本記事では、国家一般職(高卒)採用試験の難易度と試験内容を徹底解説します。
結論から言うと、試験の難易度自体は標準的です。しかし、合格するには傾向を理解した効率的な対策が不可欠です。
今回は、高校卒業後に国家公務員として働きたい方に向けて、「受験マニュアル」を作る気持ちでまとめました。
最後まで読めば、試験の全体像から合格に向けた具体的な準備まで、しっかり理解できます。
敵を知らずに対策を始めるのは無謀です。
本記事を参考にして、国家一般職の合格に向けて着実に準備を進めましょう。
国家一般職(高卒)とは?概要を確認しよう!
国家一般職(高卒)は、各府省庁で働く国家公務員を採用するための試験です。
事務や技術職として、国の行政事務を支える重要な役割を担います。
まずは試験概要を確認しましょう。
受験資格
受験資格は、主に「年齢」と「卒業後の年数」で規定されています。
▼受験可能な年齢・条件
原則として20歳以下の方が対象です。
具体的には、2025年4月1日時点で高校卒業後2年以内の方、または2026年3月までに卒業見込みの方が対象となります。
試験日程(選考スケジュール)
採用試験は、6月の申し込みから11月の最終合格まで、約5ヶ月にわたるスケジュールで進められます。
主なスケジュールは以下の通りです。
| 申込受付期間 | 2025年6月13日(金) ~ 6月25日(水) |
|---|---|
| 第1次試験日 | 2025年9月7日(日) |
| 第1次試験 合格者発表日 | 2025年10月9日(木) |
| 第2次試験日 | 2025年10月15日(水) ~ 10月24日(金) |
| 最終合格者 発表日 | 2025年11月18日(火) |
各日程をしっかり把握し、逆算して学習計画を立てることが重要です。
試験科目(種目)
試験は筆記試験と人物試験(面接)で構成されています。区分によって科目が異なる点に注意が必要です。
主な試験科目は以下のとおりです。
▼第1次選考
| 試験科目 | 内容 | 対象区分 |
|---|---|---|
| 基礎能力 | 知能分野・知識分野の多肢選択式 | 全区分 |
| 適性試験 | 事務処理の速さと正確さを測る検査 | 事務のみ |
| 作文試験 | 文章による表現力や課題理解力 | 事務のみ |
| 専門試験 | 区分に応じた専門知識(技術・農業など) | 事務以外 |
▼第2次選考
| 試験科目 | 内容 | 対象区分 |
|---|---|---|
| 人物試験 | 個人面接、人柄や対人能力の評価 | 全区分 |
事務区分は適性試験や作文がある一方、技術・農業区分などは専門試験が課されます。
自分の受ける区分の試験内容を必ず確認し、無駄のない対策を行いましょう。
【難易度】国家一般職(高卒)は難しいのか?
結論から言うと、国家一般職(高卒)の難易度は標準レベルです。
決して「簡単」ではありませんが、正しい対策をすれば合格は十分可能です。
倍率は2倍台で推移
国家一般職(高卒)の倍率は、近年2倍台で安定しています。
たとえば、2025年度(事務区分)の実質倍率は約2.2倍でした。
同じ国家系事務職の裁判所職員が9.1倍だったので、数値上の競争率は比較的低いと言えます。
ただし、国家一般職は試験日程が単独のため、全国から併願者が集まりやすい特徴があります。
▼これまでの倍率はこちら!
問題レベルは高校卒業程度
筆記試験の内容は、高校までに学習する範囲が中心です。
大学入試のような難問奇問が出るわけではなく、基本的な学力を問う問題が多く出題されます。
基礎をしっかりと固めれば、安定して得点できるようになるでしょう。特別な才能よりも、コツコツとした積み重ねが活きる試験です。
▼実際の問題はこちら!
合格ラインは6割程度
国家一般職のボーダーラインは、6割程度が目安です。
たとえば、難関と言われる裁判所職員は8割近く、地方上級などは7割が必要なケースもあります。
- 国家一般職:6割程度
- 裁判所職員:8割程度
- 県・市職員:7割程度
これらと比較すると、国家一般職のボーダーは標準的です。満点を狙う必要はありません。
捨て問を作るなど、戦略的に解けば十分に合格点へ届きます。
▼具体的な合格ラインはこちら!
