本記事では、高卒程度公務員試験の一つである国家公務員一般職の試験内容と対策のポイントを徹底解説します。
少しでも合格率を上げるには、試験内容を理解してから対策を始めることが大事です。
この記事を最後まで読むことで、一次試験、二次試験の内容から合格に向けた準備まで網羅的に理解できます。ぜひ、参考にしてください。

【高卒】国家一般職の試験内容
国家公務員(一般職)になるためには、筆記試験や人物評価を含む採用試験に合格する必要があります。ここでは、試験の流れや各試験の内容について詳しく見ていきましょう。
第1次試験
国家一般職(高卒)の第1次試験は、「基礎能力試験」、「専門試験」、「適性試験」、「作文試験」が実施されます。
基礎能力試験
基礎能力試験は、計算力や読解力を測る『一般知能』と、今までに勉強してきた基礎学力を測る『一般知識』で構成される筆記試験です。
まずは、基礎能力試験の概要を確認しましょう。
対象区分 | 事務・技術・農業土木・林業 |
---|---|
試験時間 | 90分 |
問題数 | 40問 |
レベル | 高校卒業程度 |
出題形式 | 五肢択一式 |
解答方式 | マークシート |
試験科目 | 数的推理、判断推理、資料解釈、文章理解 一般知識 社会科学、人文科学、自然科学、情報 | 一般知能
配点比率 | 事務区分:4/9 技術区分:2.3/9 |
このように試験の形式自体はシンプルに見えますが、実際の出題範囲は非常に広範囲にわたります。
そのため、どの科目から手をつけるのか、どの分野は捨てていいのかなど、出題傾向(範囲)を理解し効率よく勉強しましょう。

下記の記事では、過去のデータをもとに、出題傾向を分析し、効率的に学習を進めるためのポイントを整理しました。参考にしてください。


専門試験
専門試験は、試験区分に応じて必要な専門的知識を問う筆記試験です。
まずは、専門試験の概要を確認しましょう。
対象区分 | 技術、農業土木、林業 |
---|---|
試験時間 | 100分 |
問題数 | 40問 |
出題形式 | 五肢択一式(マークシート) |
試験科目 | 【必須問題(20問)】 数学・物理・情報 【選択問題(各20問)】 電気・情報系 機械系 土木系 建築系 農業土木区分 農業土木設計、農業土木施工、水循環、測量、農業と環境・情報 林業区分 森林経営、森林科学、測量、林産物利用・植物バイオテクノロジー、農業と環境・情報 | 技術区分
配点比率 | 4.7/9 |
基本的に高校で勉強してきた内容なので難しくはありません。また、基礎能力試験に比べて配点が2倍になります。
そのため、できるだけ専門試験で点数を取ることが大事です。



専門試験の過去問を下記の記事でまとめています。参考にしてください。


適性試験
適正試験は、簡単な計算問題や図形の組み合わせなど、短時間でどれだけ多くの問題を解けるか(処理できるか)を測る筆記試験です。
まずは、適性試験の概要を確認しましょう。
対象区分 | 事務 |
---|---|
試験時間 | 15分 |
問題数 | 120問 |
出題傾向 | 計算 照合 置換 分類 これらの形式から3パターンが出題される。 |
配点比率 | 2/9 |
1問1点で計算されるので、高得点が取れると基礎能力試験の負担を減らせます。
特別な対策は必要ありませんが、何回かは時間を計って問題形式になれるようにしましょう。



適性試験の過去問や対策方法は下記の記事を参考にしてください。


作文試験
作文試験は、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験です。筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、公務員としての適性などを総合的に評価します。
まずは、作文試験の概要を確認しましょう。
対象区分 | 事務 |
---|---|
試験時間 | 50分 |
問題数 | 1題 |
文字数 | 600字 |
評価基準 | ・内容 ・表現 ・文字 |
配点比率 | 1/9 |
作文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。
勉強すればしただけ成果が見える筆記試験とは違い、客観的な評価(添削してもらうこと)でしか習熟度がわからないため厄介な試験といえるでしょう。
毎年、作文で評価がもらえずに不合格となる受験者は一定数いるので早めに準備をしてください。



過去のテーマや対策方法は下記記事でまとめています。


第2次試験
国家一般職(高卒)の第2次試験は人物面に関する口述試験(面接)が行われます。
口述試験(面接)
口述試験(面接)は、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが国家公務員として相応しいかどうかを評価・判断する面接試験です。
まずは、口述試験(面接)の概要を確認しましょう。
対象区分 | 事務、技術、農業土木、林業 |
---|---|
試験時間 | 20分 |
面接官 | 3人 |
形式 | 個人面接 |
配点比率 | 2/9 |
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。
間違いのない回答を目指すことも重要ですが、あまりマニュアルに頼るのではなく、それ以上に自分らしさや国家一般職(高卒)への熱意をアピールできるように準備していきましょう。



