海上保安大学校の「面接カード」の書き方について解説します。
海上保安官になりたいという熱い想いはあるのに、「面接カードの書き方が分からず、ペンが止まってしまう」という受験生も多いはず。
それもそのはず!
面接カードには、評価されるための「戦略」や「書き方の型」が必要です。ただ一生懸命に自分の想いを書いただけでは、面接官に響くカードは作れないのです。
本記事では、大きく以下の3点について解説します。
- 面接カードを書く前に必要な「基本と目的」
- 幹部候補生として評価される「書き方のコツ」
- 知っておくべき「注意点とFAQ」
この記事に書かれていることを実践すれば、合格レベルの面接カードを書けるようになりますよ!
▼海上保安大学校の面接対策は、以下の記事で解説しています。
【海上保安大学校】面接カードの概要
面接カードは、あなたの人柄と能力を伝える「面接の資料」です。
第2次選考の面接試験では、この面接カードに沿って質問されるため、時間をかけて作成しなければなりません。
項目は基本情報と経歴・経験
面接カードで問われるのは、あなたの人間性や経験、そして将来性に関する項目です。
具体的には、以下の内容について記述を求められます。
- 基本情報
- 最終学歴
- 職歴
- 人物・経験に関する項目
- 受験の動機
- 印象に残っている体験
- 関心事項
- 趣味、特技など
- 好きな学科・得意な分野
- 自己PR(自分の長所について)

これらの質問を通じて、面接官はあなたが幹部候補生としてふさわしい人物かを見極めようとします。
第2次試験日に提出する
面接カードは、第1次試験の合格発表後に、人事院のHPからダウンロードします。
事前に全ての項目を記入した上で、人物試験(第2次試験)の当日に、会場で3部を提出します。郵送などによる事前提出は不要です。
当日に手渡しするため、忘れないようにしましょう!
【海上保安大学校】面接カードの書き方(項目別)
ここでは、海上保安大学校の面接カードの書き方を項目別に解説します。
受験の動機(志望動機)
「なぜ海上保安官になりたいのか?」に答える最重要項目です。
- 「なぜ警察官や消防官ではなく、海上保安官なのか」
- 「なぜ現場のスペシャリストではなく、大学校で幹部を目指すのか」
これら2点の明確な回答が求められます。
NG回答例
→ 一見、熱意が伝わる素晴らしい文章に見えます。しかし、この動機だと面接官は「それなら現場の海上保安官(一般の採用試験)を目指す方が合っているのでは?」と思います。
海上保安大学校は、将来の「指揮官(幹部)」を育成する場所です。
人命救助への憧れだけでなく、組織全体を動かす視点や、領海警備・国際情勢といった、より広い視野を持っているかどうかが問われことを理解しましょう。
模範回答例
印象に残っている体験
あなたの「人となり」を見る項目です。
特に、集団の中で困難にどう立ち向かい、どう解決したかという「リーダーシップ」や「協調性」の素養を評価します。
NG回答例
→ これも一見、美しく聞こえます。しかし、「仲間を鼓舞した」という部分が抽象的です。
「具体的に何をして、チームのどんな課題を解決したのか」が見えてきません。
幹部には、精神論だけでなく、現状を分析し、具体的な行動を起こしてチームを良い方向に導く力が求められます。
模範回答例
関心事項
あなたが普段から社会のどんな出来事にアンテナを張っているかを見る項目です。
ここで海上保安業務に直結するニュースに触れることができれば、あなたの志望度の高さを強力にアピールできます。
NG回答例
→ テーマ自体は悪くありません。しかし、「大きな問題だと思う」という感想で終わっており、当事者意識が感じられません。
また、なぜその問題が「海上保安官を目指すあなた」にとって重要なのかが伝わってきません。
模範回答例
趣味、特技など
あなたの意外な一面や、継続していることなどを知るための項目です。
体力や精神力、協調性などをさりげなくアピールするチャンスです。
NG回答例
→ 嘘を書く必要はありませんが、あまりに受け身な趣味や、アピールに繋がらない特技では、貴重な自己PRの機会を失ってしまいます。
面接官も質問を広げにくく、会話が弾まない原因になります。
模範回答例
好きな学科・得意な分野
あなたの知的好奇心の方向性や、論理的な思考力があるかを見る項目です。
「なぜそれが好きなのか」そして「それをどう活かせるか」まで繋げて考えましょう。
NG回答例
→ 「好き」というだけで終わってしまっています。
その科目を学ぶ中で、どんな能力が身につき、それが将来の仕事にどう繋がるのかという視点がなければ、単なる好みでしかありません。
模範回答例
自己PR(自分の長所について)
自分の「一番の強み」が、海上保安官、特に幹部としていかに役立つかを、具体的なエピソードを添えて証明する項目です。
NG回答例
→ 「真面目」は、公務員として「当たり前」の資質であり、他の受験生との差別化ができません。
また、「課題を期限内に提出する」というのも、学生としては当然のことであり、強みとしてアピールするには弱いのです。
模範回答例
・「自己PR・志望動機はこれでいいんだろうか…?」
・「何を書けばいいか相談したい…」
このように悩んでいる方は、ぜひ下記の記事もご覧ください。簡単に解決できますよ!
