国家一般職(高卒程度)の最終合格を勝ち取るためには、筆記試験だけでなく、人物試験(面接)の対策が極めて重要です。
しかし、面接は筆記試験と違って「何から手をつければ良いか分からない」と悩む受験生が非常に多いのも事実です。
本記事では、国家一般職(高卒)の面接について、試験の概要から頻出質問、具体的な対策手順までを網羅的に解説します。
この記事を読んで正しい手順で準備を進め、自信を持って本番に臨みましょう。
国家一般職(高卒)面接試験の概要
まずは、面接試験がどのようなルールで行われるのか、全体像を正確に把握することがスタートです。
試験時間・配点比率
試験時間 | 15分 |
---|---|
面接官 | 3人 |
面接カード | あり |
配点比率 | 2/9 |
評価段階 | A〜Eの5段階評価 |
配点比率は全体の約22%ですが、その数字以上に重要です。
筆記試験でどれだけ高得点を取っていても、面接評価がDまたはE評価の場合は「足切り」となり、その時点で不合格が確定します。
評価項目と見られるポイント
面接官は、以下の4つの観点からあなたの人柄やポテンシャルを評価します。
項目 | 観点 |
---|---|
協調性 | ・他者の意見や考えを理解しようとするか,独りよがりなところはないか ・他人を思いやろうとするか,自己中心的なところはないか ・集団の中にうまく溶け込めるか,孤立しがちなところはないか |
積極性 | ・率先してことに当たろうとするか,周りに頼ろうとするところはないか ・必要な自己主張ができるか,優柔不断なところはないか ・熱意や意欲を持ってものごとに取り組むか,気力が乏しいところはないか |
表現力 | ・質問に対する応答は的確か,的外れなところはないか ・話している内容に一貫性があるか,矛盾しているところはないか ・話し方がわかりやすく簡潔か,要領を得ないところはないか |
態度 | ・まじめに応答しているか,質問をはぐらかすところはないか ・動作はきちんとしているか,だらしのないところはないか ・落ち着いており安定感があるか,動揺しやすいところはないか |
これらの項目を通じて、面接官は「国民のために働く公務員として、信頼できる人物か」を見ています。
【最重要】すべての対策は面接カードから始まる
面接対策というと、いきなり質問への回答練習を始める人がいますが、それは間違いです。
すべての面接対策の土台となるのが「面接カード」の作成が極めて重要です。
面接は面接カードに沿って行われる
当日の面接は、あなたが提出した面接カードの内容に基づいて進められます。
面接官はカードの記述を読み、「この経験について、もう少し詳しく教えてください」「なぜ、そう考えたのですか?」といった形で質問を深掘りしてきます。
つまり、面接カードは「面接の台本」そのものです。
この台本の質が低ければ、面接であなたのアピールは十分にできません。逆に、戦略的に練られた面接カードは、あなたが最も話したい経験や強みへ面接官を誘導する最高のツールになります。
まずは面接カードの書き方をマスターしよう
したがって、面接対策の第一歩は、この面接カードを完璧に仕上げることです。
自己PRや志望動機、印象に残っている体験など、各項目の意図を理解し、あなたの人柄が伝わる具体的なエピソードを盛り込む必要があります。
面接カードの具体的な書き方や項目別の例文については、以下の記事で徹底的に解説しています。まずはこの記事を熟読し、あなただけの面接カードを完成させましょう。
国家一般職(高卒)面接の頻出質問例
面接で実際にどのようなことが聞かれるのか、過去の質問例を把握しておきましょう。
ここでは、特に頻出の質問をテーマ別に分類して紹介します。
① 自己紹介・動機に関する質問
あなたの基本的な人柄や、公務員としての熱意を確認する質問です。
- 緊張していますか?
- 志望動機を教えてください。
- なぜ地方公務員ではなく、国家公務員なのですか?
- 大学に進学せず公務員を志望する理由は何ですか?
