【高卒】海上保安大学校の基礎能力試験対策!出題傾向と勉強方法

【海上保安大学校】基礎能力試験の傾向と対策

海上保安大学校(本科)への合格を目指しているあなたへ、日々の勉強お疲れ様です。

「よし、海保大目指して頑張るぞ!…でも、最初の筆記試験『基礎能力試験』って、科目が多くて何から手をつければいいんだろう?」

そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

でも、ご安心ください。

この記事を読めば、基礎能力試験の全体像から科目別の出題傾向、そして合格を掴むための具体的な勉強法まで、すべてが分かります。

遠回りをせず、最短ルートで合格を目指せるよう、一緒に万全の対策を始めましょう!


海上保安大学校の基礎能力試験に特化した内容です。全体像は下記の記事でまとめているので、これから受験する方はあわせて確認してくださいね。

目次

海上保安大学校(本科)基礎能力試験の全体像をサクッと把握!

まずは、「基礎能力試験」がどんな試験なのか、その全体像を掴みましょう。

海上保安大学校(本科)の基礎能力試験は、公務員として必要な基礎的な知識や思考力を測るための、五肢択一式(マークシート)の筆記試験です。

試験の基本的な概要は以下の通りです。

試験時間90分
問題数40問
難易度高校卒業程度
出題形式五肢択一式(マークシート)
配点比率2/7

この試験は、大きく分けて2つの分野から構成されています。

  1. 一般知能分野:思考力や判断力を問う、いわば「考える力」を測る科目(数的推理、判断推理など)。
  2. 一般知識分野:高校までに学んだ知識を問う、いわば「覚える力」を測る科目(社会科学、人文科学など)。

この2つの分野の特性を理解することが、効率的な学習の第一歩です。

【科目別】基礎能力試験の出題内容と学習のポイント

次に、試験の「中身」を科目別に詳しく見ていきましょう。

「どの科目が重要で、どう対策すればよいか」を解説します。

【最重要】合否を分ける「一般知能」分野

まず、絶対に軽視できないのが「一般知能」分野です。

全40問のうち、例年20問程度がこの分野から出題され、配点も高いためここでの得点が合否に直結します。

計算力や論理的思考力が問われるため、苦手意識を持つ人も多いですが、解き方の「型」を覚えれば、誰でも得点源にできる分野です。

数的推理

数学的な問題解決能力が問われる科目です。方程式や確率、速さ、図形の問題などが含まれます。

海上保安大学校の問題(数的推理)
海上保安大学校の問題(数的推理)

公務員試験の勉強で、多くの受験者が最初につまずくポイントですが、出題パターンはある程度決まっています。

簡単な参考書で解法パターンをしっかりインプットすることから始めましょう。

判断推理

論理的な思考力が問われる、パズルのような科目です。

海上保安大学校の問題(判断推理)
海上保安大学校の問題(判断推理)

条件整理や順序関係、位置関係の問題などが出題されます。

数的推理に比べると、ひらめきで解ける問題もあります。多くの問題に触れ、様々な解法パターンに慣れることが重要です。

空間把握

図形を頭の中でイメージする力が問われる科目です。立体図形の展開図や回転などが頻出です。

海上保安大学校の問題(空間把握)
海上保安大学校の問題(空間把握)

得意・不得意がはっきり分かれる科目ですが、苦手な人でも、いくつかの基本的な解法パターンを覚えることで、失点を最小限に抑えることができます。

資料解釈

グラフや表から数値を読み取り、正しく分析する力を測る科目です。

海上保安大学校の問題(資料解釈)
海上保安大学校の問題(資料解釈)

時間をかければ解ける問題が多いですが、1問に時間をかけすぎると命取りになります。

「選択肢から見る」「概算で計算する」といった、速く正確に解くためのテクニックを習得することが不可欠です。

文章理解

日本語の長文や古文・漢文を読み解く力、そして英語の読解力が問われます。

海上保安大学校の問題(文章理解)
海上保安大学校の問題(文章理解)

現代文、英文ともに、文章の趣旨把握や内容合致、空欄補充といった形式が中心です。

安定して得点しやすい科目ですが、一文ずつ丁寧に読みすぎると時間が足りなくなります。段落ごとの要旨を掴みながらスピーディーに読む練習をしましょう。

【効率重視】戦略的に攻める「一般知識」分野

次に、高校までに学んだ知識が問われる「一般知識」分野です。

全40問のうち、例年20問程度がこの分野から出題されます。

科目数が非常に多いのが特徴ですが、すべての科目を完璧にする必要はありません。出題傾向を把握し、優先順位をつけて効率よく学習する「戦略」が何よりも重要になります。

社会科学

政治、経済、社会(現代社会)の3科目から出題されます。

海上保安大学校の問題(社会科学.)
海上保安大学校の問題(社会科学.)

