【何割で合格?】税務職員採用試験のボーダーライン!合格最低点を解説

税務職員採用試験のボーダーライン

税務職員採用試験の勉強を進めていると、

「合格するには、あと何点くらい必要なんだろう?」

「そもそもボーダーラインって何割くらい?」

と気になりますよね。

目標点が曖昧なままだと、学習計画も立てにくいものです。

本記事では、税務職員採用試験の合格に必要なボーダーラインについて、人事院が公表する公式データをもとに分かりやすく解説します。

この記事を読めば、あなたが目標とすべき具体的な点数の目安が分かり、合格に向けた効率的な学習戦略を立てられるようになりますよ。

▼税務職員採用試験の概要や対策については、以下の記事で詳しく解説しています。

目次

税務職員採用試験のボーダーラインは「素点」ではなく「標準点」で決まる

まず大切なポイントとして、税務職員採用試験の合否は、テストの正解数そのものである「素点(そてん)」ではなく、標準点(ひょうじゅんてん)という特殊な点数で決まることを知っておきましょう。

「標準点って何…?」と難しく感じるかもしれませんが、簡単に言うと「偏差値」のようなものだと考えてください。

つまり、全受験者の中でのあなたの成績が、どのくらいの位置にいるかを示すための点数なのです。

なぜ「標準点」が使われるの?

では、なぜわざわざ「標準点」を使うのでしょうか?

それは、毎年の試験の難易度によって、受験者の平均点が変動してしまうからですね。

例えば、とても難しい年と、易しい年があったとします。もし素点で合否を決めてしまうと、難しい年に受験した人が不利になってしまいますよね。

そういった不公平をなくし、どの年に受験しても公平に評価するために、平均点や得点のばらつき(標準偏差)を考慮した「標準点」が用いられている、というわけです。

【年度別】税務職員採用試験の合格最低点(ボーダーライン)

実際に過去の試験ではどのくらいの標準点が合格最低点(ボーダーライン)だったのか見ていきましょう。

ここでは、人事院が公式に発表している過去3年間のデータをまとめました。ご自身の受験する地域では、どれくらいの点数が必要か確認してみてくださいね。

2024(令和6)年度試験

地域一次試験最終合格
北海道243点383点
東北356点469点
関東甲信越287点452点
東海北陸284点462点
近畿268点368点
中国282点441点
四国234点437点
九州369点528点
沖縄502点612点
出典:2024年度 税務職員採用試験 合格点及び平均点等一覧

2023(令和5)年度試験

地域一次試験最終合格
北海道216点339点
東北369点506点
関東甲信越367点521点
東海北陸337点469点
近畿348点498点
中国329点497点
四国264点399点
九州343点513点
沖縄497点610点
出典:2023年度 税務職員採用試験 合格点及び平均点等一覧

2022(令和4)年度試験

地域一次試験最終結果
北海道375点531点
東北397点516点
関東甲信越359点524点
東海北陸343点481点
近畿327点481点
中国347点501点
四国338点538点
九州407点565点
沖縄490点618点
出典:2022年度 税務職員採用試験 合格点及び平均点等一覧

【結局何割?】ボーダーライン突破に必要な素点(正答数)の目安

標準点の仕組みや過去のボーダーラインが分かったところで、受験者の方が一番知りたいのは「結局、素点(=正解数)で何問くらい取れば合格できるの?」という点ですよね。

もちろん、その年の試験の平均点によって標準点は変動するため、「素点で〇〇点取れば絶対に合格!」と断言することはできません。

しかし、過去のデータ傾向から、目標とすべき目安を示すことはできます。

目標は「素点で6割」が一つのライン

結論から言うと、まずは基礎能力試験・適性試験ともに「素点で6割」の正答を目指すのが、ボーダーラインを突破するための現実的な目標と言えるでしょう。

なぜなら、例年の平均点は素点で5割前後になることが多く、そこから確実に合格圏内に入るためには、プラス1割の上乗せが欲しいからです。

実際に自分の素点が何点になるか気になる方は、人事院が公表しているデータを元に僕が算出した「標準点換算表」で確認してみましょう。

江本

基礎能力試験と適性試験の素点の組み合わせで、自分の標準点が分かるようになっていますよ。

(補足)標準点の計算方法と具体例

さらに理解を深めたい方向けに、標準点がどのように計算されているのか、その計算式をご紹介します。

計算には、人事院が公表している以下の「平均点」と「標準偏差」のデータが用いられます。

実施年基礎能力試験適性試験
202418.629
(5.151)
64.640
(20.919)
202320.053点
(5.343)
69.518点
(21.659)
202218.836点
(4.704)
65.529点
(19.473)
( )内は標準偏差

