- 「税務職員になりたいけど、科目が多すぎて何からやればいいかわからない」
- 「とりあえず全科目、教科書の最初から勉強しよう」
もしそう考えているなら、今すぐストップしてください。 そのやり方では、試験本番までに間に合いません。
実は、合格している人ほど「勉強していない科目」がたくさんあります。 全範囲を網羅するのではなく、「出る場所」だけに時間を使い、「出ない場所」は徹底的に捨てているからです。
では、何から手をつければいいのか?
答えはシンプル。
まずは「数的推理(+判断推理)」一択です。 国語や社会などの暗記科目は後回しで構いません。
もう「何を勉強しよう?」と迷う時間は終わりです。
最短ルートで合格を勝ち取りましょう。
▼基礎能力試験の概要や試験の全体像は以下の記事でまとめています。

【税務職員】基礎能力試験の勉強は数的推理と判断推理から
税務職員の基礎能力試験は、努力量ではなく科目選択で勝負が決まります。
どれだけ真面目に勉強しても、点数にならない科目に時間をかけていれば、合否には結びつきません。
では、なぜ数的・判断推理から勉強をするのか。
具体的に3つの理由を解説します。
配点が全体の約2割を占める
試験科目は平等ではありません。
基礎能力試験(全40問)の内訳を見てください。
| 科目 | 2025 | 2024 | 2023 |
|---|---|---|---|
| 数的推理 | 4 | 4 | 4 |
| 判断推理 | 5 | 5 | 5 |
| 空間把握 | 2 | 2 | 2 |
| 資料解釈 | 2 | 2 | 2 |
| 文章理解 | 7 | 7 | 7 |
| ┗現代文 | 4 | 4 | 4 |
| ┗英文 | 2 | 2 | 2 |
| ┗古・漢文 | 1 | 1 | 1 |
| 社会科学 | 6 | 6 | 6 |
| ┗政治 | 2 | 2 | 2 |
| ┗経済 | 2 | 2 | 2 |
| ┗社会 | 1 | 1 | 1 |
| ┗倫理 | 1 | 1 | 1 |
| 人文科学 | 8 | 8 | 9 |
| ┗日本史 | 1 | 1 | 1 |
| ┗世界史 | 2 | 2 | 2 |
| ┗地理 | 1 | 1 | 2 |
| ┗国語 | 2 | 2 | 2 |
| ┗英語 | 2 | 2 | 2 |
| 自然科学 | 5 | 5 | 5 |
| ┗数学 | 1 | 1 | 1 |
| ┗物理 | 1 | 1 | 1 |
| ┗化学 | 1 | 1 | 1 |
| ┗生物 | 1 | 1 | 1 |
| ┗地学 | 1 | 1 | 1 |
| 情報 | 1 | 1 | 0 |
数的推理や判断推理は毎年大量に出題されます。一方、暗記科目は教科書1冊分の範囲を勉強しても、たった1問しか出ないこともあります。
配点の低い科目を優先するのは、合格から最も遠ざかる選択です。
直前期の「詰め込み」が通用しない
日本史や政治などの暗記科目は、用語さえ覚えれば、それがそのまま点数になります。
しかし、数的・判断推理は「パターンを覚える」ことがゴールではありません。それはスタートラインです。
この「型(パターン)を覚えてから、使いこなせるようになるまでの練習期間」が、数的・判断推理には必要になります。
だからこそ、直前期の詰め込みでは間に合いません。余裕のある今から、少しずつ「解く練習」を重ねる必要があるのです。
勉強した分だけ伸びる科目
「時間がかかるなら後回しにしたい…」
そう思うかもしれませんが、逆です。
暗記科目は「覚えた場所が出るかどうかの運ゲー」になりがちです。
しかし、数的推理は違います。一度パターンを定着させれば、数字や設定が変わっても対応できます。
つまり、時間はかかりますが「勉強した時間がそのまま点数になり、裏切られない唯一の科目」なのです。
江本合格者は必ずここを得点源にしています。まずは焦らず、数的推理の基礎固めからスタートしましょう!
【税務職員】基礎能力試験の正しい勉強順(優先順位)
「数的推理や判断推理が大事なのはわかった。じゃあ、それ以外の科目は何をやればいいの?」
そんな疑問を持つ方のために、基礎能力試験で勉強すべき科目の優先順位をS〜Cランクで整理しました。
科目別優先度ランク
時間が限られている以上、すべての科目を完璧に対策するのは不可能です。Cランクは思い切って捨てる。この割り切りが、合格への近道になりますよ。
- Sランク(最優先)
-
数的推理、判断推理
→毎日3~5問をコツコツ解く。絶対に捨ててはいけない得点源。
- Aランク(合格必須)
-
文章理解(現代文)、社会科学(政治・経済)、人文科学(国語)
- Bランク(ここまではやっておきたい)
-
資料解釈、社会科学(思想)、人文科学(地理)、自然科学(生物、地学)
- Cランク(捨てる選択もあり)
-
人文科学(世界史 or 日本史)、自然科学(数学、物理、化学)
※この優先順位は感覚で決めているわけではありません。実際の基礎能力試験では、科目ごとの出題数に大きな差があります。
出ないところは勉強しない
真面目な人ほど「Cランクの物理や化学もやらなきゃ…」と思いがちですが、これは危険です。
たった1問しか出ない難しい物理の計算問題に10時間かけるなら、その10時間を「毎年必ず出る数的推理」や「社会科学」に使ってください。
その方が、確実に点数は上がります。
「出ないところは勉強しない」
これが科目・範囲が膨大な基礎能力試験の合格メソッドです。
とはいえ、「具体的にどこが出るの?」「どこを捨てていいの?」と不安になりますよね。
そんな方のために、過去10年分の試験データを徹底分析し、「科目別・分野別の出題傾向」をまとめたデータを作成しました。
「自分で分析する時間がない」「無駄な勉強をしたくない」という人は、ぜひ活用してください。
▼科目別・分野別の出題範囲データはこちら!


