【2025年受験対策】東京消防庁採用試験の難易度と試験内容

東京消防庁の消防官になりたい人が最初にぶちあたる壁、東京消防庁消防官採用試験。

試験対策を始めるうえで、難易度（難しいのか簡単なのか）が気になる人は多いです。

そこで今回は、東京消防庁消防官採用試験の難易度（難しさ）を徹底解説します。

最初に結論を言うと、東京消防庁消防官採用試験の難易度は高くないです。でも、合格するのは簡単ではありません。

「これから東京消防庁の消防官を目指したい」「受験勉強を始めたばっかり」という高校生や大学生、社会人の方は参考にしてください。

東京消防庁消防官採用試験の難易度

結論から言えば、東京消防庁採用試験の難易度は高くないです。

しかし、最終合格するのは・・・・・・・・簡単ではありません。

これを詳しく解説します。

倍率は高め

東京消防庁消防官採用試験の倍率は、他市の消防官採用試験と比べて高い傾向にあります。

2024年に実施された令和6年度東京消防庁採用試験の最終倍率は一類（第1回）5.6倍、一類（第2回）11.2倍、三類（高卒）6.6倍でした。

消防官採用試験の平均倍率は3～4倍なので、比べると東京消防庁の倍率はやや高いことがわかります。

とはいえ、この数値の中には本気で合格を目指して対策する人が少ないことや予定の採用人数よりも多くの合格者を出すことを考えると、倍率＝難易度と直接的に言えない点には注意が必要です。

試験問題は中学から高校1年レベル

対策するのに多くの時間が必要な筆記試験のレベルは、中学校や高校で勉強してきた内容です。

たとえば、次はメイン科目の一つである数的推理の問題。

「一次方程式（流水算）」という単元で、中学校1~2年で学習する内容です。なんとなく覚えているのではないでしょうか。

時間をかければ解ける問題は多いので、大学入試や各種資格試験に比べると難易度は低いです。

ボーダーラインは6割程度

ボーダーラインがそこまで高くない点も難易度の低さを証明しています。

たとえば、東京消防庁の最終合格者の報告では、6割前後の点数で最終合格できており、しっかり準備しておけば容易に到達できる水準です。

試験によっては高得点が必要な場合もあるため、比較すると難易度はそこまで高くないと言えます。

全員は合格できない

しかし、東京消防庁消防官採用試験は競争試験です。

つまり、一定数の採用枠に対して、成績上位者から順に合格が決まるため、受験者全員が合格できるわけではありません。

資格試験（英検や漢検など）であれば偏差値の高い人が何人いても基準点を取れれば合格できますが、競争試験では偏差値の高い人たちよりも1点でも多くの点数を取らなければ合格できないのです。

人物重視（面接が重要）

また、最終合格するには、知識や学力だけでなく、消防官としての適性・資質や人間性（コミュニケーション能力）も必要です。

単純に筆記試験の点数を取れば合格できるものではなく、面接・論作文などによる人間性が最重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあるんですよね。

これまでの入学試験や資格試験では、知識を詰め込んでいれば合格できたものが、東京消防庁消防官採用試験では、能力を総合的に評価されるため単に知識を詰め込んでいるだけでは合格できないのです。

何かの試験に偏った対策をするのではなく、どの試験科目もバランスよく対策しましょう。

東京消防庁消防官採用試験の試験内容

東京消防庁消防官採用試験は一次試験と二次試験の2段階選考となっています。

一次試験

東京消防庁消防官採用試験の一次試験では、教養試験、論作文試験、適性検査の3つの筆記試験が実施されます。

試験内容	試験の概要
教養試験	消防官（社会人）として必要な基礎学力（一般知能・知識）に関する筆記試験。（択一式：120分 / 45問）
論作文試験	テーマに基づき、自分の考えを論理的に展開し記述する試験。消防官として直面する課題への対応策や社会情勢など、深い思考と表現力が求められます。（800〜1200字 / 90分）
適性検査	消防職員としての適性についての性格検査。

配点は非公表ですが、総合点の高い順に一次の合否が決まります。ただし、いずれかの試験が著しく低い点数だった場合は足切り（＝即不合格）となるので、注意してください。

教養試験の内容

計算力や読解力を測る『一般知能』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識』で構成される筆記試験です。

幅広い科目・分野から出題されますが、問題レベルはそんなに高くありません。

どの科目から手をつけるのか、どの分野は捨てていいのかなど、出題傾向（範囲）を理解し効率よく勉強しましょう。

 教養試験の出題傾向や勉強方法は下記の記事で解説しています。参考にしてくださいね！

論作文試験の内容

• 一類は論文、三類は作文です。

東京消防庁の論作文試験は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、消防官としての適性などを総合的に評価します。

