国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)の第二次選考では、面接試験が行われます。
本記事では、国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)の面接に関する試験情報を網羅的にまとめています。
早いうちに面接試験を理解し、攻略できるように準備を始めましょう。
【高卒】国家一般職 面接試験の概要
国家一般職(高卒程度)の面接試験は、第二次選考で行われます。
面接試験では、あなたの長所や強み、公務員を志望する理由などを基に、国家公務員として適しているかを評価・判断します。
試験時間・配点
試験時間 | 15分 |
---|---|
面接官 | 3人 |
面接カード | あり |
配点比率 | 2/9 |
配点比率は全体の20%程度ですが、どれだけ筆記試験で高得点が取れても面接で評価をもらえないと最終合格できません。
評価基準
面接は以下の観点にそって、面接官それぞれがA~E(1~5)で評価をつけます。
項目 | 観点 |
---|---|
協調性 | ・他者の意見や考えを理解しようとするか,独りよがりなところはないか ・他人を思いやろうとするか,自己中心的なところはないか ・集団の中にうまく溶け込めるか,孤立しがちなところはないか |
積極性 | ・率先してことに当たろうとするか,周りに頼ろうとするところはないか ・必要な自己主張ができるか,優柔不断なところはないか ・熱意や意欲を持ってものごとに取り組むか,気力が乏しいところはないか |
表現力 | ・質問に対する応答は的確か,的外れなところはないか ・話している内容に一貫性があるか,矛盾しているところはないか ・話し方がわかりやすく簡潔か,要領を得ないところはないか |
態度 | ・まじめに応答しているか,質問をはぐらかすところはないか ・動作はきちんとしているか,だらしのないところはないか ・落ち着いており安定感があるか,動揺しやすいところはないか |
最終的に面接官全員の評価を突き合わせて総合評価を決定。
面接評価がD、E評価は足切りとなり即不合格なので注意しましょう。
面接試験は筆記試験と違い、どのような対策をすれば良いのかが分かりにくく、努力がそのまま結果に繋がらない不透明な試験です。
自己分析をしたり、志望動機を考えたり、想像の何倍もやることが多い試験なので試験日の2~3ヶ月前くらいから徐々に準備を始めましょう。
【高卒】国家一般職 面接カードの重要性
面接カードとは、面接で使用される資料のことです。
氏名や学歴などの基本情報にくわえ、志望動機や自己PRなど、面接官が「受験者はどんな人物なのか?」を見極めるための役割があります。
面接カードのダウンロード
面接カードは、一次試験の合格発表後に人事院のHPからダウンロードします。
そして提出は二次試験(面接)日なので、忘れず汚さずに持っていきましょう。
二次試験まで10日くらいしかないので、早めに考えておくことが大事!
面接カードの内容
内容は毎年おなじです。合格発表後から面接まで10日くらいしかありません。
面接の練習は面接カードがないとできないので、はやめに考えておくことが重要です。
下記記事では面接カードの添削・アドバイスを行なっています。一人で考えるのが苦手な方は活用してください。
【高卒】国家一般職 面接試験の過去問(質問例)
国家一般職(高卒程度)の面接試験の過去問をまとめています。
過去に国家一般職を受験してきた方々から集めた、質問内容を抜粋してまとめているので参考にしてください。
- 事務、技術、農業土木、林業共通です。
- よく眠ることができましたか?
- 朝食はしっかりと摂りましたか?
- 緊張されていますか?
- 緊張度合いを数字で表すと、どのくらいですか?
- 志望動機を述べてください。
- なぜ国家公務員を志望したのですか?
- 大学に進学せずに公務員を志望する理由は何ですか?
- いつ頃から公務員を目指し始めましたか?
- 民間企業と公務員の違いを述べてください。
- 国家公務員ではなく地方公務員でも良いのではないでしょうか?
- 学校生活と職場の違いは何ですか?
- 公務員としてどのように働いていきたいですか?
- 官庁訪問はしましたか?感想を述べてください。
- 研修のスケジュールを述べてください。
- 学校生活で力を入れたことは何ですか?
- 文化祭では何をしましたか?
- 学校でどのような立場でしたか?
- 学校でどのような人だと思われていましたか?
- 自己PRについて具体的なエピソードを述べてください。
- 自己PRは仕事で活かせるでしょうか?
- 自分の性格で仕事に活かせそうなところはありますか?
- 長所と短所を述べてください。
- 長所について具体的なエピソードを述べてください。
- 国家公務員のイメージを述べてください。
- 国家公務員と話した経験はありますか?また、どのような話を聞きましたか?
- 家族や友人からどのように思われていますか?
- 友人は何人ですか?また、その中で親友は何人ですか?
- 友人とどこで何をして遊びますか?