時事的な内容も多く問われるため、日頃からニュースや新聞に関心を持っておくと有利です。特に、選挙制度や日本国憲法、基本的な経済用語などは頻出です。

人文科学

日本史、世界史、地理、国語(文法など)、英語(文法など)、思想といった幅広い科目から出題されます。

海上保安大学校の問題(人文科学.)
海上保安大学校の問題(人文科学.)

いわゆる「暗記科目」の集まりで、範囲が膨大です。

全てを網羅しようとせず、出題数の多い世界史や地理、国語を中心に学習し、残りは自分の得意科目で得点を稼ぐのが賢い戦略です。

例えば、日本史は近現代史が頻出で、原始~中世はほとんど出題されていません。このように、科目の中でも「出るところ」に絞って勉強しましょう。

自然科学

数学、物理、化学、生物、地学の5科目から出題されます。

海上保安大学校の問題(自然科学)
海上保安大学校の問題(自然科学)

理系科目が中心のため、「捨て科目」にする受験生も多い分野です。しかし、化学や生物、地学には暗記だけで対応できる問題も含まれています

完全に捨てるのではなく、こうした得点しやすい問題だけでも拾えるように準備しておくと、ライバルに差をつけることができます。

情報

2024年度から新設された科目です。

海上保安大学校の問題(情報)
海上保安大学校の問題(情報)

プログラミング的思考やネットワーク、データベースの基礎知識が問われます。

現状、出題は1問程度なので、学習の優先度は低いと言えます。他の重要科目の学習が一段落してから、時間が余れば手をつける、というスタンスで問題ないでしょう。

基礎能力試験の5ステップ勉強法

科目が多く、範囲も広い基礎能力試験。やみくもに勉強を始めるのは非効率です。

ここでは、合格への最短ルートとなる「5つのステップ」に沿った勉強法をご紹介します。

STEP1:まずは過去問で「敵」を知る

本格的な勉強を始める前に、まずは直近1〜2年分の過去問に目を通してみましょう。もちろん、最初は全く解けなくても構いません。

目的は、「どんな形式で、どのくらいの難易度の問題が、どの科目から何問くらい出るのか」という、試験の全体像、つまり「敵」の姿を肌で感じることです。


STEP2:学習計画を立て、自分に合う教材を選ぶ

敵の姿が分かったら、次は具体的な作戦(学習計画)を立てます。

試験日までの期間から逆算し、「いつまでに、何を、どこまでやるか」を決めましょう。

【学習スケジュールの例】

  • 平日:毎日1〜2時間。特に重要な「数的処理」と、苦手な「一般知識」科目を交互に行う。
  • 土曜日:3〜4時間。平日の総復習と、過去問演習に取り組む。
  • 日曜日:予備日または休息日。計画に遅れがあれば調整し、なければリフレッシュに充てる。

計画と同時に、共に戦う「武器」となる参考書や問題集を揃えましょう。

海上保安大学校(本科)対策でおすすめのシリーズは以下の通りです。

【本科(高卒程度)向け おすすめ参考書・問題集】
  • オープンセサミシリーズ(東京アカデミー)
    • 初心者でも分かりやすい解説が魅力。情報量が豊富なので、メインの参考書として使えます。
  • 畑中敦子シリーズ
    • 「数的処理」が苦手な受験生の救世主。数学が苦手な人でも理解できるよう、解法のテクニックが丁寧に解説されています。
  • 公務員試験 合格の350シリーズ
    • 過去問が科目別に整理されている問題集。苦手分野を集中して潰したいときに便利です。

STEP3:最優先で「数的処理」をマスターする

学習をスタートする際、真っ先に取り組むべきなのが「一般知能」分野、特に数的推理と判断推理(合わせて「数的処理」と呼ばれます)です。

なぜなら、この分野は、

  • 配点が高い
  • 理解に時間がかかる
  • 一度身につければ忘れにくい

という特徴があるからです。

暗記科目と違い、解法パターンの理解と定着には反復練習が不可欠。試験直前に慌てても手遅れになります。

最初に時間をかけて数的処理をマスターしておけば、大きな得点源となり、精神的にも余裕が生まれます。まずは「畑中敦子シリーズ」などで解法を学び、その後、問題集で繰り返し演習しましょう。