試験時間	90分
問題数	1題
文字数	800字〜1200字
評価基準	・内容 ・表現 ・文字

論作文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた（気になった）としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。

勉強すればしただけ成果が見える筆記試験とは違い、客観的な評価（添削してもらうこと）でしか習熟度がわからないため厄介な試験といえるでしょう。

毎年、論作文で評価がもらえずに不合格となる受験者は一定数いるので早めに準備をしてください。

 論作文試験の過去問や対策方法は下記の記事で詳しくまとめています。

二次試験

東京消防庁採用試験の二次試験では、面接試験、体力試験、そして身体検査が行われます。

面接試験	消防官としての対応力や人柄、コミュニケーション能力などに関する面接試験。過去の経験や将来ビジョンについて質問されます。（1人30分程度）
体力試験	消防官の職務を行う上で必要な基礎体力に関する検査
身体検査	消防官として職務遂行に必要な身体、健康度の検査。

体力試験（検査）の内容

体力試験（検査）は、消防官として必要な、基礎的な体力が備わっているかどうかを判断する試験のことです。普段から鍛えていれば難度は低いと思います。

 体力検査の項目

1㎞走	6分間で走りきるペース（グループ制）
反復横とび	20秒間
上体起こし	30秒間
立ち幅とび	2回実施
長座体前屈	2回実施
握力	左右1回実施
腕立て伏せ	15回（合図に従い上げ下げ） ※最後は10秒間キープ

これらを行い、それぞれ基準を満たすかどうかを検査します。普段から鍛えていれば難度は低いと思います。

なお、体力試験の注意点としては、どの種目も正しくやることが重要です。

正確なフォームで行わないとカウントされないので注意してください。

受験者たちからは、このような感想をいただいています。

しっかりルールを把握して対策しましょう。

基準に達しないものが一つでもある場合は、不合格となります。得意種目を伸ばすだけでなく、苦手種目を減らせるように頑張ってみてください。

 正しいフォームややり方は文部科学省の資料「新体力テスト実施要項」を参考にしてください。

面接試験の内容

東京消防庁の面接試験は、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが東京消防庁の消防官として相応ふさわしいかどうかを評価・判断する人物試験です。

とくに東京消防庁（消防官）は面接試験が重視されているので、早い時期から面接対策を見据えていきたいところです。

試験では、一般的な質問に加え、公務員としての責任や使命や、消防官の仕事内容の質問が出されます。

実施形式	個人面接
試験時間	30分程度
面接官	3人
面接カード	あり（2024年度から出願時に入力）
質問例	・緊張していますか。 ・会場までどのような手段で来ましたか。 ・東京消防庁を志望した理由は何ですか。 ・消防官を目指したきっかけは何ですか。 ・消防官になりたい理由を教えてください。 ・なぜ警察や自衛隊ではなく消防官を志望するのですか。 ・東京消防庁と他市消防の違いは何ですか。 ・将来はどのような消防官になりたいですか。 ・どのような社会人になりたいですか。 ・東京消防庁の魅力は何ですか。

個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。

間違いのない回答を目指すことも重要ですが、あまりマニュアルに頼るのではなく、それ以上に自分らしさや消防官への熱意をアピールできるように準備していきましょう。

 面接の質問項目や対策方法は下記の記事で詳しくまとめています。

身体検査の内容

身体検査は、消防官として職務遂行に必要な身体（四肢関節機能含む。）や健康度を検査します。

 身体検査の項目

視力	視力（矯正視力を含む）が0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上。なお、裸眼視力に制限はありません。
色覚	石原式色覚検査で実施。
聴力	オージーメータを使用し、純音聴力検査を実施。
その他	尿検査、胸部X線検査、心電図、血液検査により健康度を検査。

特に対策は必要ありませんが、視力などに不安がある人はあらかじめ眼科などを受診しておきましょう。

東京消防庁消防官採用試験に関するFAQ

東京消防庁消防官採用試験に関するFAQ（受験者から頻繁に寄せられる質問とその回答）をまとめています。

試験概要

試験日程

試験対策

まとめ｜東京消防庁消防官採用試験は難しいのか

難易度だけで考えれば、東京消防庁消防官採用試験に受かることはそんなに難しくありません。試験問題は中学〜高校レベルですし、ボーダーラインも6倍程度だからです。

しかし、単純に筆記試験の点数を取れば合格できるものではなく、面接・論作文などによる人間性が最重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあります。

解説したとおり、東京消防庁消防官の試験内容は幅広いため、適当に勉強を進めるのではなく、傾向ををきちん理解してから効率よく行うことが大切です。

本サイトでは、東京消防庁消防官採用試験に必要な情報を多く配信しています。
ぜひ、参考にして対策を始めてくださいね。