- 自分から友人に話しかけることが多いですか?
- 最近気になるニュースは何ですか?
- 他の自治体を受けることは考えませんでしたか?
- 第一志望はどこですか?
その他の質問項目は下記の記事でまとめています。
【高卒】国家一般職 面接試験の対策方法
国家一般職(高卒程度)の面接対策を始めるときの手順を解説します。
自己PR・志望動機を作り込む
- 自己PR:自分自身のこと(強み、長所短所、趣味特技)など
- 志望動機:公務員を目指す理由など
面接では、この2つを派生させた質問が問われます。逆に言うと、この2つをしっかり作り込んでおけば面接対策の80%は完成です。
それだけ重要なので、時間をかけて作り込みましょう。
定番の質問内容を把握する
面接試験で問われる定番質問を把握しましょう。
なぜなら、筆記試験のように面接試験にも傾向があるからです。
- 基本的な質問事項が多いのか
- 時事的な質問は聞かれるのか
- 専門的な(公務員の業務に特化した)質問はあるのか
このような傾向を把握しておけば、面接の準備を効率よく進めることができます。
たとえば、「自己PRをしてください」や「志望動機は何ですか?」のような一般的な質問が多ければ、書店に売っている参考書を読み込んで対策できます。
一方で、「大学に進学せずに、国家公務員を志望する理由は?」や「公務員の不祥事についてどう思いますか?」といった専門的、時事的な質問が多ければどうでしょうか?
このような公務員に関連した質問や時事的な質問が多ければ、仕事内容や組織、社会情勢についても深く知っておく必要がありますよね。
無駄な時間を過ごさないためにも、よく出る定番質問に目を通し、傾向を押さえておきましょう。
模範回答を練る
定番質問をもとに回答を作成しましょう。
回答を作るときのポイントは、結論+理由(根拠)+具体例(体験談)のセットで考えること。
たとえば、「自分の強みは何ですか?」と聞かれた場合、どう答えますか?
- 「協調性がある」
- 「問題解決能力が高い」
- 「コミュニケーション能力に優れている」
このような回答は、比較的簡単に思い浮かぶでしょう。
しかし、「なぜそれが強みなのですか?」や「具体的にどのような場面でその強みを発揮しましたか?」といった理由や経験について問われた場合、どう答えますか?
もし、事前に何も考えていなければ、すぐに答えるのは難しいかもしれません。
しかし、面接官が最も知りたいのは、この「理由や経験」の部分なのです。
自分の回答に対して論理的に答えられなければ、評価は上がりません。そのため、時間をかけて自己分析を行い、自分自身をしっかりと理解しておくことが必要です。
人に話す練習をする
ある程度、話す内容を考えたら第三者に聞いてもらいましょう。
自分で考えていることを分かりやすく伝えるのは難しいからです。
僕自身、毎年多くの自己PRや志望動機を見たり、聞いたりしますが、初っ端から理解できる内容はほとんどありません。せっかく面接カードに良い内容を書いているのに、自分の言葉で伝えられずに損している人を多く見てきました。
面接は、あなたの発言内容を聞いて第三者である面接官が客観的に評価します。なので、どんなにいいことを発言しても伝わらなければ意味がないのです。
恥ずかしがらずに自分の言葉でスラスラ喋れるまで練習してください。
模擬面接は最低1回受ける
最後は、模擬面接を受けて実践力を鍛えましょう。
- 本番特有の緊張感
- 回答に困る深掘りポイント
- 客観的な評価
このように1人で面接練習をしていては気が付かない部分がたくさん発見できるからです。
練習相手は友達や家族でもいいですが、できるだけ経験者(予備校やその道のプロ)にもみてもらってください。
【高卒】国家一般職 面接試験まとめ
面接対策を始める時期は早ければ早いほど良いと覚えておいてください。
というのも、二次試験の倍率が上昇しているため、筆記試験よりも面接試験の重要度が増しているからです。
なので、筆記試験の合格発表後に、少し面接練習をしたくらいでは高評価をもらうことができません。
面接対策には次の手順に沿って行動することがポイント。
早い段階から定番質問や回答を作り、自分の考えをわかりやすく話す(伝える)練習を繰り返すようにしましょう。
面接対策は筆記試験よりもやることが多く、上達するまでかなり時間が必要です。できるだけ早めに手をつけて攻略していきましょう!
今回ご紹介させていただいたのはほんの一例ですが、ぜひ取り入れていただければ幸いです。
【2025年受験ガイド】国家一般職(高卒)の試験内容と対策』を参考にしてください。
試験の内容や対策についてさらに詳しい情報が必要な場合は、こちらの『過去の質問項目や面接カード添削は下記の記事で紹介しています。
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