- 自己PRを1分程度でお願いします。
- あなたの長所と短所を教えてください。
② 経験・価値観に関する質問
あなたの過去の行動から、強みや人柄、価値観を深掘りする質問です。
- 学生時代に最も力を入れたことは何ですか?
- その経験から何を学びましたか?
- 困難を乗り越えた経験はありますか?
- 周りからはどのような人だと言われますか?
- 最近気になったニュースは何ですか?
③ 公務員・仕事理解に関する質問
公務員の仕事内容や役割について、正しく理解しているかを確認する質問です。
- 国家公務員として、どのように貢献したいですか?
- 民間企業と公務員の違いは何だと思いますか?
- 希望する官庁はありますか?それはなぜですか?
- 公務員に必要なことは何だと思いますか?
▼その他の質問項目や模範回答例は以下の記事でまとめています。あわせて確認してください。
合格を掴むための面接対策5ステップ
ここからは、面接本番で高評価を得るための具体的な対策手順を5つのステップで解説します。
STEP1:自己分析と回答の骨子作成
まずは、これまでの自分の経験を棚卸しする「自己分析」から始めます。
部活動、学校行事、アルバイトなど、どんな些細な経験でも構いません。 その経験の中で「なぜそうしたのか」「何を考えたのか」「結果どうなったのか」を深掘りし、あなたの強みや価値観、志望動機に繋がるエピソードを発掘しましょう。

このSTEP1が、先ほど解説した「面接カードを作成する」作業と直結します。自己分析をしっかり行うことが、質の高い面接カードと面接回答の両方を生み出します。
STEP2:頻出質問への回答を準備する
STEP1で見つけ出したエピソードを基に、頻出質問への回答を作成していきます。
この時、すべての回答を丸暗記しようとするのはNGです。キーワードや話の要点だけをまとめ、自分の言葉で話せるように準備しましょう。
STEP3:PREP法で論理的に話す練習
面接官に伝わる話し方のフレームワークとして「PREP法」を意識しましょう。
- Point(結論): 「私の強みは〇〇です」
- Reason(理由): 「なぜなら、〇〇という経験があるからです」
- Example(具体例): 「具体的には、部活動で△△という課題に対し…」
- Point(結論): 「このように、私の〇〇という強みを仕事で活かしたいです」
この順番で話すだけで、驚くほど話が分かりやすく、論理的になります。
STEP4:第三者に話を聞いてもらう
回答がある程度固まったら、必ず先生や家族、友人など第三者に聞いてもらいましょう。
自分では完璧だと思っていても、他人から見ると「話が分かりにくい」「表情が硬い」といった改善点が見つかるものです。客観的なフィードバックをもらい、修正を重ねましょう。
▼自己PRや志望動機に不安のある方は以下の記事も参考にしてください!具体的なアドバイスを行っています。
STEP5:模擬面接で実践経験を積む
最後の仕上げは、本番さながらの「模擬面接」です。
学校の先生や予備校などが実施する模擬面接に、最低でも1回は参加してください。本番の緊張感に慣れ、時間配分の感覚を掴み、想定外の質問への対応力を養うことができます。
まとめ:早期準備で自信を持って面接に臨もう
今回は、国家一般職(高卒)の面接対策について、網羅的に解説しました。
■ 面接対策の重要ポイント
- 概要を理解する: 配点や評価基準を知り、D評価以下は即不合格という厳しさを認識する。
- 面接カードが最優先: 全ての対策は、自己分析を反映させた質の高い面接カード作りから始める。
- 正しい手順で準備する: 5つのステップに沿って、論理的に、かつ実践的に対策を進める。
面接対策は、やることが多く、一朝一夕では身につきません。筆記試験の勉強と並行して、できるだけ早い段階から準備を始めることが、最終合格への道を拓きます。
この記事が、あなたの合格への一助となれば幸いです。
▼国家一般職(高卒)の概要や対策方法は以下の記事で解説しています。
▼自己PRや志望動機に不安のある方は以下の記事も参考にしてください!具体的なアドバイスを行っています。
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