【税務職員】基礎能力試験の勉強で捨て科目を作るべき理由
ここまで読んで、こう不安になった人も多いはずです。
「数的や判断が大事なのはわかった。でも、他を捨てて本当に大丈夫なの?」と。
結論から言います。
この優先順位(戦略)で、合格点には十分届きます。
精神論ではなく、数字でシミュレーションしてみましょう。
そもそも満点を取る試験ではない
大前提として、税務職員の基礎能力試験は40問すべてを解ける必要はありません。
年度や受験者層によって多少変動しますが、合格ライン(ボーダー)はおおむね6割前後(24点)と考えてOKです。
つまり、40点満点のテストではなく、「40問中16問は間違えてもいいテスト」なのです。
S・Aランクだけで半分以上は取れる
では、先ほど紹介した「Sランク・Aランク」の科目だけに集中した場合、どれくらいの点数になるでしょうか。
例年の出題数で計算してみます。
【勉強する科目(S・Aランク)】
- 数的推理・判断推理:9問
- 文章理解(現代文):4問
- 社会科学(政治・経済):4問
- 人文科学(国語):2問
合計:約19問
全体の約5割(19/40問)が、この重要科目だけで構成されています。
もちろん、これらを全問正解するのは難しいでしょう。しかし、しっかり対策して「正答率70%」取れればどうなるでしょうか。
19問 × 0.7 = 約13〜14点
これだけで、合格ライン(24点)の半分以上を確保できます。
残りはBランクと運で埋まる
あと必要な点数は10点程度です。
ここは、Bランク科目(資料解釈や人文科学の頻出分野)で補います。
- 資料解釈:2問中1問取る(+1点)
- 人文・自然(暗記):頻出分野だけ覚えて数問取る(+3点)
これで合計17〜18点です。合格まであと6点。
残りはどうするか? 実は、まだ10問以上「手をつけていない問題(Cランクなど)」が残っています。
5択のマークシートなので、まったく分からなくても適当に塗れば確率的に2割は当たります。さらに、直前に詰め込んだ知識がたまたまヒットすることもあるでしょう。
そう考えれば、「合格ラインの24点」は決して無理な数字ではありません。
最初から全部やる必要はない
もしあなたが不安になって、Cランクの科目(難しい物理や、範囲の広い世界史など)まで最初から手を出したらどうなるでしょうか。
時間が足りなくなり、本来得点源になるはずの「数的推理」や「社会科学」の対策がおろそかになります。
結果、どっちつかずの点数になり不合格……というのが一番多い失敗パターンです。
そうならないために、勇気を持って「順番」を守ってください。
- Sランクを「落とさない」レベルまで仕上げる
- Aランクで安定して点数を稼ぐ
- Bランクは余力で拾う(Cは捨てる)
この戦略こそが、合格への最短ルートです。
【税務職員】基礎能力試験の対策で使うべき参考書
「参考書は何を買えばいいですか?」
これは、基礎能力試験対策で一番多い質問です。
結論から言います。最初に買う参考書は、1冊だけで十分です。
数的推理・判断推理(Sランク科目)を攻略するために選ぶべき参考書は、次のどちらか1冊だけ。