【海上保安大学校】面接カードに関するFAQ
ここでは、多くの受験生が抱く、面接カードに関する細かな疑問にお答えします。
Q1. 手書きとパソコン、どちらで作成すべきですか?
大切なのは、読みやすさと丁寧さです。
- パソコン作成のメリット:文字が綺麗で読みやすく、修正が簡単です。
- 手書き作成のメリット:文字からあなたの人柄や丁寧さが伝わる可能性があります。
どちらを選ぶにせよ、読み手の立場に立って作成することが重要です。
手書きの場合は、必ず黒のボールペンを使用し、下書きをしてから清書しましょう。
Q2. 部活動などで、キャプテンや部長といったリーダー経験がありません。どうすればいいですか?
面接官が見ているのは、役職ではなく「集団の中であなたがどのように考え、行動したか」です。
例えば、以下のような経験でも、立派なリーダーシップや協調性のアピールになります。
- チームの雰囲気を良くするために、率先して声出しをした。
- 意見が対立している友人たちの間に入り、双方の意見を調整した。
- 文化祭の準備で、誰もやりたがらない作業を自ら引き受けた。
重要なのは、「チームのために、主体的に起こした行動」です。
役職がなくても、あなたの行動でチームが良い方向に進んだ経験を思い出してみてください。
Q3. 各項目、どのくらいの文字数を書けばいいですか?
- 文字数が少なすぎる場合:空欄が多いと、意欲が低い、あるいは考えることを放棄したと見なされる可能性があります。
- 文字数が多すぎる場合:枠内にぎっしりと書き込むと、読みづらく、要点をまとめる能力が低いという印象を与えかねません。
伝えたいことを一度全て書き出した後、最も重要な部分を要約して、枠内にバランス良く収める練習をしましょう。
簡潔に、かつ具体的に記述する能力も評価されています。
Q4. 書き終えたら、誰かに見せた方がいいですか?
特に、学校の先生(進路指導の先生や、国語の先生が最適です)や、ご両親など、信頼できる大人に確認してもらうことを強く推奨します。
自分では完璧だと思っていても、以下のような点が見つかることがよくあります。
- 誤字、脱字
- 分かりにくい表現や、主語と述語のねじれ
- 独りよがりで、意図が伝わりにくい内容
客観的な意見をもらうことで、あなたの考えがより深く、より正確に伝わる、質の高い面接カードに仕上がります。
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まとめ|海上保安大学校の面接カードは重要!
今回は、海上保安大学校学生採用試験の面接カードについて解説しました。
- 面接カードは「幹部としての最初の試験」と心得る。
- 全ての項目で「指揮官としての視点」を持ち、資質をアピールする。
- 具体的なエピソードで、あなたの言葉に説得力を持たせる。
面接カードは、あなたという人間を面接官に伝えるための、強力なプレゼン資料です。時間をかけて自己分析を行い、あなた自身の言葉で、丁寧に書き上げてください。
この記事で解説したポイントを一つひとつ実践すれば、あなたの魅力が最大限に伝わる、合格レベルの面接カードが必ず完成します。
完璧な準備で、自信を持って面接に臨みましょう。
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▼面接の個別コーチングは以下の記事をご覧ください。
▼その他、海上保安大学校の試験内容は以下の記事でまとめています。

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