人物重視の傾向あり
最終合格には、知識だけでは不十分です。
面接試験の配点は全体の約2割を占めます。
数字だけ見ると低く感じるかもしれませんが、ここで低い評価を受けると、筆記が良くても不合格になります。
公務員としての適性、人柄、コミュニケーション能力が厳しく見られます。筆記対策と並行して、面接対策も進める必要があります。
【国家一般職】第1次試験の内容と対策
第1次試験は筆記試験がメインです。科目数が多いため、優先順位をつけて勉強することが合格への近道です。
基礎能力試験
基礎能力試験は、すべての区分で実施される必須科目です。
知能分野と知識分野に分かれており、範囲が広いのが特徴です。
| 対象区分 | 全区分共通(事務・技術・農業土木・林業) |
|---|---|
| 試験時間 | 90分 |
| 問題数 | 40問 |
| レベル | 高校卒業程度 |
| 出題範囲 | 一般知能 ┗数的推理、判断推理、資料解釈、文章理解 一般知識 ┗社会科学、人文科学、自然科学、情報 |
| 配点比率 | 事務:4/9 その他:2.3/9 |
技術系区分の場合、専門試験のウェイトが高くなるため、基礎能力試験の配点は低くなります。
全てを完璧にする必要はありません。「数的推理」や「判断推理」など、出題数の多い科目を重点的に対策しましょう。
▼詳しい傾向分析や効率的な勉強方法は、下記の記事で解説しています。
専門試験(技術・農業・林業のみ)
事務区分以外の区分では、専門試験が実施されます。
高校で学んだ専門知識が問われますが、配点が基礎能力試験の約2倍と非常に高いのが特徴です。
| 対象区分 | 技術、農業土木、林業 |
|---|---|
| 試験時間 | 100分 |
| 問題数 | 40問 |
| 配点比率 | 4.7/9 |
技術職を目指す方にとって、ここでの得点が合否を大きく左右します。基礎能力試験以上に力を入れて対策してください。
適性試験(事務のみ)
適性試験は、事務区分のみで実施される試験です。
簡単な計算や照合を短時間で行い、事務処理能力の速さと正確さを測ります。
| 対象区分 | 事務 |
|---|---|
| 試験時間 | 15分 |
| 問題数 | 120問 |
| 配点比率 | 2/9 |
15分で120問というスピード勝負です。特別な知識は不要ですが、慣れが必要なため、時間を計って練習しておきましょう。
作文試験(事務のみ)
作文試験も、主に事務区分で実施されます。
与えられたテーマに対し、自分の考えを論理的に記述します。
| 対象区分 | 事務 |
|---|---|
| 試験時間 | 50分 |
| 文字数 | 600字 |
| 配点比率 | 1/9 |
「書けるつもり」でも、実際に書くと時間が足りなかったり、論点がずれたりすることがよくあります。
毎年、作文の評価が低く不合格になる受験者もいます。必ず第三者に添削してもらい、客観的な評価を受けながら練習しましょう。
▼過去のテーマや詳しい対策は、下記記事をご覧ください。
【国家一般職】第2次試験の内容と対策
第2次試験は、すべての区分で人物試験(面接)が行われます。
人物試験(面接)
人物試験では、志望動機や自己PRを通じて、国家公務員としての適性を評価します。
筆記試験を突破した受験者同士の戦いになるため、ここでの評価が最終合否を分けます。
| 対象区分 | 全区分共通 |
|---|---|
| 実施形式 | 個人面接 |
| 試験時間 | 20分程度 |
| 面接官 | 3人 |
| 配点比率 | 2/9 |
面接官3人に対し受験者1人の形式です。
マニュアル通りの回答ではなく、自分の言葉で熱意を伝えることが重要です。早い段階から模擬面接などで練習を重ねておきましょう。
▼過去の質問例や面接カードの書き方は、下記の記事で解説しています。
【結論】国家一般職(高卒)の難易度は標準だが対策を間違えると落ちます
ここまで解説した通り、国家一般職(高卒)の問題レベルは「高校卒業程度」です。
しかし、「レベルが標準=カンタンに受かる」と勘違いしてはいけません。
基礎能力試験の戦略が合否のポイント
不合格になる最大の原因は、全区分で必須の「基礎能力試験」にあります。
この試験は、政治・経済・数学・理科・歴史・文章読解など、高校で習うほぼ全ての教科(約15科目以上)から出題されます。
さらに、皆さんにはこれと並行して、「専門試験」や「作文」、「面接」の対策をする時間も必要です。
真面目な人ほど、すべての科目を完璧に勉強しようとして時間が足りなくなり、共倒れしてしまいます。
「出ない分野」を捨てる勇気が必要
合格する人は、範囲が膨大な基礎能力試験において、「出る分野だけやり、出ない分野は捨てる」という戦略を徹底しています。
満点を取る必要はありません。
効率よく点数を取って、専門試験や面接対策に時間を回した人が勝つのです。
しかし、独学で「どこを捨てていいか」を判断するのは難しいですよね。
- 「数学のどの単元を捨てればいい?」
- 「歴史はどこまで覚えればいい?」
- 「過去問を分析する時間なんてない!」
市販の参考書は「全範囲」を網羅しているため、「国家一般職(高卒)でよく出る問題」までは載っていないことがほとんどです。
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- 【分析データ】分野別出題一覧表(過去10年分)
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