と大きな差をつけられるということです。

奇抜な問題や難問を解く力よりも、「数的処理」「文章理解」といった誰もが対策する分野で、確実に正解を積み重ねる基礎力が何よりも重要になります。

平均点が高いからといって恐れる必要はありません。毎日少しずつでも問題に触れ、苦手分野を潰していく地道な努力が、一次試験突破の大きな力となります。

▼基礎能力試験の傾向や勉強方法は以下の記事で解説しています。

3.「なぜ財務専門官か」を突き詰める面接・官庁訪問対策

前述の通り、本当の勝負は最終合格後です。

筆記対策と並行して、

  • 「なぜ国税専門官や金融庁ではなく、財務専門官なのか」
  • 「財務専門官として何を成し遂げたいのか」

を深く掘り下げておく必要があります。

自己分析はもちろん、各財務局の説明会に参加し、職員の方と話す機会を設けるなど、早期から情報収集と準備を進めましょう。

財務専門官採用試験の難易度まとめ

今回は、財務専門官の難易度について、3つの客観的なデータをもとに解説しました。

  • 理由1:合格しても採用される保証がないから 全体の倍率は3.3倍と低めに見えますが、それは最終合格までの数値。合格者の中からさらに採用者が絞られるため、本当の競争は合格後に待っています。
  • 理由2:経済・法律系の「重厚な」専門試験 配点の大部分を占める専門試験は、経済学や法律系の高度な知識が問われます。付け焼き刃では通用しない、計画的で深い学習が必要です。
  • 理由3:高い平均点が示す「受験者層のレベルの高さ」 教養試験の平均点が他省庁より突出して高い事実は、「ハイレベルな受験生たちとの高得点勝負」を意味します。これが試験の難易度を一層引き上げています。

これらの理由から、財務専門官はデータ上の倍率以上に厳しい、「質の高い競争」を勝ち抜く覚悟が求められる試験です。

合格のためには、専門科目を完璧に仕上げることはもちろん、レベルの高いライバルに負けない高得点を目指し、さらには「なぜ財務官なのか」を突き詰める早期の面接対策が欠かせません。

本気で目指す覚悟が決まったなら、あとは正しい戦略で努力を続けるだけです。頑張っていきましょう!

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