STEP4:頻出分野に絞って知識をインプットする

数的処理の学習と並行して、「一般知識」分野の暗記を進めます。

ここでの鉄則は、「出るところからやる」ことです。

たとえば、社会科学の政治で「憲法の基本原理」に関する分野。どの参考書でも重要度Aとされており、多くの受験生がこの分野に重点的に取り組んでいます。

公務員試験 初級スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)より引用
公務員試験 初級スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)より引用

ところが、海上保安大学校の過去10年分の出題を徹底分析したところ、なんとこの『憲法の基本原理』はほとんど出題されていなかったのです。

海上保安大学校の出題傾向
当サイトが過去10年間の海上保安大学校の試験問題を独自に分析したデータです。

つまり、これは非効率な勉強だと言えますね。だって、出ない分野にどんなに時間をかけても意味がないからです。

参考書を1ページ目から完璧に覚えようとせず、過去問でよく問われている分野から優先的にインプットしていきましょう。


なお、全科目の出題範囲を下記の記事でまとめています。「なにからやればいいんだろう・・・」と悩む時間があれば、とりあえず見ることをオススメします!

STEP5:模試で時間配分と実戦力を養う

学習がある程度進んだら、予備校などが実施する模擬試験を必ず活用しましょう。

模試の目的は、単に実力を測るだけではありません。

「90分で40問を解き切る」ための時間配分の練習こそが、最大の目的なのです。

「どの問題に時間を使い、どの問題は早めに見切るか」という本番での判断力を、模試を通じて養ってください。そして、間違えた問題は必ず復習し、自分の弱点を一つひとつ潰していくことが、合格への最後の仕上げとなります。

これで安心!海保大(本科)基礎能力試験のよくある質問(FAQ)

ここでは、海上保安大学校(本科)の基礎能力試験に関して、受験生からよく寄せられる質問にお答えします。

基礎能力試験の難易度はどれくらいですか?

難易度は「高校卒業程度」です。

高校の教科書レベルの基本的な問題が中心ですが、科目数が多いため、幅広く対策する必要があります。

突出して難しい奇問・難問は出題されないので、基本的な問題を確実に解けるようにすることが重要です。

合格には、どれくらいの勉強時間が必要ですか?

一概には言えませんが、一般的には400時間〜500時間が一つの目安とされています。

これは、毎日コンスタントに1〜2時間の勉強を、半年から1年近く続ける計算になります。

個人の基礎学力によって必要な時間は変わりますので、あくまで目安として、早めに学習計画を立ててスタートしましょう。

合格するためのボーダーライン(合格点)は何割くらいですか?

海上保安大学校のボーダーは6割程度平均点は5割程度です。

ただし、これはあくまで目安です。年度によって難易度は変動するため、油断は禁物。

過去問演習の段階で、常に7割以上の得点を目指して学習を進めるのが理想的です。


過去の合格点等は下記の記事で詳しくまとめています。参考にしてください。

まとめ:基礎能力試験の攻略は「出題傾向の分析」から始まる!

今回は、海上保安大学校(本科)の基礎能力試験について、その内容から具体的な勉強法までを詳しく解説しました。

最後に、合格を掴むための最も重要なポイントを振り返りましょう。

  • 試験は「一般知能」と「一般知識」で構成。合否を分けるのは「一般知能」。
  • 勉強を始める前に、必ず過去問を分析し「出題傾向」を把握する。
  • 学習は「数的処理」を最優先でスタートする。
  • 知識科目は、頻出分野に絞って効率よく暗記する。
  • 模試を活用して、時間配分と実戦力を身につける。

基礎能力試験は、科目が多く範囲も広いため、一見すると大変に感じるかもしれません。しかし、心配は無用です。

出題傾向という羅針盤を頼りに、正しい戦略で学習を進めれば、必ず合格は見えてきます。

この記事が、あなたの夢への第一歩を力強く後押しできれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!


なお、全科目の出題範囲を下記の記事でまとめています。「なにからやればいいんだろう・・・」と悩む時間があれば、とりあえず見ることをオススメします!

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