迷ったら「畑中」、自走できるなら「オープンセサミ」
数学が苦手・数的推理が初めての人向け
- 「数的推理がまったく分からない」
- 「中学・高校の数学でつまずいた」
このタイプの人は、迷わず畑中敦子シリーズを選んでください。
解法パターンを暗記するのではなく、考え方そのものを身につける構成なので、超初心者でも挫折しにくいのが特徴です。
数学が苦手な人ほど、最初の1冊はこれでOKです。



僕もこの参考書に何度も救われました!
- まずは解説を読みながら1周。
- 次に解法を思い出しながら2周目。
- 最終的に何も見ずに解ける状態を目指してください。
情報量重視で対策したい人向け
- 「ある程度は自分で取捨選択できる」
- 「頻出分野を見極めながら進めたい」
このタイプの人は、基礎能力試験の出題範囲を広くカバーしているオープンセサミシリーズが向いています。
ただし、情報量が多いため、全部やろうとすると失敗します。この記事で紹介した優先順位に沿って、必要な部分だけ使うのが正解です。
※「どの分野を重点的にやるべきか」は、 以下の科目別・分野別の出題範囲一覧(note)で詳しく解説しています。


【税務職員】基礎能力試験の学習スケジュール
「今は、どこまでやればいいの?」
ここが分からないと、不安になって暗記科目に手を出してしまいます。そこで、合格者の多くがたどっている王道スケジュールを紹介します。
〜12月:数的推理・判断推理(Sランク)に全集中
この時期にやることは、数的推理・判断推理だけです。
- 毎日少しずつ問題を解く
- 解法パターンを定着させる
- 「見た瞬間に方針が立つ」状態を作る
暗記科目は一切やらなくて構いません。ここで土台を作れるかどうかが、合否を分けます。
1月〜3月:文章理解・社会科学(Aランク)を追加
数的・判断が安定してきたら、Aランク科目を追加します。
- 文章理解(現代文・英文)
- 社会科学(政治・経済)
社会科学は、難しい計算や思考力は不要で、覚えた分だけそのまま点になる科目です。
時間対効果が高く、基礎能力試験ではおいしい科目と言えます。
4月〜7月:資料解釈やBランク科目で調整
4月以降は、S・Aランク科目の対策を進めつつ、Bランク科目まで対策できれば、基礎能力試験の合格点は十分に狙えます。
基礎能力試験は、すべての科目で高得点を取る試験ではありません。出題数が多く、配点効率の高い科目を確実に取ることが、合格への最短ルートです。
Cランク科目は出題数が少ないため、時間に余裕がある人のみ取り組めば問題ありません。
最初からすべての科目を完璧にしようとする必要はないので、安心してください。
直前期(夏休み)の正しい過ごし方
税務職員採用試験は9月に実施されるため、直前期は夏休み(7月下旬〜8月)にあたります。
この時期にやるべきことは、新しい科目に手を広げることではありません。
- S・Aランク科目の解き直し・総復習
- 過去問演習で時間配分に慣れる
- 余力があればBランク科目を補強する
直前期に点数が伸びるかどうかは、「どれだけ新しいことをやったか」ではなく、「どれだけ解ける問題を増やせたか」で決まります。
夏休みは、これまで勉強してきたS・Aランクを「確実に取れる得点源」に仕上げる期間です。
もしこの段階で、
- S・Aランクの仕上がりに不安がある
- どこまでやれば「十分」なのか判断できない
- 今の勉強がズレていないか確認したい
と感じるなら、基礎能力試験の出題範囲と優先順位をまとめた攻略noteを活用しても構いません。 このnoteには、勉強戦略を無料で相談できる特典も付けています。
一人で迷い続けるより、「このままでいいか」を一度確認したい人向けのものです。


【税務職員】基礎能力試験は「効率よく対策」がポイント
税務職員採用試験の基礎能力試験は、「全部を完璧にする人」が合格する試験ではありません。
毎年よく出る分野で確実に点を取り、出題数の少ない分野は最初から追わない。この「取捨選択」ができた人から、合格点に近づいていきます。
- Sランク(数的・判断):まずはここを得点源にする
- Aランク(文章・社会):ここで点数を積み上げる
- B・Cランク:「出題数」を見てやるか決める
とはいえ、「どの分野が本当によく出るのか」「どこまでやれば十分なのか」を自分で調べるのは、正直かなり大変です。
そこで、過去10年分の基礎能力試験を分析し、科目別・分野別に「出る/ほぼ出ない」を整理した一覧データをまとめました。
「無駄な勉強をしたくない」「最短距離で合格点に届きたい」という方は、ぜひ手にとって参考にしてください。迷っている時間を、今日から「点数が伸びる勉強」に変えましょう。