面接カードや過去の質問例は下記の記事でも詳しく解説しています。


【高卒】国家一般職に関するFAQ
国家一般職(高卒)に関するFAQ(受験者から頻繁に寄せられる質問とその回答)をまとめています。
Q1.年齢制限
国家一般職(高卒)の年齢制限は?
国家一般職(高卒)は20歳まで受験できます。
2025(令和7)年度の受験資格は以下のとおりです。
Q2.採用人数
国家一般職(高卒)の採用人数は?
2025(令和7)年度国家一般職(高卒)の採用予定人数は、事務区分1470人、技術区分590人、農業土木区分125人、林業区分45人です。
これまでの推移をまとめたので確認してください。
区分・地域 | 2025 | 2024 | 2023 |
---|---|---|---|
北海道 | 130人 | 100人 | 80人 |
東北 | 75人 | 80人 | 70人 |
関東甲信越 | 790人 | 790人 | 750人 |
東海北陸 | 110人 | 110人 | 150人 |
近畿 | 120人 | 100人 | 185人 |
中国 | 80人 | 75人 | 45人 |
四国 | 25人 | 25人 | 20人 |
九州 | 105人 | 100人 | 110人 |
沖縄 | 35人 | 40人 | 25人 |
Q3.競争率(倍率)
国家一般職(高卒)の競争率は?
国家一般職(高卒程度)の倍率は2倍台で推移しています。
- 2024年度:2.7倍
- 2023年度:2.5倍
- 2022年度:2.9倍
統一試験日を設けて選考を行っている地方公務員とは違い、国家一般職(高卒程度)の選考試験は単独日で行うため全国から受験者が集まりやすいです。



地域別の倍率や詳細(受験者数や合格者数など)は下記の記事で詳しくまとめています。参考にしてください。


Q4.配点
国家一般職(高卒)の配点は?
国家一般職(高卒)の配点は以下のとおりです。
試験科目 | 事務 | その他 |
---|---|---|
基礎能力試験 | $$\frac{4}{9}$$ | $$\frac{2.3}{9}$$ |
専門試験 | – | $$\frac{4.7}{9}$$ |
適性試験 | $$\frac{2}{9}$$ | – |
作文試験 | $$\frac{1}{9}$$ | – |
人物試験 | $$\frac{2}{9}$$ | $$\frac{2}{9}$$ |
Q5.出願期間
国家一般職(高卒)の出願期間は?
国家一般職(高卒)の出願は、例年6月上旬から下旬にかけて行われます。
2025(令和7)年度の出願期間は、2025年6月13日(金)から25日(水)までとなっています。



募集要項は2025年5月7日(水)に発表されました!
Q6.試験日
国家一般職(高卒)の試験日は?
国家一般職(高卒)の試験日は、第1次選考が9月、第2次選考が10月にそれぞれ実施されます。
2025(令和7)年度の試験日は以下のとおりです。
第1次試験 | 2025年9月7日(日) |
---|---|
第2次試験 | 2025年10月15日(水)から24日(金)のうち指定された日 |



税務職員採用試験も同じ日程で行われています!
Q7.合格発表日
国家一般職(高卒)の合格発表日は?
国家一般職(高卒)の合格発表日は第1次選考が10月上旬、第2次選考が11月中旬に発表されます。
2025(令和7)年度の合格発表日は以下のとおりです。
第1次試験 | 2025年10月9日(木) |
---|---|
第2次試験 | 2025年11月18日(火) |
Q8.過去問
国家一般職(高卒)の過去問はダウンロードできる?
国家一般職(高卒程度)の過去問は人事院ホームページで公開されています。
人事院ホームページにアクセスし、「試験問題例」のセクションを探してください。そこから、国家一般職(高卒程度)の過去問をダウンロードすることができます。



過去問は下記の記事でも3年分を掲載しています。参考にしてください!


Q9.ボーダーライン
国家一般職(高卒)のボーダーラインは?
受験年度や採用人数によって変動しますが、ボーダーラインは6割程度です。しっかり準備しておけば容易に到達できる水準です。
同じ公務員試験でも、裁判所事務官は最低8割必要ですし、県庁や市役所も7割程度。比較すると国家一般職(高卒程度)のボーダーラインは大したことありません。
6割程度の点数であれば、傾向に沿って勉強すれば十分に取れるので、そこまで難度は高くないでしょう。



過去の合格点は下記の記事で詳しくまとめています。参考にしてください!


【高卒】国家一般職の試験内容まとめ
解説したとおり国家一般職(高卒程度)の試験内容は幅広いため、適当に勉強を進めるのではなく傾向ををきちん理解してから効率よく行うことが大切です。
再度、試験内容をまとめます。
試験科目 | 主な内容 | |
---|---|---|
一次試験 | 基礎能力試験 | 公務員(社会人)として必要な基礎学力(一般知能・知識)に関する筆記試験。(択一式:90分 / 40問) |
専門試験 | 試験区分に応じて必要な専門的知識を問う筆記試験で、技術・農業土木・林業区分で実施されます。(択一式:100分 / 40問) | |
作文試験 | テーマに基づき、自分の考えを論理的に展開し記述する試験。国家公務員として直面する課題への対応策や社会情勢など、深い思考と表現力が求められます。(600字 / 50分) | |
適性試験 | 思考力・判断力・瞬発力などをを測る筆記試験(択一式:15分 / 120問) | |
二次試験 | 口述試験 | 国家公務員としての対応力や人柄、コミュニケーション能力などに関する面接試験。過去の経験や将来ビジョンについて質問されます。(1人20分程度) |
単純に筆記試験の点数を取れば合格できるものではなく、面接・作文などによる人間性も重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあります。
本サイトでは、国家一般職(高卒程度)の合格に必要な情報を多く配信しています。
ぜひ、参考にして対策を始めてくださいね。
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