このデータと、以下の計算式を組み合わせることで、標準点が算出されているのです。この式を見ると、いかに「平均点」より高い点を取ることが重要かが分かりますね。

標準点の計算式は次のとおり。

$$10\times\ 配点比率 \times(15\times\frac{素点-平均点}{標準偏差}+50)$$

少し複雑ですが、この式を使って、2023年度の関東甲信越を受験したAさんとBさんの合否をシミュレーションしてみましょう。(※2023年度の関東甲信越の一次試験ボーダーは367点です)

【Aさんの状況】
・基礎能力試験:22点
・適性試験:71点

このAさんの標準点を計算すると…合計404.9点となり、ボーダーラインの367点を上回るため、見事合格となります。

【Bさんの状況】
・基礎能力試験:20点
・適性試験:65点

このBさんの標準点を計算すると…合計366.4点となり、ボーダーラインの367点にわずかに届かず、残念ながら不合格となります。

このように、素点では数点の差でも、合否が分かれてしまうことがあるのです。

ボーダーラインを突破するための3つの学習戦略

では、目標である「素点6割」を達成し、ボーダーラインを突破するためには、どのような勉強をすればよいのでしょうか。

やみくもに全科目を勉強するのではなく、以下の3つの戦略を意識することが大切です。

①配点の高い「主要科目」で確実に得点する

基礎能力試験は科目数が多いですが、実は科目ごとに出題数が異なります。

例えば、数的処理(判断推理・数的推理)や文章理解は、他の科目に比べて圧倒的に出題数が多く、配点も高くなっています。

勉強時間は限られています。同じ1時間を使うなら、1問しか出ない科目を勉強するより、5問出る科目を勉強する方が、得点アップに繋がりやすいのは当然ですよね。

まずは主要科目を優先し、そこで確実に得点できる地盤を固めましょう。

▼税務職員採用試験の基礎能力試験は以下の記事で詳しく解説しています。

②頻出分野に絞り「捨てる勇気」を持つ

参考書を隅から隅まで完璧にこなそうとするのは、実は非効率です。なぜなら、公務員試験にはよく出る分野(頻出分野)と、ほとんど出ない分野があるからです。

例えば、日本史で「江戸時代」ばかり出題されると分かっているのに、「飛鳥時代」を一生懸命勉強するのはもったいないですよね。

過去問を分析して「出るところ」に的を絞り、思い切って「出ないところ」は勉強しない、という「捨てる勇気」も、短期合格のためには重要な戦略ですよ。

▼過去10年間の出題範囲を科目別・分野別にまとめています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

③基準点(足切り)を意識し、極端な苦手を作らない

税務職員採用試験には「基準点」という制度があります。これは、どれか一つの試験種目の得点が一定の基準に満たない場合、他の試験の成績がどんなに良くても、それだけで不合格になってしまうというルールです。

具体的には、基礎能力試験や適性試験で、満点の30%未満(※年度により変動の可能性あり)だと足切りになる可能性があります。

得意科目を伸ばすのはもちろん大切ですが、極端に苦手な科目を作って0点などを取ってしまうと、足切りのリスクが高まります。

苦手科目でも最低限の点数を確保する、という守りの視点も忘れないようにしましょう。

まとめ:ボーダーラインを意識して、効率的な学習計画を立てよう

今回は、税務職員採用試験のボーダーラインについて解説しました。

最後に、重要なポイントを振り返りましょう。

  • 合否は素点ではなく「標準点」で決まる。
  • 合格の目安は、まず「素点で6割」を目指すのが現実的。
  • ボーダーを突破するには「配点」「頻出分野」「足切り」を意識した戦略が重要。

合格ボーダーラインは、あなたの現在地とゴールとの距離を測るための大切な指標です。今回お伝えした「6割」という目安を意識して、ご自身の学習計画を一度見直してみてはいかがでしょうか。

ボーダーラインを把握したら、次は「どの科目から勉強するか」ですね!以下の記事で、科目ごとの配点や出題範囲を詳しくチェックして、明日からの学習に役立ててください。

▼過去10年間の出題範囲を科目別・分野別にまとめています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次